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http://www.mainichi-msn.co.jp/kagaku/science/news/20040926k0000m040100000c.html
原子力災害時に防災拠点となるオフサイトセンター(全国21カ所)の約6割が、事故で放射能の影響を受ける可能性がある「防災重点地域(EPZ)」の内側にあることが、毎日新聞の調べで分かった。重大事故時に、施設が使えない恐れがある。関係者が緊急に集まるためのヘリポートを敷地内に持つセンターも2カ所しかなく、JCO臨界事故後に整備された原子力防災体制の不備が浮かび上がった。
EPZは、国の指針が「異常事態の影響の及ぶ可能性のある範囲」として重点的な防災対策を求めている地域。米スリーマイル島原発事故などを参考に、原発から半径8〜10キロ▽再処理工場から同5キロ▽核燃料加工施設から同500メートル−−などとされた。EPZ内にセンターがあると、指針が想定する重大事故時はセンターも放射能の影響を受ける恐れがある。
毎日新聞が原子力施設の立地道府県にアンケートした結果、13カ所はEPZの内側にあった。12カ所は原発用で、北海道電力泊原発から約2キロの北海道が最も近かった。次いで静岡県の中部電力浜岡原発から約2.3キロ▽愛媛県の四国電力伊方原発から約4.5キロ−−などの順になった。
EPZ内への設置理由は、放射線の測定センターなど「既存の施設の隣に設置した」(北海道など)▽「県有地を活用した」(新潟)▽「地元の希望。地域の安心感が高まる」(静岡、愛媛)−−などだった。
原子力災害対策特別措置法は、設置場所を「原子力施設から20キロ以内」と定めているだけだが、政府は99年の国会答弁で「放射線防護上問題がない場所が適当」との見解を示している。各道府県は代替施設の準備も義務付けられたが、自治体の庁舎や学校の体育館があてられ、センターと同等の高度な通信機能などを持つところは少ない。
同法は、センターの近接地にヘリポートを設置することも定めたが、敷地内に持つセンターは福井県と茨城県の2カ所だけで、14カ所は500メートル以上離れていた。【JCO臨界事故取材班】
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経済産業省原子力安全・保安院は「EPZ内にあっても、センターが必ず事故の影響を受けるわけではない」と話すが、慶応大の藤田祐幸助教授(物理学)は「センターは重大事故に備えてつくったはず。なのにEPZの中につくるとは自己矛盾だ」と指摘している。
【ことば】オフサイトセンター 正式名称は緊急事態応急対策拠点施設。原子力災害時に国や自治体、事業者らが集まり、住民避難などの対策を講じる。JCO臨界事故後に制定された原子力災害対策特別措置法で、原子力施設の周辺への設置が自治体に義務付けられた。テレビ会議システムや衛星通信機能、放射能の汚染除去場などを備える。国は建設費として約180億円を自治体に補助した。
毎日新聞 2004年9月26日 3時00分