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ビル・モイヤーズ:「メディア、政治、検閲」(暗いニュースリンク)
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投稿者 エンセン 日時 2004 年 5 月 12 日 18:10:07:ieVyGVASbNhvI
 

 
05/12/2004
ビル・モイヤーズ:「メディア、政治、検閲」
PBS(Public Broadcasting Service:公共放送サービス)のテレビ番組「NOW with Bill Moyers」のホスト、ビル・モイヤーズがAlternetに寄稿した2004/05/07付けコラムを以下に全訳掲載。(文中リンクはDeepthroatによる)

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「メディア、政治、検閲」


ビル・モイヤーズ


イラク戦争はイメージ戦争でもある。今週、アメリカ国民は拷問されたイラク人囚人の写真に騒然となった。それは、先週現地の刑務所にいるアメリカ兵によって撮影されたものだった。

1週間前の金曜日、「ナイトライン」で、テッド・コッペルがイラクで死んだ駐留軍兵士の名前と顔写真を放映した。しかし彼等の顔と名前はシンクレア・ブロードキャスティンググループ所有のABC放送系列局では放送されなかった。シンクレア社はコッペル氏を「政治的主張以外の何ものでもない」と批判した。

しかし、シンクレア社自身の政治的主張はどうなのか?62もの系列局を抱える同社は合衆国内でも最大クラスのネットワークで、ワシントンにうまくロビー活動をしたおかげで、さらにネットワークを拡大できる許可を得ている。そして同社の幹部は気前のいい共和党献金者である。

9/11テロ以降、シンクレア系列局の放送に登場するタレントは、現大統領を100%支持する旨の約束を記した契約書への同意を要求されるという報告がある。同社の広報部門副社長のマーク・ハイマンは、シンクレア・ニュース・チャンネル放送網を通じて国内中に毎日放送されている番組「ザ・ポイント」内にコメンテイターとして登場する割合が2倍に増えている。ハイマン氏は、「クリントンは(女性の)スカートを追いかけるのに夢中で、テロリストを追跡できなかったのだ」などと頻繁に公開討論の場で発言している人物だ。

今年始めに、ハイマン氏はイラクに派遣され、現地での良い出来事についてのニュースを編集する役割を引き受けた。

それはもちろん、シンクレア社の独占だった。ニュース放送網ならどこでも米国憲法修正第1条が適用されることは、私が今実行しているとおり。しかし、自由に話せることと、その声が他の誰かに届けられることは別の話だ。シンクレア社はコッペル氏を検閲した。

そして、民主党全国委員会がスポット広告枠をブッシュ批判スポット広告放映のために買おうとしたところ、シンクレア系列のマジソン局(ウィスコンシン州)は枠の販売を拒否した。

シンクレア社のような、ワシントンにべったりの関係は珍しくない。クリア・チャンネル・ネットワーク---国内最大のラジオ放送網(200以上の局を所有)は1996年の規制緩和の恩恵を受けた最大の勝利者だろう。昨年、クリア・チャンネルはイラク侵攻に関して戦争賞賛集会を開催するチアリーダー的存在だった。

ルパート・マードック氏もワシントンでの勝利者の1人だ。議会と共和党管理下の連邦通信委員会は、彼が所有するニューズ・コーポレーションが法律で許可されているよりも多くの放送局を買収しているにもかかわらず、マードック氏に罪を問うことはなかった。

マードック氏は他にも、イラク戦争翼賛企業であるフォックスニュースとニューヨーク・ポスト紙を所有している。ここ1週間ほど、ニューヨーク・ポスト紙は、現地で体を張っている兵士の実像を「充分に反映していない」として、イラク人囚人の拷問写真の掲載を拒否した。

もういちど言うが、それは彼等の権利である。報道の自由とは、周知されているとおり、放送網を所有する者にのみ保障されているものである。

ポイントはそこなのだ。これらメディアジャイアントは、間違った行動をとっているとしても、権利によって擁護されている。それがシステムなのだ、ブルータスよ、そのシステム---カルテルは、大企業と政府がお互い助け合えるように効果を発揮している。

そんなことはできないはずだった。我等が政府の創始者たちは、報道と政府が団結して公的意見を表明することを快く思わなかったのだ。それゆえ、創始者たちは、憲法に権利章典を明記し、その米国憲法修正第1項によって、権力を持つ政治家と、権力に責任を課す報道の間に壁をつくったのである。初期のアメリカ国内新聞はたった三項程度で、その編集者は「嘘をつく魂を救済したい」と語った。政府は彼が州の許可証を持っていないという件で、すぐさま彼を黙らせた。

近ごろでは、巨大メディア複合企業は政府が検閲を必要とするときには、自らその役を引き受けるようになっている。だから、我々はもういちど思い知らされることになるのだ。ジャーナリズムの最高の瞬間は、ジャーナリスト達が政府と利害を共有している時にではなく、恐れることなく独立しているときにやってくる。自由な報道は、自由社会に全てを託しているのである。

http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2004/05/post_5.html

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