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日本国刑法:100年前の法令にはそれなりの解釈と運用が必要
http://www.asyura2.com/0403/dispute17/msg/724.html
投稿者 Mグループ 日時 2004 年 5 月 05 日 09:51:47:bd.m31cMSC8Ig
 

(回答先: チョモランマ頂上付近で遭難した者は「遺棄罪」で言う「老年、幼年、身体障害又は疾病のために扶助を必要とする者」に当たるのか 投稿者 あっしら 日時 2004 年 5 月 02 日 15:01:37)

 「老年、幼年、身体障害又は疾病のために扶助を必要とする者を遺棄した者は、一
年以下の懲役に処する。」
 とは、訳文なのだろうか、言葉足らずの条文であり、あっしら氏のような解釈も生じ
る。山菜取りで遭難者を見つけ救助を求められても、「遭難の原因は100パーセント
あなたにある。自己責任です。法令にははっきりと遺棄してはならない対象を限定し
てあり、あなたの場合には法令で禁じられている遺棄には相当しない。助けてほしけ
れば100万円で。」 と言ってそのまま立ち去ろうとすることも可能になる。
 そこでそのような誤解が生じないように改正刑法草案では「・・・傷病その他の事情に
よって扶助を必要とする者」とされている。確かに改正刑法草案は現行刑法ではない。
30年まえに発表されたまま国会審議も経ずに廃案になった草案であるが、100年
近く前につくられた現行刑法を解釈する上で、刑事・法曹界のデフォルト(スタンダー
ド)となっている。(・・・そうである。私も専門化ではない。私の六法全書は古いので
改正刑法草案を載せてある。)
 
 余談だが、標高5000メートルを超えると、標高3800メートルに完全に順応した体
であっても、2分登れば息切れで動けない。8500メートルという高度が登山者にとっ
てどれだけ過酷なものであるかは十分に理解している。通常の精神活動は不可能だ
ろう。だからこそ、そのようなところにまで登る登山家には、できるだけ多くの仲間が
そこから生還できるような倫理感、山男魂を持って欲しい。見ず知らずの遭難者に起
こった危機(遭難)とは10分後には自分にも起こり得る。どれだけ体力に自信があろう
が、装備や計画が万全であろうが、あのような危険な山での遭難は避けれない。
 でも仲間が助けてさえくれれば遭難しても生還できる可能性がある。エヴェレストの
ような山では下界からの救助隊は期待できない。いざと言うときには仲間だけが頼り
である。 

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