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http://www.asahi.com/international/update/0719/001.html
「核の闇市場」対策の切り札としてブッシュ米大統領が今年2月に提唱した新たな核拡散防止案が、各国からの強い反発を浴びて、5月に取り下げられていたことが明らかになった。核不拡散条約(NPT)はすべての国に核の平和利用の権利を認めているが、これを一部制限する内容に多くの国が難色を示し、米政府も支持を集めるのは困難と判断したとみられる。「闇市場」封じ込めの必要性では一致しても、原子力利用をめぐる各国の利害がからまるなかで、核を拡散させないための具体策づくりの難しさが浮き彫りになった。
「すべての非核保有国が原子力を平和利用することを認めたNPTには不備がある」。ブッシュ大統領は2月11日、核兵器の材料生産につながりかねないウラン濃縮や使用済み核燃料再処理について、すでにフル稼働させている国以外には、こうした技術の取得を禁じるよう提案した。同じ非核国の中で、濃縮や再処理を認められる国、認められない国という「二重基準」を設けようとする内容だ。
すでに技術を持つ日本やドイツは今後も開発が認められる可能性が高い。だがブラジルや南アフリカなど、核兵器開発を放棄しながらも、原子力の平和利用には積極的な国々からは「差別的な提案だ」「自国の原発運営に支障が出る」と反発が出ていた。
こうした事情を反映し、5月下旬にスウェーデンのイエーテボリで開かれた原子力供給国グループ定例実務者会合(非公開)の冒頭、米代表が突然、ブッシュ提案の取り下げを表明した。
この会合に米国代表として出席したリチャード・ストラトフォード国務省原子力部長は朝日新聞の取材に「米国案には確かに批判が多かったので、ごり押しはしないことにした。大統領の案をあきらめたわけではない。実現を求めていくことに変わりはない」と語った。
だがフランス政府関係者は「ブッシュ提案は終わった話であり、再度論議されることはあり得ない。国際社会の結論はすでに出ている」と言明した。日本政府関係者も「だれも納得しない案だった。米国は下ろすとはっきり言った」と話した。
6月に米国で開催された主要国首脳会議(G8サミット)では、当面の策として、1年間は核関連の機材や技術を新たな国に移転しないことなどを申し合わせたうえ、次回のサミットまでに適切な措置の導入をめざすことで合意した。
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〈核の闇市場〉 04年2月、パキスタンの核開発者カーン博士が、秘密ネットワークを通じてリビア、イラン、北朝鮮に核技術を提供したことを明らかにし、闇市場の一端が表面化した。パキスタンも闇市場から調達した物資で核開発に成功したことを認めた。闇市場には核保有国、非核保有国双方から核関連物資や技術が流れ込んでいるとみられ、対策が国際社会の課題となっている。
〈核不拡散条約〉 非核保有国の核兵器開発を事実上禁止する。一方、4条では、平和的目的のための原子力の研究、生産や利用を「すべての締約国の奪い得ない権利」と規定し、非核保有国の原子力開発を認めている。6条では、核保有国に軍縮への「誠実な交渉」を義務づけている。
(07/19 06:55)