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(回答先: 新宿にて映画『東京原発』を見てきました[ストップ浜岡原発]【チェルノブイリと浜岡を置き換えた図が画面に登場】 投稿者 なるほど 日時 2004 年 3 月 23 日 04:07:13)
2004/03/25
『東京原発』のメイン場面(写真提供:(C)2004「東京原発」フィルムパートナーズ)
普段、映画評はほとんど見ません。内容を知り過ぎてしまったり、変な先入観を抱いて、自分の感じるままに映画を見られなくなってしまう気がして。そんな私ですが、昨日寝る前にたまたま映画評サイト『超映画批評』をのぞきました。「へぇ〜、すごいタイトルじゃのう」と、気になったのは『東京原発』。おやまぁ、13日が初日、しかも舞台挨拶付き。
掲示板を見ると平井憲夫さんの話にリンクが貼ってありました。読みながら泣けてきて「ううう、これは見に行くしかない」。13日は午前9時半から劇場の整理券を配るということなので「よし、7時に起きるか〜」と気合を入れました。寝坊したものの、急いでパンを食べて、支度をして新宿に向かいました。
◆東京都知事の一言で……
映画館のロビーには“PRESS”“STAFF”の札をつけた人達だらけ。それだけでワクワクする私(田舎者)。
舞台挨拶は、役所広司さん・段田安則さん・田山涼成さん・菅原大吉さん・綾田俊樹さん・山川元監督。撮影現場は非常に和気あいあいとしていて、バイアグラの話で盛り上がることもあったそうです。
映画は、役所広司さん演じる東京都知事が、臨時の局長会議で「東京に原発を作る」と宣言した一日の話を描いています。
『大量に電力消費をしている東京内になぜ原発を作ってこなかったのか? 地方から電力を配給するよりも、すぐ近くで発電して使用したほうがコストもかからないではないか?』→東京は関東大震災の恐れがあるから、原発を作らない。
『浜岡原発は地震に耐えうるのか? もしもメルトダウンしたら影響はどこまで広がるのか?』→東海地方もいつ地震が起きてもおかしくない状況。
『危険だからといって原発を無くしたら、電力が供給できないではないか?』→現存する他の発電でも十分まかなえる。また、これからの時代にあった新たな発電方法の提示。
菅原大吉さん演じる石川都市計画局長は、「一般に広まっている考えを持った市民の代表」みたいな役回りです。一般市民が抱いている原発へのイメージ、『原発が無ければ、電気が使えなくなるのではないか?』そういった疑問にも答えを明らかにしています。作品内で使用される原発に関するいくつかのデータは実際のものでしょう。
映画を見るのはもともと好きだけれど、以前は毎回のように買っていたパンフレットも、最近は結局はそれほど見ないからとあまり買わなくなっていました。今回もそのつもりで新宿武蔵野館に向かいましたが、映画を見た後についつい買ってしまいました。
◆この題材を映画化したスタッフに脱帽
2002年に作られた映画なのに、一般公開になった今は2004年。確かに映画の題名からして、映画館としても上映をためらうはずです。当時も今も『原発』の話題に触れるのはタブーである中で、娯楽性のある映画という手段で原発を主題に取り上げた山川元監督。もしも私が映画を作る立場の人であって、以前から原発に危惧を抱いていても、ここまで表現できたかどうか。きっと怖くて出来なかったんじゃないだろうか。
演じる役者さんも、この映画に出ることは勇気がいると思うのです。それでも出演を決意したのは、戦争終結のために原爆が落とされたこと(役所広司さんは長崎の出身)、地方に原発が乱立されてる状況など、東京で生まれ育ってきた方よりも身近に感じたのではないでしょうか。
どうしてこの映画が、現在は渋谷と新宿の2館でしか公開されていないのか(※)。なぜほとんどテレビで宣伝されていないのかは、映画を見れば分かると思います。映画が好きで、もともと原発に関心のあった私にとって、『東京原発』が今年一番話題性のある映画になると予想しています。
「映画としての完成度・芸術性」に点数をつけるうんぬんではなく、この題材を映画化した山川監督は凄い。ぜひともロングラン上映してより多くの人に見てほしいものです。
※編集部注
4月10日より順次全国で公開されます。
「東京原発」オフィシャルサイト
(絹瀬あさ)
http://www.janjan.jp/culture/0403/0403192234/1.php