現在地 HOME > 掲示板 > 原発 劣化ウラン フッ素2 > 384.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
(回答先: 「関電の発表でたらめ」美浜事故で専門家が批判[共同通信] 槌田敦氏 投稿者 なるほど 日時 2004 年 8 月 18 日 22:23:58)
8月18日 たんぽぽ舎「いろりばた会議」 槌田敦氏報告レジュメより抜粋
------------------------------------------------------------------
美浜原発3号の配管破断事故(04.8.9)
8月18日 槌田敦
【事故の内容】
正常運転中に2次配管の破裂。熱水の噴出で定検準備の作業員11名が被災。内4名死亡。
熱水(蒸気ではない!〉の温度142℃、圧力10気圧、配管内流速毎時1700トン
破断場所は、第4低圧給水加熱器と脱気器の間の復水管。
配管の直径は56センチ。肉厚は10ミリ。
これが0.6ミリにまで減肉していた。家庭用圧力釜(2気圧、120℃〉でも約5ミリ。
配管内部は錆びている。水温は140℃、溶解している酸素と反応して腐食。
オリフィス(流速計〉の直後では、流れが渦巻き、壁にぶつかり、一部逆流する。
そのため、流れの方向が不安定で、錆びは削られ、さらに錆びは進行する。
【事故の時系列】
15時22分 火災報知機警報配管破裂。
28分 原子炉自動停止、タービン自動停止
(補助給水ポンプ作動時刻発表なし〉
16時05分 主蒸気隔離弁閉、主蒸気逃し弁開
26分 主給水隔離弁閉
17時12分 補助給水ポンプ停止。調整弁不具合発生(原因不明)
(関電発表)
【事故の直接原因】
正常運転中の9日午後3時22分になぜ破断することになったか。何かきっかけが必要。
たとえば、主給水隔離弁または主蒸気隔離弁が閉じて圧力が急上昇したとか。
15時22分以前の状態は発表なし。関電は、まだ何かを隠している!
同種事故のサリー原発(1986年)の場合、
まず原子炉停止、次いで主蒸気隔離弁閉、配管破断の順。
弁を急に閉じて圧力が急上昇し、配管の弱い部分が破裂。これは納得できる。
【2次冷却水の喪失】
美浜では主蒸気隔離弁も主給水隔離弁も開いたまま。冷却水は約1時間流れっぱなし。
流出量は合計800トンという。
この状態がさらに続けば、1次冷却水の冷却ができなくなり、炉心熔融の危険へ。
なぜ弁を隔離しなかったのかの説明なし。
同種事故のサリー原発の場合には、原子炉停止後ただちにこれらの弁は隔離され、
原子炉の冷却は、補助給水と主蒸気逃し弁からの蒸発でなされた。
【事故の直接原因は、配管の腐食による減肉】
化学腐食。酸素と塩分による鉄の錆び化。老朽化で腐食問題はさらに深刻。
海水中の酸素と塩分は、0.5気圧の復水器のピンホールから常時侵入している。
また、93年8月と98年10月の2回、復水器細管に穴があき、海水が侵入した
原子力安全の根拠となるLBB(破壊の前の前兆〉は、腐食には使えない。
そこで、ボイラー(加圧部分〉には1年に1回定検を義務づけている。
ところが、原子力では、本体だけに1年3カ月に1回の定検義務とするが、
周辺の加圧部分の検査は事業者の任意とした結果の破裂事故。
【なぜ、事故が起こったのか】
そもそもの原因は、体力の弱った原子力。
天然ガス火力との競争での敗北。また電力の自由化に追い打ちをかけられた。
@そこで、原発の採算性の向上のため、検査内容を縮小して、定検期間の短縮へ。
検査に必要な重要部分は5800カ所。しか、し、1ヵ月の定検では500ヵ所が限度。
残りは次回。しかも、今回の部分は、重要事項に入れるのも忘れていた。
A新規発注は原発ゼロ。原発製造会社は労働者を天然ガス火力製造へ配転。
そして、各発電所に配置していた安全担当職員を全員引き上げ(1996年)。
そのため、電力は安全業務を子会社または下請けに業務委託。
しかし、子会社や下請けでは能力不足、また引き継ぎ不十分で今回の事故。
事故原因では、関電、下請(日本アーム)、製造会社三菱の責任のなすり合い
そして、事故の結果は、その対策のため原発の採算性はさらに悪化へ。
採算性の向上のため、別の場所の安全作業の手抜き。また事故へ。その繰り返し。
【人間の能力を超えた原子力】
関電「検査しなくても安全と思った」と。これは平穏に暮らすために必要な安全思想。
そして、この事故で配管の弱点に気づいたことは評価されるが、
配管ばかりに対策を集中して、別原因の事故を「忘れる」ことになる。
たとえば、加圧水型原発が炉心水位計のない欠陥原発であることを「忘れる」と
スリーマイル島事故(1979年)、美浜2号事故(1991年〉を再現することになる
rと思う」や「忘れる」の許されない原子力技術は人間の能力を超えている。
したがって、原発の中止以外に、確実な安全対策はない。
【原発事故なら逃げるが勝ち】
スリーマイル事故は「無知」で救われた。美浜事故は「定検ミス」で救われた。
しかし、今後の事故では、幸運の女神の助けを期待できない。
放射能を大量にばらまき、チェルノブイリを超える大事故となる。
地元民は、ぐずぐすしていたら、放射能大気に包まれて大量被曝。
当局の制止は振り払ってでも、そして歩いてでも現場から離れよ。