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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040515-00000101-yom-soci
皇太子さまの異例の発言に、波紋が広がっている。「雅子のキャリアや人格を否定する動きがあった」という発言の真意は不明だが、宮内庁には「何をしている」といった批判や、ご夫妻に対する励ましの電子メールが殺到している。雅子さまが体調を崩して半年。宮内庁幹部は「重く受け止める」と記者会見で語ったが、苦悩の要因は複雑に絡み合い、同庁は難しい対応を迫られている。
■波 紋■
「ご夫妻があまりにかわいそう」「宮内庁幹部は責任を取るべきだ」。宮内庁に寄せられた電子メールは、記者会見があった10日から14日夜までに700件を超し、多くがご夫妻に共鳴し、宮内庁を批判する内容という。
ある幹部は「激震」とつぶやく。皇太子さまの発言に「それほど思い詰めていらっしゃったとは」と、驚きを隠せないのが実情だ。
宮内庁の湯浅利夫長官は、会見で天皇、皇后両陛下が心配されていることを明らかにした。皇太子さまは両陛下を頻繁に訪ねており、この間の事情を説明されているとみられる。両陛下も皇太子さまの思いを後押しされているようだ。
13日夜には藤森昭一、鎌倉節の両元長官らが両陛下から御所に呼ばれた。発言の波紋への対応を相談されたとみられている。
■真 意■
「雅子のキャリアや人格を否定する動きがあった」との発言の真意は不明だ。14日には湯浅長官の時代ではないことが明かされたが、何を指しているかは宮内庁側も測りかねている。
だが、皇太子さまはこの発言に関し「外国訪問も出来なかったことも含め、雅子も私もとても悩んだ」と話された。
その発言から、雅子さまが体調を崩されたいくつかの要因が浮かび上がる。▽外国訪問が許されなかったこと▽皇室の環境に適応しようと疲れ切ったこと▽「世継ぎ問題」のプレッシャー▽子育てと公務の両立。
お二人での外国訪問はこれまで5回。両陛下の皇太子時代と比べて少なく、同庁幹部は「世継ぎ問題」を優先し、外国旅行を絞った結果であることを認めている。過度の期待と外国訪問の抑制が「動き」の一つである可能性は高い。
湯浅長官は、皇太子さまが訪欧から帰国される24日以降に、直接面会して真意を尋ねる考えだ。
■背 景■
発言は突然に飛び出した訳ではない。皇太子さまは2月の誕生日前の会見でも、「公務の内容やあり方を検討する必要がある」と注文されていた。宮内庁の対応は必ずしもスムーズではなかったが、それには理由があるという。
皇太子ご夫妻のお世話をする東宮職(とうぐうしょく)には、責任者の東宮大夫(とうぐうだいぶ)以下、東宮侍従長や東宮侍従ら事務方がいる。宮内庁長官などに状況を説明するのはこうした事務方だが、雅子さまの体調に関する事柄は「極めてプライバシーにかかわること」で、どこまで分け入っていいのかの迷いが付きまとう。
ある幹部は「ご夫妻と意思疎通が足りなかった面もあるが、今はできる限りの努力をしている。ただ、細かいご体調など私的な部分に踏み込むのははばかられ、対応は難しい」と言う。
「事務方」を超える皇太子家の相談相手。そうした人がいない、との指摘もある。
■ご体調■
雅子さまは、昨年春から疲れがみられ、同年12月初め、強いストレスによる帯状疱疹(たいじょうほうしん)と診断、入院された。同年中には回復されたが、その後も公務や皇室の行事などを休まれている。体調は今も波がある状態で、立ちくらみや頭の重みなどを訴えたり、昼間、横になったりされている。
◆「湯浅長官時代ではない」と皇太子さま…林田大夫明かす◆
宮内庁の林田英樹・東宮大夫は14日の定例記者会見で、皇太子さまが「雅子のキャリアや人格を否定する動きがあった」と発言したことに関し、林田大夫に「湯浅長官時代のことではありません」と話されていたことを明らかにした。
林田大夫によると、会見翌日の11日、湯浅長官から面会の要請があったことを伝えた際、皇太子さまがそう説明し、長官に「伝えてください」と話されたという。(読売新聞)
[5月15日3時4分更新]