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件 名 : [資料] 画期的抜本的な税制改革案 - 『サンデー毎日』vol.83 (No.26) 2004/05/23号より
画期的抜本的な税制改革案
フランス, アメリカ, カナダ, オーストラリア, ドイツなど先進諸国のメディアは小泉首相はじめ政府与党が, 退避勧告を無視してイラク入りした人質を, 自己責任を振りかざして批難したことに, 大枠のニュース扱いするほどにぶったまげていた. 「自作自演」(同時期に人質にされた23カ国70余人も自作自演とでも言うのか ?) というおのれの下劣を証明するようなグロテスクな説を振りまいて貶め, 救出費用まで取り立てたことに目を剥いていた.
さらには政府に同調して保守系メディアや市民が, 人質とその家族を「自業自得」,「日本の恥」とバッシングする醜悪さに唖然としていた. お上の責任放棄と横暴にはやたら思いやりがある分, お上に逆らう者にはひどく残酷になる, 強きを助け弱きをくじく骨の髄まで滅私奉公, 異論排除のファシズム体質, イジメ体質を気味悪がっていた.
そこへ持って来てあからさまなファシスト登場. 自民党の柏村武昭参院議員が 4月26日の参院決算委員会でイラクの人質事件について「反日的分子のために数十億もの血税を用いることに違和感, 不快感を」表明し,「勝手に危険な国に出かけて行って武装勢力に捕まったこと自体が反国家的」と言い切ったのだ. 政府と意見を異にする者は, 非国民, 保護の対象にはならないと.
おそらく外国のメディアは, 民主化・近代化が必要なのは, イラクなんぞより日本なんじゃないか, と思ったに違いない.
そりゃあそうだ. これは近代的国民国家の根幹存在価値そのものを覆す暴論だからだ. そもそも国家が一方的一元的に警察や軍隊のような武装した機関を持ち国民から税金を徴収する権限を持つことができるのは, まず何よりも国民の生命と安全を保障することが前提になっている. 従って, 在外邦人の保護は政府が負うべき最重要の責任, 無条件の義務の一つであって, 外務省設置法四条九号に外務省の役割として明記されている. 国際法的にも「外交的保護」と言って自国民が他国において身体や財産を侵害された場合被害者の本国政府が加害国に対して被害者の保護救済を要求する権利が認められているくらいだ.
もっとも代々日本の政府と軍, そして役人には, そういう自覚は皆無といっていい. 関東軍による在満州邦人の大量棄民, 沖縄戦における住民の弾除け扱いと自決強要など, 棄民の伝統のほうが根強い. 「邦人保護」というと小泉首相や阿倍幹事長, 石破防衛庁長官などは, 自衛隊の海外派兵や軍備拡張の口実ぐらいにしか思っていないのであてにしない方がいい. 今も政情不安な中南米や東欧諸国の邦人のあいだでは「万が一の場合は間違っても大使館には駆け込むな」というのが合言葉になっている.
外務省の川口大臣や竹内次官がまだ人質が捕まって間もない時点で邦人保護の限界と自己責任を言い出したのは, おそらく, 人質救出に手も足も出ない無能を自覚し, 責任逃れの予防線を張るつもりだったのだろうが, 図らずも邦人保護こそが外務省の本業だという自覚がないことを公言したようなもので, 笑ってしまった.
日本の在外公館は, 外遊する与党政治家や政府高官の接待の方を本業と勘違いしているようなところがあって, 民間人に対するサービスなどは面倒な雑事, できればしないで済ませようという本音がことあるごとに顔を出す.
若手外交官に尋ねたら, 彼らはこの点を十分に自覚していて, 愚痴混じりに言ったものだ.
「致し方ないんですよ. 役人は出世が命ですからね. 政治家や高官への接待は即出世につながるんです. でも民間人にサービスをしてもぜんぜん評価されない. 別に日本の外交官が薄情で, 欧米の外交官が奉仕の精神にあふれているというわけではないんです. アメリカやヨーロッパの外交官が粉骨砕身して自国民保護に奔走するのは, それを本国で最大限評価するシステムができているからなんですよ. その方が出世が早いんです」
さて「救出費用」請求を最初に言い出したのは, 公明党の冬柴幹事長. さすが教祖の鶴の一声でどんな無理無体な号令にも信者たちが一糸乱れぬ結束で従ってくれる政教一致の宗教政党らしく民主主義と政治のイロハを軽々と踏みにじってくれる. 宗教は信じる者しか救わないが, 政治は支持する者もしない者も等しく差別せずに救うのを大原則とする.
だからたとえ政府が実際に救出に貢献していたとしても, 請求する権利を持たない性格の費用なのだが, ましてや今回は, 政府は救出をしていないのだから, 救出費用が発生しようがないではないか. 逢沢外務副大臣ご一行が, なぜかバグダッドではなくアンマンにファーストクラスで乗り込んで, アルジャジーラを視聴する以外の仕事をしたとはとうてい見えないのだが, ホテルの貴賓室に宿泊し飲み食いした費用とかは, 救出しているふりを演出するための宣伝費だったろうし, 人質たちを頼みもしないチャーター機で迎えに行き, 豪勢な病院で強制的に診察させた費用は, 救出された後に, 政府が何もしなかったことを隠すための広報費で救出費用には当らない.
しかし冬柴幹事長や柏村議員の発言は私の発明には素晴らしいアイデアを与えてくれた.
近代法というものは, 常に権利と義務が表裏一体となった体系なのである. 政府が徴税の根拠の一つとなっている邦人保護の責務を放棄しその費用を請求するというのなら, 国民は納税義務から解放されるということなのだ.
時の政府の政策に反対する, あるいは異を唱える者は, 邦人保護に値しない, と政府に勝手に判断する権限がある, となると, 逆に国民には, 自分が反対する政策にかかる費用には税金を納めないという権利が発生するのだ.
もちろん日本という国に生まれ育つことは, 自由意志で決められないことで, この国に住むことで発生する日常生活, 医療, 教育, 福祉など不可欠な税負担は止むを得ない面がある.
しかし, アメリカの大儀なきイラク戦争にお付き合いして日本の自衛隊の若者を戦地に送り込む政策に反対する人たち, 無能経営で破綻した銀行を救済するために税金を投入するのに反対の人たち, 役人の天下り先の特殊法人に税金が振り込まれるのに反対の人たちは, 税金のそれに投入される割合分を払い戻してもらう, あるいは払わない権利があるってことだ.
こういう賛成する政策にのみ税金を払う, 反対する政策実現には税金を払わないという税制度にしたら, もう少し日本人は, 政治と政策について真剣に考えるようになるかもしれない. 政治家ももう少し説明責任を果たすようになるかもしれない.
イラスト : 新井八代
(右の心臓 = 思いやり, 優しさ, 太っぱら, 寛大さ) 靖国参拝, 自衛隊イラク派兵で憲法違反している自分, アメリカ, イギリス, ブッシュ, ブレア, 強者, 大国, 経営責任を負わない金融機関トップ, 特殊法人を食いものにする天下り官僚, 国民年金不払いの閣僚, ……
(左の心臓 = 薄情, 冷酷, ケチ, 鈍感) 靖国参拝, 自衛隊イラク派兵, 憲法違反に反対する人々, 退避勧告に従わずにイラク入りする人々, 人質, 人質の家族, 被害者, 弱者, 途上国, 政府与党の政策に異を唱える人々,……
二重人格というのとちょっと違います. 相手によって表れる情動が正反対になるのですね. 世の中は敵と味方, 黒と白に色分けされた極めて単純な, 病的な世界観の持ち主なのですね. ARAIYAYO
【出典】 『サンデー毎日』vol.83 (No.26) 2004/05/23号 発売 05/07 (\305+税) pp.50-51
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p.55 新・かんちがってま専科 連載 5 戯作者・松崎菊也
お笑いマンガ議員のお見事 !
「反日的分子のために数十億の血税を用いることに違和感不快感を持たざるを得ない」
だト. 顔を見て思い出した.
このセンセイ, ついこないだまで自衛隊派遣を世論の半分が反対していたことをトットと忘れたらしい. まあ, 昔アナウンサーやってた方とは思えない, この紋切り型政治用語の羅列. お見事 !
誘拐されて解放された3人に外務省がそれだけの費用をかけたのを, 実にうまいこと既成事実化して顧みない発言. 法務委員会における与党としての発言. うまい ! お見事 ! [以下省略]
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pp.60-61 READER's BATTLE 百花繚論 イラクで拉致された邦人の行動をどう思う
[リード] イラクで拉致された邦人の行動をめぐって「自己責任」についての議論が巻き起こっている. 事件の興奮が冷めやらないせいもありかなり感情的な物言いが多く見受けられる. また「自己責任」という言葉が厳密に吟味されることなくかなり乱暴に使われてもいる. 一方で, 本欄に寄せられた投書の数は, メディアで行き交う言葉の熱っぽさの割りに, 思いのほか少なかった. 投書の内容を大まかに二つに分ければ人質に「責任あり, 謝罪せよ」 6割, 「責めるのはおかしい」 4割だった. [以下省略]
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pp.138-139 千思万考 連載 2 江川紹子
リーダーに必要な "歴史の目"
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「アイドル政治家症候群」の正体
臨床心理士 矢幡洋 西武文理大学講師
> [リード] 小泉首相はなぜ "長持ち" するのか --. 首相をはじめ, 田中康夫・長野県知事, 石原慎太郎・東京都知事らを「アイドル政治家」と定義し, 彼らが熱狂的に支持される背景を心理学的に分析したカウンセラーはこう語る.
x x x
小泉首相が支持される要因は大まかに三つに分けられると考えています.
まず彼のパーソナリティです. 「中心気質」という類型で説明できます. その特徴は喜怒哀楽がストレートに外に出てしまうことです.
「どこが戦闘地域かと今, 私に聞かれても分かるわけないじゃないですか」など, いくつかの発言が問題になりましたが, 彼はその時, 民主党の菅直人代表に問い詰められて, 本当に「キレ」てしまっている. ホンネがあっさり「面の皮」を突き破ってしまうのです. そういうところが, かえって人間的で憎めない印象を与えています.
中心気質者は「快」の感情に陶酔することを至上の喜びにします. オペラや歌舞伎に凝るのもそのためでしょう. 人間関係も快・不快を優先させるから, ウマの合わない人とは付き合いたがりません.
中心気質者は粘着型でもある. 人でも政策でもこれと決めた対象にとことん執着する. 彼は政治家になって以来, 派閥には忠実です. 米国にひたすらついていくのも同じ心理から説明できます. 「一匹狼」かもしれませんが, 反逆者ではないのです.
従来の首相は, あちこちに気兼ねした無難なタテマエしか口にしませんでした. 旧来の日本社会では望ましいとされてきた「抑うつ気質」の典型です. その最大の行動原理は, 摩擦のない円滑な人間関係を維持することです. 小泉首相はその対極なのです. 田中, 石原両知事や田中真紀子前外相など, 他の「アイドル政治家」たちも, タイプは違っても抑うつ気質と正反対である点は共通しています.
> 依存し無力化する日本人が首相を支える
小泉支持が衰えない要因のもう一つは, 日本人に依存性が強まっていることです. 依存性とは不安感が強くて「責任を持ちたくない」「自分から行動を起こしたくない」という心性です. 人に嫌われるのを恐れて同調したがり, 批判力がなくなります.
社会経済生産性本部が4月末にまとめた新入社員の意識調査では「自分の良心に反する仕事でも指示通りに行動する」との回答が 43.4% と, 前年を 11.4 ポイントも上回りました. 依存性が高まった結果だと考えられます.
強い者が「こいつを無視しろ」と言うと, クラス全員がそれに加担してしまうようなイジメが問題化しましたが, そういう行動様式を身に着けた世代が有権者になった.
もともと日本人は依存性が強い国民ですが, その傾向は強まる一方といえます.
小泉首相も一種の強者です. 依存性の強い人たちは, 彼らに同調して「何か変えてくれるだろう」と期待だけをする. その結果, 自らの行動や発言で政治参加する形はとらず, ただテレビの前に座って番組を論評するような感覚で「アイドル政治家」を支援することになるのです.
最後にマスメディアの問題も指摘したいと思います.
「旬」の話題だけにメディアが殺到する傾向が数年前から顕著になっている気がします. それは商業主義であり, 一方でメディア関係者にも自信のない, つまり依存性の高い人が増えているということではないでしょうか.
小泉首相に代わる選択肢が示されていないことも小泉人気が続く要因です. たとえ「旬」でなくても, ポスト小泉になりうる人物を探し出して提示するような気概がメディアにあれば, また違った展開もあると思うのですが.
このような状況の中で「アイドル政治家」はますます強大な存在になり, 一般市民は一層無力化していくことが懸念されます. (談)
> 1958年生まれ. 京都大学卒. 精神病院に勤務後, 独立. 『アイドル政治家症候群』(中公新書ラクレ), 『窒息する母親たち - 春奈ちゃん事件の心理ファイル』(毎日新聞社) など著書多数.
【出典】『サンデー毎日』vol.83 (No.26) 2004/05/23号 発売 05/07 (\305+税) pp.30-31
総力特集:自民党久々の「ヒット商品」「コイズミ人気」の謎と賞味期限
「年金未納ドミノ拡大」「コイズミ人気」も急落!? (pp.25-27)
小泉政権維持 丸 3年の「カラクリ」自民党久々の「ヒット商品」(pp.27-31)
> 発足から丸 3年が過ぎた小泉政権. 脅威の支持率を誇った当初の勢いこそ色あせたが, それでもなお支持率は 5割. 自民党久々のヒット商品には違いない. 新たに閣僚の年金未納問題は噴出したものの, 幾多の窮地を乗り切った「人気のカラクリ」とは何なのか.
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■家族と本人叩き/拍手喝采民主主義に囚われたら■
http://wave.prohosting.com/sars01/
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「小泉の波立ち」≫ ニュースと感想
http://www005.upp.so-net.ne.jp/greentree/koizumi/main.htm
> イラクの人質問題の本質
http://www005.upp.so-net.ne.jp/greentree/koizumi/77_iraq.htm
「ヒミツの大計画」元カキコを発見!
http://sports2.2ch.net/test/read.cgi/iraq/1082308313/
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http://d.hatena.ne.jp/entre/200404
2004/04/14 自己責任を押しつけるという責任放棄の姿
nohara
http://d.hatena.ne.jp/noharra/200404
キタノのアレ 官邸報道管制とテレビ/ケダモノの嫌
がらせ/通信手段にも影響/邦人保護は政府の義務 ほか
http://d.hatena.ne.jp/kitano/200404
日本民主法律家協会 http://www.jdla.jp/
> 澤藤統一郎の事務局長日記 (ほぼ連日更新) 4/17, 4/19 ほか
http://www.jdla.jp/jim-diary/jimu-d.html
aml2004/04
>[aml 39255]「相互監視の網と化したネット掲示板:『人質』誹謗中傷の力学」2004/04/25
http://www1.jca.apc.org/aml/200404/39255.html
>[aml 39230] Re: [aml 39207] Re:笑いものの日本 2004/04/24
http://www1.jca.apc.org/aml/200404/39230.html
http://www.freeml.com/message/truce@freeml.com/0016663