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http://www.asahi.com/science/update/0615/001.html
日本原子力研究所は14日、茨城県那珂町にある臨界プラズマ試験装置「JT―60」を使った実験で、高圧力のプラズマ状態をこれまでの世界記録の3倍となる24秒間維持することに成功した、と発表した。今回の成果で、日本が建設誘致を進める国際熱核融合実験炉(ITER)の実現に必要な条件のひとつを、クリアしたことになるという。
ITERでは、重水素と三重水素を燃料に核融合を起こさせ、エネルギーを生み出す。核融合には、原子核と電子がばらばらになる高圧力のプラズマ状態を長時間、維持させることが必要だ。
実験では「JT―60」で重水素を使い、圧力の分布を調整するなどした結果、ITERの条件に近い高圧力のプラズマが24秒間続いた。これまでの記録は欧州連合(EU)の研究機関が達成した8秒間だった。ITERを実現した場合、燃料を400秒以上、燃やすことが必要だが、高圧力のプラズマを24秒間維持できれば、700秒間の燃焼が可能になるという。
原研の装置は世界最大級で、米国と欧州の実験装置との間で維持時間の延長を競っていた。ITERの建設地を巡っては、日本とEUが誘致合戦を展開している。 (06/15 02:17)