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パートタイム労働増加は単純に「女性の社会進出」とはいえないのでは?
http://www.asyura2.com/0403/dispute18/msg/766.html
投稿者 律 日時 2004 年 7 月 15 日 09:14:10:yVvnimQRLLslo
 

(回答先: 「右翼思想」やフェミニズムについて:「女性の社会進出」は“女工哀史”の普遍化状況を生み出した。 投稿者 あっしら 日時 2004 年 7 月 13 日 20:13:22)

あっしら様、ありがとうございます。

こちらも簡単に、気になるところだけ。

あっしら様**************
(“彼ら”は、諸国民が国家という枠組で強固な関係性を築くことを恐れ、その思想的基礎になり得る右翼思想を忌避する気分を意識的に醸成しているのではないかとか、ナチス・ドイツの非戦略的蛮行も忌避気分を確固たるものにするために“彼ら”との合作として行われたのではないかといった疑義を持つことは、ナチズムを受け容れる受け容れないに関わらず意味があると思っています)
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これは興味深い論点でした。
でも、“彼ら”というのが「国家という枠組みで強固な関係性を築くことを恐れ」ているのならば、「国家」という枠組みにも“彼ら”に打撃を与えるようなリアルな「他者関係性」を生み出す力があるともいえそうですね。「右翼思想」に“彼ら”へ対抗する手がかりがあるということでしたが・・・・


あっしら様****************
グローバリズムは、「右」や「左」ではなく、“彼ら”の価値観(利益)の世界化を正当化するための思想であり、それを制度化するための理論です。
(中略)
「右翼思想」は、グローバリズムに対抗する一つの手掛かりになるという意味で取り上げています。
政治(軍事)力による支配領域の拡大が利につながらないことや戦争遂行体制の要件である「民主主義・人権・平等・自由」の制限は米国以外には不要であることは論証できますから、かつての「右翼思想」から、それらと国家や民族といった抽象的存在に対する価値性付与を削ぎ落とせば、現在において有効な国家運営の考え方を抽出できるだろうという提言です。
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「左右」のグローバリズムというのは、「左翼思想」も「右翼思想」もグローバリズムに都合のいいように利用しているという意味でしょうかね?
よくわからなくなりましたが、「国家」「民族」という抽象的存在に対する価値付与をそぎおとすと、「右翼思想」にはなにが残るのでしょうか。“彼ら”ではなく、自分たちの(庶民の)利益を優先するという思想でしょうか?

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あっしら様***************
その担い手の主力が男性になることはある意味で“自然”だったから、その後にその安定化と強化をはかるため、「意味づけ」「秩序」が男女の間に作り上げられたのであり、決して、その逆の順序ではなかったと思いませんか?
そして、必要条件から自然的性差の選択が行われたのなら、権力構造の明示化は、そのような自然的性差を必要とした要因を明確にするものではなければならないのではないですか?
後から様々に意味付けられ秩序意識にまでなったことをもって「男社会」と命名するのは、表層的過ぎるとは思いませんか?
女性が男性の占めていた地位を手に入れるようになれば解決するというのは、前近代の支配層であった貴族を放逐する代わりに庶民が“戦士”になる程度の話だと思っています。
貴族でなく庶民も“戦士”になれることを実証した意味はそれなりにあると思っていますが、女性が男性のものであった地位に就くというのも、その程度の意味でしかないのではないかと思っています。
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男性が主力になることが「自然」というのも実は疑っているところがあるんですが(笑)。
というのは、生き延びるために必要なスキルは「軍事力や強制力」だけでもないように思うからですね。あまりこの辺に詳しくないので深くは突っ込まないでおきますが、結構「男性が上」という秩序作りと「軍事力と強制力」が主力になるプロセスとは同時進行的だったのではないかという疑いも持っていたりします。
男性が主力になっている社会が多いということから、人間は本来的に「個の保存」を重視する生き物なんであるかな、というようなことも感じられます。
あと、何度も言うように「女性が男性の占めていた地位を手に入れるようになれば解決する」というのは表層的なものですし、根本的な解決ではない。しかし、運動としてのフェミニズムの明確な目標設定としては、妥当なものと思います。
もし、「権力構造の明示化」をするために「自然的性差」とみなされるものを拡大・捏造して「社会的性差」を作り上げたのだったのなら、その対応として「男社会」として明示化するというのもひとつの方法だったのかなとは思います。
というか、要するに、男性と女性を分離するようにしたのは、「フェミニズム」ではなくて、それ以前の社会秩序なわけですよね。いまや男性と女性の変な分離が「自然」とはどうしてもいえず、だましきれなくなったから、噴出してきた運動という側面もあるようにはおもっているのですが(それには「近代思想」も深くかかわっているけれども)。
あっしら様*****************
今の日本で、男性がそれをめざすことで不利益になるという現実はあっては、「家事・育児を女性のみがやらなきゃいけないという論理」は希薄化しているというか、“二人の問題”になっていると思っています。
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気分としてはそうかもしれませんが、「やってもいい」「やらなきゃいけないとは思っていない」ということと、実際に「やるかどうか」は全くまた別の次元の話で、実際の場合は、「手伝う」レベルの実践・意識にとどまっていることが多いわけで、それは「いまやフェミニズムは主流の言説になった」とかいって、女性問題は解決したとかなんとかいうのと変りません。
あと、専業主婦ならば、育児の問題は別として(子どもを育てるのは一人や二人でやるべきもんじゃないと思ってます)、家事は専業でやるべきものだろうと思います(家事をやるってんで雇われているとみなす)。夫が専業主婦を「手伝う」のは夫婦間のコミュニケーションであり、勝手なことですが、夫が「家事を手伝う」ことがいわば「愛情」の表現形態として公式化されているのならば、「当然」というのも仕方ないようにも。かなり込み合ったことが生じているのではないでしょうかね。

あっしら様********
「家族の問題を持ち出して仕事を忌避することは好ましくないという論理」が、女性一般に対しては将来そういう立場になりそうだから重用を控えるという対応を生み、男性に対しては個別的にそういう立場をとる男の重用を控えるという対応を生んでいるのではないでしょうか。
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現状として、男性が家族的事情を考慮すると白い目でみられるのは「性別役割分業」の構造下の問題です(育児よりは介護のほうが認められやすい)。
だからどうした。そもそも、公私の分離が「家族」をおかしくさせてるんじゃないですか。公私の分離は性別役割分業と大いに重なっており、女性が家族的事情で多めに見られるのは、「私的領域」に属するものだとみなされているからでしょう。
職業構造、経済構造を変革しないで、「家族」が基盤だといったところで、経済構造に侵食されきっている家族がなんの基盤になりますか。

あっしら様************
平均生活レベルを維持するためにパートタイム勤務を含めて夫婦共稼ぎをしなければならない状況を拡大したのは、「女性の社会進出」が増加した“成果”です。
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私見ですが、現状の低賃金、景気の安全弁的使用のパートタイム労働に多くの第三号被保険者主婦層がつくという構造は、はっきりいって「女性の社会進出」などではないと思います。新たな形の「女性の家庭への囲い込み」でしょう。だって「第三号被保険者」、扶養される配偶者のままなんだもん。形式上は「働いてない人」なんですよ。
私も不安定な職しかない結果、そのような状態になってしまっていますがね(苦笑)。
これはタテ分けて考えねばなりません。みそもくそも一緒に「女性の社会進出」とかいってはならない。
「家族賃金」概念自体が男性を働き手とする「性別役割分業」給料だったわけなので、これが変化して、独身者も女性も男性も同一労働同一賃金になること自体は当然のことのように思います。
パートタイム労働を活用するのであれば、低賃金雇用ということをしないで、単純に短時間で働いただけの給料をもらうというはずなのに、フルタイムパートが正社員とほぼ同じような働きをしていたとしても、給料は6割、7割というのはばかばかしい話です。

日本の場合は、給料を押し下げたのは、「女性の社会進出」論調ではなく、女性を「第三号被保険者」だとか「配偶者控除」だとかの対象にしつつ、家計の補助労働者としてのみ(扶養されたままで)働かせようという発想によるものじゃないでしょうか。これは、フェミニズムのせいですか?いいえ違います。フェミニズムがそこまで改革する力をもたなかったというのは責められるべきところかもしれませんが、フェミニズムが「女性の社会進出」を主張したから男女労働者の給料が切り下げられたというのは変な主張です(利用されたにしても、大本の原因が違う)。
二人でかせいで家族が食べていける生活、いいじゃないですか。それで。離婚しても一人なら食べていけます。離婚後、子どもがいる場合は、なんらかの補助が必要でしょうが。
「女性の社会進出」といいつつ、それを反転利用して中途半端にしか進出させなかった経済構造の問題です。
好意的に解釈すれば、経済構造の変革は難しくても、それでも少しずつ入り込んで、構造自体を変えていこうというのがフェミニズムの戦略だったかもしれません。その途中段階なのかもしれません。

あっしら様************
念のため、女性の社会進出を悪だと言っているのではなく、支配層はそれを巧妙に利用するものだから、それがもたらした国家社会の変化を安易に評価するのではなく、よくよく考えなければならないという意味での説明です。
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それはそのとおりと思います。また、「地域活動への参加」もコスト削減に利用されていくというのもわかります。この点は注意しなければならないでしょう。いかに支配層が嫌がる形で入り込んでいくか、という話ですね。支配層の支配の仕方に食い込むように「参加」を要請するということでしょう。
とある病院ボランティアの話を聞いたのですが、ボランティアの人が病院側の意向と異なることにまでボランティア活動を拡張しようとしたときに、病院側と対立構造になったそうです。しかし、それを押し切っていくことで、病院の看護のあり方にも少し風穴を開けることができてくる。そういうことをいかにできるのか、というところでしょう。

乱暴な物言い、書きっぷりですみません。
あまり正確でないことを書いたかもしれませんが、ご容赦ください。
ではでは。

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