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(回答先: 敦賀でも08年度からプルサーマル、日本原電が方針 [読売新聞] 投稿者 あっしら 日時 2004 年 3 月 16 日 19:54:52)
日本の国策である「核燃料サイクル」の主翼となる「プルサーマル計画」が、具体化に向け、再び動き出した。関西電力が高浜原発3、4号機(福井県高浜町)で計画する国内初のプルサーマルについて、同県の西川一誠知事が今週中にも関電の藤洋作社長に再開同意の意向を伝える。電力会社がプルサーマルを急ぐ背景には「核燃料サイクル」を前提にプルサーマルを進めなければ、原発が使用済み核燃料であふれ、発電がストップしてしまうという業界の特殊事情がある。
■電力会社は前向き
プルサーマルは当初、99年中に東京電力と関西電力の原発各1基で実施する予定だった。ところが99年9月、関電が英国核燃料会社(BNFL)から購入したプルサーマル用のウラン・プルトリウム混合酸化物(MOX)燃料の検査データに不正が発覚し、関電の計画が頓挫。東電の計画は02年8月の原発のトラブル隠しをきっかけに地元同意が白紙撤回され、暗礁に乗り上げた。
関電は不正のあったMOX燃料を英国に送り返しており、地元同意が得られれば、月内にも仏のMOX燃料加工会社に新たな燃料を発注する方針。電気事業連合会は10年までに全国の16〜18基の原発で実施する方針で、九州電力などでも具体化の動きがある。
■貯蔵プール満杯に
電力会社がプルサーマルを急ぐには理由がある。電力会社にとって原発内の貯蔵プールにたまり続ける使用済み核燃料は、悩みの種だ。電力10社の貯蔵プールの保管容量1万6610トンに対して、6割を越す1万740トン(03年9月末現在)が既に埋まっている。とりわけ、原発への依存度が高い東電と関電は余裕が少なく、問題は深刻だ。「原発の貯蔵プールが使用済み核燃料で満杯になれば、原子炉を停めざるを得ない」(大手電力幹部)からだ。
日本が核燃料サイクルを行わず、欧米並みに使用済み核燃料を使い捨てにするのであれば、原発の外に永久的な貯蔵場所を決め、運び出す選択肢もあるが、今の日本でその議論はない。日本の電力会社が英仏に再処理を委託する使用済み核燃料の搬出は既に終わっており、同燃料は原発内にたまり続ける一方だ。このため電力各社は青森県六ヶ所村に建設中の再処理工場へ同燃料を運び出すしかない。
■慎重論も
しかし、プルサーマルを含む核燃料サイクルは欧米では必ずしも主流ではなくなっている。米国、英国は使用済み核燃料を使い捨てにする「ワンス・スルー方式」で、独は自国の再処理計画を中止し、プルサーマルからも撤退方向だ。高速増殖炉の開発を断念した仏は、再処理して取り出したプルトニウムを消化するためプルサーマルを行っているとされる。再処理にはコストがかかり、燃料の利用効果も1.5倍程度に限られるからだ。
日本は国策として、再処理を含む総額19兆円の核燃料サイクルを進める方針だが、電力自由化の競争時代を迎え、電力業界の内部でも慎重な対応を求める声がある。16日の参院予算委員会では、この問題が国会で初めて取り上げられた。社民党の福島瑞穂党首が「19兆円は多額。電気料金になろうと税金で払おうとも国民負担は大きい」と質問。中川昭一経済産業相は「今後19兆円をどういう形でみんなで出し合っていくか、電力事業者を含めて早急に議論を深めていきたい」と述べた。【川口雅浩】
【ことば】核燃料サイクル
原発から出た「使用済み核燃料」を再処理して、プルトニウムを取り出し、エネルギーとして再利用すること。プルトニウムをウランと混ぜて、通常の原発で再び発電するのが「プルサーマル」で、独仏など海外で実績がある。プルトニウムを燃料とし、発電しながら消費した以上の燃料を生成するのが「夢の原子炉」と呼ばれる「高速増殖炉」だが、実用化していない。高速増殖炉とプルサーマルは同サイクルの両輪とされる。
[毎日新聞3月16日] ( 2004-03-16-20:47 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/keizai/20040317k0000m020092001c.html