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阿波丸−−−悲劇の国際連盟徴用船
http://www.asyura2.com/0403/dispute17/msg/1097.html
投稿者 竹中半兵衛 日時 2004 年 5 月 29 日 03:05:21:0iYhrg5rK5QpI
 

(回答先: 商船隊への鎮魂歌−レクイエム− 投稿者 竹中半兵衛 日時 2004 年 5 月 29 日 02:36:27)

阿波丸
http://www.aa.cyberhome.ne.jp/~museum/19450401awa/awa.htm


上田毅八郎

呪われた阿波丸
所蔵:三輪祐児

作本照子
「阿波丸」

●国連軍からも絶対の安全を保障された航海
岡山市の桝原利三次は,シンガポールで阿波丸を見送った一人だった.出港の折、女の子のオカッパ頭をなでながら、こんな会話をした。
桝原「日本に帰るの?」
女の子「そう、日本のおばあちゃんの所にいくの」
桝原「いいね。おじちゃんは乗れないんだよ」
(松井覺進「阿波丸はなぜ沈んだか」朝日新聞社,1994年)
この幼いお嬢さんの親御はどのような方だったのでしょう.石油技術者,商社員,外交官それとも南方経営に携わる官僚だったでしょうか.3月28日のこの時シンガポールを出港した阿波丸の最後の姿が描かれています.4月5日には無事に門司に到着する予定でした.国連軍の要請で,国連軍側の捕虜や市民に赤十字の救援物資を送る役目を担った阿波丸は,絶対に攻撃をしないという保障のもとでの取り決めに従って船体を緑色に塗り,夜間も燈火に煌々と船腹の白十字を照らし出しながら日本を目指し北上していました.戦争中に完成したため戦場を駆けた経験しかない阿波丸にとってそれは生涯に唯一度,敵側からも絶対の安全を約束された平和な航海だったのです.
米軍の沖縄上陸が始まった4月1日夜,船内で女の子が誕生したという嬉しい無線連絡の後,米潜水艦が放った魚雷のために白十字の船体は台湾海峡の漆黒の海底に呑み込まれていきます.2000名を超える乗員乗客のうち生存者は船員一人だけでした.
●非戦への誓い
阿波丸撃沈をめぐる真実は戦後の日米間の交渉経緯も含め多くの部分が今もなお謎に包まれています.この問題に真摯に取り組んでいる研究者もおり,前掲書「阿波丸はなぜ沈んだか」のほか,ロジャー・ディングマン著「阿波丸撃沈」成山堂/2000年などが非常にすぐれた著作です.この二冊は歴史を正しく理解するということがどれほど困難なものかを教えてくれます.そしてその困難を乗り越える努力の大切さも.
少し古いものですが千早正隆「呪われた阿波丸」文芸春秋/1961年は私が中学生の頃読んでとても大きな衝撃を受けた本です.このホームページを立ち上げようと思った気持ちの遠い源流は40年前のこの図書にあります.
私たちは戦争というものが無数の過失や錯覚を惹き起こすシステムであり,理性に発した人道上の良心的行為すら,このシステムの中では錯誤の連鎖によって大量殺戮の指令となってしまうのだということをこれら貴重な研究から教えられます.惨禍を繰り返さぬために私たちができるのは「非戦を誓うこと」だけなのだということをこの悲劇は語っているのです.(この項おわり)
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なお、阿波丸に関するデータ検索結果

阿 波 丸 事 件
http://yokohama.cool.ne.jp/esearch/sensi-zantei/sensi-awamaru1.html

阿 波 丸 事 件 2
http://yokohama.cool.ne.jp/esearch/sensi-zantei/sensi-awamaru2.html

阿波丸事件 (生存者はたった一人だそうです)
1945年(昭和20年)4月1日、台湾海峡
http://www.mekong.ne.jp/directory/military/awamaru.htm

阿波丸事件−−−このサイトの徴用船関連の画集はすごい、他豊富
http://www.asahi-net.or.jp/~un3k-mn/hondo-awa.htm

阿 波 丸 に 思 う
小笠原 靖子    雑誌『朝霧』昭和63年8月号よりより転載
http://www.h5.dion.ne.jp/~s600days/osyo-awamaru2.htm

http://www.seizando.co.jp/yomimono/awamaru.html
『阿波丸撃沈-太平洋戦争と日米関係-
Ghost of War The Sinking of the Awa maru and Japanese-American Relations, 1945-1995.』

ロジャー・ディングマン 著
川村孝治 訳
日本郵船歴史資料館 監訳

A5判・278ページ/本体価格2600円(税別)


他多数検索できます。

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