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ジェンキンス氏と25万トン [ 大胆過ぎするかこの推理 ]
http://www.asyura2.com/0403/bd35/msg/811.html
投稿者 愚考 日時 2004 年 5 月 31 日 20:34:41:SXA7Sr6NkdU/w
 


http://homepage1.nifty.com/kikugawa_koubo/tanishi.htm

拉致被害者家族の中で、最も国民に関心の高いジェンキンス氏の脱走兵訴追問題を解決することで、人気の回復を図り、参院選の勝利をものにしようとしたのが、今回の小泉訪朝の狙いであることは間違いないところです。そこで批判を怖れずに大胆に推理して見ます。
小泉人気の回復という一点に照準を絞ったから、ジェンキンス氏の訴追免責と食糧援助25万トンが、ブッシュ・小泉の間で取引されたのです(訪朝直前のブッシュ・小泉電話会談がそれです)。こう考えると、小泉訪朝の疑問の大半が解けます。

尤も、ジェンキンス氏の免責に関しては、山崎・平沢の両人を北朝鮮側と接触させる前に、ワシントンから内諾を得ていたものと想われます(内諾が得られてなかったなら、小泉自身が自ら出掛けて行く事を前提にした交渉は有り得なかったでしょう)。

ジェンキンス氏が目玉であるから、氏の説得に60分も費やしたのです(メーンであるべき本会談に割いた時間90分の中で、並べた議題の多さを考慮すれば、如何に氏との接触に重みを置いていたかが判るというものです)。又、証文を書いたのも、国民に強く印象付けようとしたものでしょう。

それから、ワシントンから聞えて来るジェンキンス氏訴追に関する発言の何れもが、異常なほど強硬なものばかりです。民主主義国には世論と言うものがあります。この世論を逆撫でする外交など有り得ないでしょう。

もし、本当に訴追しようとするなら、その国の国民感情を考慮した物言いをするものです。ですから通常は、その国の国民の心情に同情を示しながら「こうせざるを得ないのです」などと言うものです。そのような外交的配慮が全く感じられない発言ばかりしか聞えて来ないのは不自然です。

あのような頑なな態度は、如何にその事が難題であるかを印象付けるのに効果があります。難問であればあるほど、それを解決した人物の評価は高まり、功績は大きなものとなります。如何なる妥協にも応じられない、というような姿勢での発言は、小泉が得る功績を大きくする為に、ワシントンが協力しているものと考えれば納得出来ます。

それに食糧援助の理由です。小泉の口からは月並みな人道支援でした。それが今では国際機関からの援助要請だ、と外務省は言っています。この一貫性のない物言いは余りにも急な決定であった為、国民を満足させるような大義名分が用意出来なかったことを示しています。又、食糧援助にどのような穀物を用いるのかのあやふやさも、決定が急に為されたものと考えれば、これも納得し得るものでしょう(費用が幾ら掛かるか判らない援助の申しでなどは、通常有り得ないでしょう。これからも如何に急な決定であったのかが判るというものです)。

それでは何故ワシントンが北朝鮮への食糧援助を要請して来たのかという、疑問が湧きます。北朝鮮への最大の食糧援助国は米国だそうです。昨年も8月と12月に10万トン援助したそうですから、今年もそれなりの援助を約束していたと想われます。その援助をジェンキンス氏の訴追免責と引き換えに、日本側に肩代わりさせたものでしょう。

ですから金正日にとっては米国の代わりに日本から援助物資が届くだけのことであって、別段嬉しい事ではない筈です。あのそっけない対応もそんな所からも来ているのではないでしょうか。

米国が何故、北朝鮮の食糧援助に拘るかと言えば、疲弊しきった北朝鮮を崩壊に導きたくないからです。強面の北朝鮮があるから、冷戦時代の遺物である日米安保条約を継続する事が出来、その結果日本に米軍が居据わる事が出来るのです。

その上、用を為すか為さないか判らない高価なMD(ミサイル防御システム)まで、日本に売り付けることが出来るのです。しかし、小泉が北朝鮮との国交を正常化をして、多額の経済援助に走れば、強面の北朝鮮のイメージは急速に消えることになります。かつて「中共」と呼んで仮想敵国扱いにしていた中国と国交を結び、多額の経済援助をした日本から、急速に危険な国のイメージ「中共」が消えました。それと同じ事が起きるのです。

柔和な北朝鮮に変わるのは、ワシントンにとっては好ましくない事です。其処まで、小泉が突き進もうとするなら、妨害に出て来るでしょう。前回の訪朝の直後に核疑惑を日本に放り込んで来たことを思い浮かべれば、ワシントンからの妨害が今回も有り得ると考えるべきです。

この妨害のはしりではないかと想わせたのが、25万トン食糧援助のリークです。多分、あのリークがなければ日本政府は、食糧援助をこの訪朝で公表しなかったでしょう。何故かといえば、この援助はかつての50万トン国産米の援助を思い出させます。あの援助への強い批判は未だに残っていますから、その半分とは言え当然非難が巻き起こることは予想していたでしょう。

それを公表されたのですから、官邸が激怒したもの無理のないところです。リークがなければ参院選後の、国交正常化交渉の入口辺りで公表する積もりだったでしょう。このリークを誰がしたかは判りませんが、ワシントンからの国交正常化交渉を牽制するシグナルであった可能性は捨て切れません。

結局、小泉与党が参院選で勝つ為にジェンキンス氏を免責するが、強面の北朝鮮イメージを完全に払拭してしまうような国交正常化は許さないというのが、ワシントンの本音でしょう。

ということで、ジェンキンス氏は参院選挙投票日の前に、ブッシュ大統領から恩赦(免責)の通知を受け取ることになるでしょう。又、永田町にワシントンの影法師の徘徊する様子が、国民から見える季節が訪れそうな気がします。

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