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「【財政問題】責任のツケをダブルで国民に回し、自分たちだけは有能なフリができる条件をつくろうとしている政府(財務省)」
( http://www.asyura2.com/0403/dispute18/msg/792.html )
「【財政問題】所得税の“二重納付”問題:税金を所得源とする公務員が納付する税金の意味:「三位一体改革」の虚妄」
( http://www.asyura2.com/0403/dispute18/msg/796.html )
の続きです。
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国民経済と財政の問題に進む前に、税金で税金を納付したり負担する虚構の問題をもう一つ取り上げたい。
先行の二つの書き込みでは公務員が納付する所得税や公務員が日々の生活で負担する消費税の問題を取り上げたが、今回は、政府部門や地方自治体部門が負担する消費税について説明する。
まず、平成16年度の消費財歳入予算額は9兆5千億円だから、地方の消費税歳入は2兆4千億円程度と推測でき、政府と地方自治体の消費財歳入は合計で11兆9千億円になる。
47兆6千億円から国家公務員の給与である11兆8千億円を差し引くと、35兆8千億円である。これに財政投融資20兆5千億円を加算した56兆3千億円が、政府による財の購入や事業のために支出されていると推定する。(とりあえず、55兆円と考える)
地方財政で支出される84兆7千億円から地方公務員の給与26兆8千億円を差し引き、地方交付税は既に考慮しているので、国から地方に支出される15兆円ほども差し引くと42兆9千億円になる。
政府支出と地方支出を合わせると92兆9千億円になる。(これもとりあえず、90兆円と考える)
このなかには消費税非課税のものも含まれているはずなので、80兆円が消費税の対象となる財や事業活動に支出されると考えてみる。
80兆円の公的歳出には消費税が含まれているから、正味の支出は76兆2千億円で、消費税負担分が3兆8千億円と推定することができる。
公務員の人件費総額38兆6千億円のうち消費税対象の消費に半分の19兆8千億円が支出されているとしたら、負担している消費税はおよそ1兆円になる。
この二つを合計すると、将来の税金である借り入れ金を歳入(原資)とする分も含めて、消費税4兆8千億円は税金が負担していると言える。
なんと、政府と地方自治体の合計消費税歳入11兆9千億円のうち4兆8千億円、率として40.3%が税金で負担されたものなのである。
地方分の消費税歳入は2兆4千億円だから、なんとその2倍もの消費財歳入が元は税金でしかないものである。
財政危機のなかで進められようとしている税制変更は、所得税として高額所得者の負担減と基礎控除額の低減による低中所得者の負担増が意図され、法人税は財界の意向を受けさらなる低減化が志向され、消費税に増税のスポットが当てられるというものである。
消費税未納どころか消費税還付を1千6百億円も得ているトヨタ自動車の会長が会長を務めている日本経団連は、消費税率を徐々に引き上げて16%にしていく政策により、財政再建と法人税減税&高額所得者減税を達成する提言を行っている。
今回の説明でご理解いただけると思うが、消費税率が上がれば上がるほど同じ規模の歳入で同じ規模の歳出であっても、実質は目減りすることになる。
もちろん、税金で支払った(負担した)税金は、政府部門か地方自治体部門に還流するのだから、そのような循環を踏まえたかたちで財政が組まれていれば、それで起きる問題は解消できる。
しかし、「デフレ不況」と財政危機のなかゼロシーリングや財政支出の伸びが抑制される政策と消費税率アップが同居すれば、財政支出の実質額は減少し、国民生活や経済活動に大きな影響を与えることになる。
それは、政府部門と地方自治体部門の財政支出が120兆円で固定化されるなかで消費税率がアップされていく過程を考えればわかる。
120兆円のなかには、事業支出で負担する消費税や公務員給与から負担される消費税が含まれている。
消費税が5%のときに、その総額が4兆8千億円だとすれば、実質の財政支出は115兆2千億円である。
消費税が10%になれば、ざっと9兆6千億円の消費税が税金で負担されるようになり、実質の財政支出は110兆4千億円になる。
消費税が10%になったときに消費税5%のときと実質的に同じ内容の財政支出にするためには、127兆円規模にしなければならない。
姑息で悪知恵が働く財務省官僚は、財政再建という自分たちの“使命”を果たすべく、せいぜい123兆円(実質111兆8千億円)規模にとどめ、国民に“自助努力”を求めようとするだろう。
消費税が典型だが、税金の支出が見掛けの税金を生み出す税制は、財政の内実を見えにくくするのである。
● 日本経団連奥田会長が消費税に“固執”するわけ
日本経団連が消費税アップを主張するのは、それが法人税減税や高額所得者減税の財源になることだけではなく、トヨタを中心とした輸出企業の利益につながるからである。
トヨタ自動車は、国内で3兆5千億円もの売上を誇りながら、消費税を1円も納付しないどころか、「輸出戻し税」制度に拠り1600億円もの還付を受けている。
トヨタが計上している1兆円の経常利益にはこの1600億円も含まれている。
これは、消費税の課税対象にならない輸出であたかも消費税課税があったかのように国税庁(財務省)が取り扱うことで成り立っている“国家的詐欺”である。
(国家的詐欺手法の内容は末尾の書き込みリストを参照していただきたい)
トヨタ自動車は、錯誤でしかないが、消費税がアップしても、負担はゼロどころか、還付金が増えてさらに得をすると考えているのである。
もちろん、自動車ディーラーは、顧客に自動車を販売したとき消費税を負担してもらい、しかるべき税処理を行って、納付すべき消費税を支払っている。しかし、トヨタ本体を含めて考えれば、顧客が負担した税金はまったく国庫に納められていないのである。
【例】
トヨタのディーラーへの卸値:200万円(消費税込みで210万円)
ディーラーの販売価格:250万円(消費税込みで262.5万円)
トヨタは、ディーラーに10万円の消費税を負担してもらうが、還付金が1600億円だからそれを国庫に納付することはない。
ディーラーは、顧客に12.5万円の消費税を負担してもらうが、トヨタに支払った消費税10万円を差し引きことができるから、2.5万円を国庫に納めるだけである。
250万円の自動車を500万台販売したとしてもディーラーが納付する消費税は1250億円程度だから、ディーラーが納めた消費税総額よりも、トヨタが受ける消費税還付金1600億円のほうがずっと大きい。
(トヨタの卸値がいくらかわからないが、トヨタの国内販売台数は175万台程度しかないから、トヨタ車の国内販売でせいぜい500億円の消費税が納付されているはず)
トヨタに限らない話だが、国産乗用車の購入者は、負担した消費税を国庫ではなくメーカーに支払っているのである。
★ 消費税の「輸出戻し税」制度に関する参照書き込み
「消費税16%をめざす奥田トヨタ&日本経団連会長の破廉恥さ:消費税「輸出戻し税」制度」
( http://www.asyura.com/0306/dispute11/msg/358.html )
「輸出業者は消費税を支払ったわけではありません [スッキリさせる方法は最終段階での一発消費税課税方式]」
( http://www.asyura.com/0306/dispute11/msg/391.html )
「【国家犯罪にも等しい消費税還付制度】 消費税率がアップすると輸出優良企業の利益が自動的に増大する仕組み」
( http://www.asyura.com/0306/dispute11/msg/413.html )
「【国家犯罪にも等しい消費税還付制度】 「輸出戻し税」という還付は誰が受けるべきものか」
( http://www.asyura.com/0306/dispute11/msg/409.html )
「【補足】どうしても、輸出業者が負担した2万5千円が気になるのなら」
( http://www.asyura.com/0306/dispute11/msg/410.html )
「お詫びと補足説明」
( http://www.asyura.com/0306/dispute11/msg/639.html )
「【消費税は利益課税ではなく付加価値課税】 現行消費税制度のまま消費税率をアップしていけば国民経済は崩れていく」
( http://www.asyura.com/0306/dispute11/msg/477.html )
「【消費税は利益課税ではなく付加価値課税】 デューティ・フリー(免税)でもプロフィット・フリー(差益なし)ではない」
( http://www.asyura.com/0306/dispute11/msg/523.html )
「「地方消費税」の説明に対する質問 [おかげで新しい問題が浮上したのですが...]」
( http://www.asyura.com/0306/dispute11/msg/572.html )