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(回答先: Re: 「国民総幸福量」という人間中心の価値観 投稿者 岩住達郎 日時 2004 年 6 月 06 日 23:20:50)
ブータンの事例に対する評価はおおむね同意しますが、
http://www.asyura2.com/0403/dispute18/msg/143.html
での物質的主義的「幸福指標」の概念にはおおいに疑問ありです。
(1)幸福は主観的満足。
幸福というのは全く主観的な評価であり、その人間の自己評価によってしか計測不可能なものだと思います。
それ以外のものを「幸福」の名の下に計測しても有害無益だと考えます。
(2)主観的満足は客観的に測定可能。
幸福が主観的な自己評価によってしか計測不可能だとしても、社会心理学的な調査の手法を使えば、数値化が可能であると考えます。
(3)政治の役割は条件整備。
問題なのは、政策目標としての国民幸福量の増大と、そのための手段との関係です。政治の役割は国民幸福量増大のための条件整備である。
幸福量増大に益する施策とは何か。
そのような施策と国民の幸福との関係を客観的に調査する方法はあるか。
そのためには、単に「国民幸福量」を数値化するだけでは駄目で、国民の幸福と施策との関係が導き出せるような調査でなければならない。
幸福量増大要素には主観的なものと客観的なものとがある。その評価も主観的評価(国民自身が評価する「要素」)と客観的な評価(学問的見地からの評価)とがある。
幸福量はあくまでも主観的自己評価なので、それと政治的施策との関係も、まず第一次的には国民自身の主観的「幸福要因」を指摘してもらう必要がある。
(4)国民幸福量調査
1.主観的自己評価。自分の幸福度を上中下*上中下の9段階くらいで自己評価してもらう。
2.幸福度に影響すると考える要素を指摘してもらう。
3.不幸度に影響すると考える要素を指摘してもらう。
4.政治が国民の幸福度をあげるために出来ると考える施策をあげてもらう。
(5)調査結果の解析
国民幸福度調査は、全くの国民の主観的自己評価である。
しかし、この調査の結果を解析すれば(多変量解析?)、国民の主観的評価に基づく幸福因子を抽出することができる。
この主観的幸福因子を整理して、客観的にとらえなおし、政策課題になりうるものを抽出する。
というような手順を考えております。
(6)政策目標として掲げる意味
さらに、政府が政策目標として「国民幸福度」をあげることによって、国民の政治に対する評価の基準が変わってくる。このことが政治を変えていくための大きな力になると思います。
国民幸福度調査は、政府も努力しているよ、という姿勢を示すことでもある。