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「一本の鎖」:地球の運命を握る者たち・・・イスラム世界、民衆の怒りと愚かな国際メディア
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投稿者 feel 日時 2004 年 5 月 07 日 01:23:03:/berAdga6DXu.
 

「一本の鎖」:地球の運命を握る者たち・・・イスラム世界、民衆の怒りと愚かな国際メディア

第5章 女スパイ身許発覚事件―分断されたCIAの暗闘 より

P221−225
アメリカとイギリスは、罪なきイラク人の生活を混乱させる侵略支配を続けている。アフガン攻撃からすでに、アメリカとヨーロッパの主導者は間違いを犯してきた。中東イスラム世界の人にとって、この二つの侵略によって証明された五つの歴史的事実は以下の通りである。このイスラム教徒の感情と行動原理が、今後、少なくとも十年以上続くと予測しておく必要がある。おそらく一世代二十五年間、四半世紀は続くだろう。

一、 ウサマ・ビンラディンは西欧社会で非常に過激な思想の危険人物と見られている。ところが彼は、イスラム社会では驚くほど高い支持を得ている。ウサマ・ビンラディンが語った見解は、アメリカ人とユダヤ人がこの地上から抹殺されるべき敵である、という極端なものだ。ところが、イスラム教徒にとって(勿論ヨーロッパ人やアメリカ人にとってではなく)、アメリカ人とユダヤ人がこの地上から抹殺されるべき敵であると考えても不自然でない明白な理由があったことを、アメリカとイギリスによる道理なきイラク侵略攻撃が証明してしまったのである。アメリカにとって危険人物のウサマ・ビンラディンが多くのイスラム教徒にとって正義になったのだ。

二、 民主主義国家と独裁国家では、民主主義を標榜する国家のほうが危険で残虐な場合があることが実証された。全世界の民主主義国家と国連は、二〇〇一年にアメリカとイギリスによるアフガニスタン市民に対する無差別攻撃を支持、または黙認した。さらに国連はその直後にノーベル平和賞を受賞したばかりか、ついに彼らはまったく罪を犯していないイラク人を、アメリカ人とイギリス人が殺戮するという行為を止められず、テレビで傍観するほかなかった。欧米の民主主義は、多数決の採決でことをすませてきたが、それだけでは人道的に正しい道を歩むことができず、よい結果を導く力にならない。アメリカ人に知恵と良識があっても、それを「多数派」に育てる社会が存在しないからである。しかもこれから、ヒットラーに倣った戦慄すべきブッシュの侵略方式を正義の基準にしようとしているのが、地球全体を覆っている民主主義の実態である。

三、 イラクおよびイスラム諸国が罪なき国民の生命を守るためには、国連安全保障理事会の決議に違反してでも、今後は大量破壊兵器を保有して米軍の攻撃から身を守る必要と、その正当な理由があることが明らかになった。なぜなら中東イスラム諸国には、それ以外にアメリカの先制攻撃から国民の生活と生命を防衛する手段がないからである。今後イスラム国家が大量破壊兵器を保有し、あるいはそれをアメリカやイギリスに対して先制使用しても、その原因と全責任はアメリカのブッシュ大統領とイギリスのブレア首相がとった行動にある。

四、 あらゆる世論調査の統計が示すように、イスラム教徒の過半数の人は、イラクに駐留するアメリカとイギリスの軍隊に被害が出ることを内心で期待している。彼らは、攻撃作戦会議を開くホワイトハウスやキャンプ・デーヴィットに巨大な隕石が落下すれば歓喜を覚え、時にはアメリカ人全体に不幸が起こることを望む心理状態にある。現在はさらに反米・嫌米感情が高揚して、それに近い感情を世界人口の半分を超える人が共有している。二〇〇三年二月一日にスペースシャトル・コロンビアが空中分解した事故でメディアは悲しみを伝えたが、世界は悲しむかと思いきや、驚くほど多くの人が喝采を送ったことで、これはすでに証明されている。アメリカ政府に、この地球上で最低の倫理観と知恵さえも備わっていないことが明白である現在、その感情には正しい由来性が認められ、きわめて自然である。

五、 二〇〇一年九月十一日の世界貿易センタービルとペンタゴン攻撃事件は、一般に非道なテロ攻撃として定義され、多くの人のあいだで広くそのように認識されてきた。しかしブッシュ政権のイラク攻撃が開始されると、アメリカとイギリスの侵略攻撃に対するイラク民衆の抵抗は、正当な反撃であることを多くの人が知るようになった。それと同じ理由から考えれば、9・11事件は、過去半世紀にわたって中東でおこなわれたアメリカの一方的・独善的な軍事行動を懲らしめる目的で実行された、イスラム教徒にとって正当と考えられるアメリカ攻撃だったと説明することが可能になった。したがって二〇〇一年〜二〇〇三年における米軍の攻撃によって被害を受けた中東諸国のアラブ人およびイスラム教徒の家族は今後、成功の確率が充分に高い機会を待って、イスラム法に従ってイラク国内およびアメリカ国内でのアメリカ人に対する報復攻撃をおこなう可能性がきわめて高い。またその権利を有している。

以上は、個人的な意見ではない。これらは、望むと望まざるとにかかわらず、歴史学的にすぐれて厳正な中東イスラム世界の事実である。この事実は西欧メディアにとって書き換えられ、無視される。だが、不変に存在し続けるであろう。この直截な事実をアメリカ人と国際メディアが見つめ、正しい思考を開始しない限り、正常な地球を回復することは難しい。
世界の報道で、あるいは日常の会話で、「テロ」という言葉が何度乱用されたことだろうか。
爆破などのゲリラ攻撃を実行するイスラム教徒の多くが鬚(ヒゲ)をはやしているので、イスラムを知らない人間には、彼らが凶悪犯に見える。アメリカがその印象を利用して、指名手配のごつい顔の写真を並べているだけで、実は、これは普通の顔である。誰の顔でも、凶悪犯に見せるのは簡単である。
ニュースの扱いに間違いがある。
 バグダッドのホテルなど報道機関に爆破事件があると、大変な事件として大きく扱われる。これは現地に入った記者たちにとっては深刻な問題で、くわしく取材できるからだ。ところが、アフガニスタンでもイラクでも現地の住民が殺される事件に対して、報道記者たちは、「また米軍が攻撃した」程度の認識しかない。住民にとっては、到底許されないことである。連日殺されているのは、米軍以前に、大量のアフガン人でありイラク人である。
 報道記者たちの大半は、その年齢のため、過去わずか半世紀のことでさえ、中東で絶え間なく続いてきた戦闘の武器輸出メカニズムと残虐性を知らなかった。そのため中東に対する加害者であるペンタゴンの説明だけを聞いて報道する人間が、イラク攻撃司令部のプレスルームを埋めつくした。広大な戦場の事実は、そこから切り出された一部がフレームアップされて世界のテレビと新聞に送りだされ、それが絶対的真実であるかのような誤解を地球上に生み出してきた。
 これからわれわれは、次の大きなナゾナゾを解かなければならない。

・ アメリカは、アイゼンハワー政権からカーター政権に至るまで、連綿とイランの独裁者パーレヴィ国王を支援した。
・ アメリカは、イランでパーレヴィ国王が追放されたカーター政権の時代からレーガン政権まで、隣国イラクのサダム・フセインを支援した。
・ アメリカは、湾岸戦争の時代から掌を返したように、親子ブッシュ政権とクリントン政権がサダム・フセインを独裁者として非難し、攻撃し続けた。
・ サダム・フセインとは何者なのか。


第7章 戦塵のパレスチナ―中東と世界に平和は訪れるか より

P326−327
このように中東世界を一カ国ずつ見てゆくと、誰にも大きな疑問が湧き出してくるはずである。今日まで国際メディアが宣伝してきた「独裁政治の追放」とは何なのか、ということである。日本の政界とメディアでは、「過激派追放」というブッシュ・ネオコン政策の言葉が常套句だが、報道界に尋ねたいのは、それらの国の民衆はどうなったか、これからどうなるかという最後の成果について、正しく知性が働いているかどうかである。

大騒ぎしたアフガンはどうなったのだ、という疑問がまずある。

カルザイ大統領は、首都カブールから出ることもできない。

パキスタンのムシャラフ大統領は首都にも近づけず、軍部総本山にこもったままだ。

エジプトのムバラク大統領は、内心、いつ自分が襲われるかと戦々恐々である。

トルコのエルドアン首相も、これからは、いつ襲われるかも知れないと噂される。

イラクの統治評議会は、ほとんどの国民から信頼されず、恰好の攻撃目標だ。

 アメリカとイスラエルが介入した国では、いずれも統治者が民衆の怒りの的になる。ますます武装闘争が増え、静穏な生活など成立せず、どこも混乱のきわみにある。アフガンでは、国際社会がよってたかってカルザイを国家元首に祭り上げ、マスメディアがしたことの成果と言えば、報道記者たちが彼のファッションを褒めそやしたことぐらいだろう。見捨てられているのは、米軍統治下で爆撃の恐怖から逃れられないアフガン民衆の生活である。
 イランのハタミ大統領は、イスラム大国のなかで最も民衆に近い感情を共有していると感じられるが、それをネオコンは「悪の枢軸」と呼び、イスラエルが攻撃対象にしてきた。国際メディアもその論調を踏襲して、イランを悪者にしたニュースを毎日流し続けた。そのため、イランの宗教指導者たちが硬化して、二〇〇四年二月二十日の国会総選挙では改革派の候補者を排除するという暴挙に出て、イラン国民を裏切る結果となった。この一事だけを見れば、イスラム宗教指導者のやり方は完全に間違っているが、隣国イラクの武装闘争がイラン内部にまで波及している現実を考え合わせれば、それほど単純には断定できなくなる。
 そしてついには、イスラム武装勢力による攻撃をおそれる欧米諸国が、まずます警戒を強め、アメリカの空港をはじめ、どこでも厳戒体制を強いられている。国際メディアが用意してくれたのは、こんな世界だったのか。これは、アフガン攻撃開始の時から予想された結末なのである。住民感情を無視する国際メディアの大きな流れは、完全に間違った方向に人類を導いている。
 これからの展望について本書から導かれる結論を「あとがき」に記したい。


「一本の鎖」:地球の運命を握る者たち 広瀬隆著
http://www.asyura2.com/0403/bd35/msg/144.html
投稿者 たくげん 日時 2004 年 4 月 20 日 15:09:50:ZeS7i/LK.kz92

「一本の鎖」:地球の運命を握る者たち‥‥米軍はイラクで一体何をしようとしているのか
http://www.asyura2.com/0403/bd35/msg/312.html
投稿者 エンセン 日時 2004 年 4 月 28 日 10:09:24:ieVyGVASbNhvI

「一本の鎖」:地球の運命を握る者たち あとがき
http://www.asyura2.com/0403/bd35/msg/149.html
投稿者 エンセン 日時 2004 年 4 月 20 日 19:29:57:ieVyGVASbNhvI


一本の鎖―地球の運命を握る者たち
ダイヤモンド社 (2004-04-15出版)
・広瀬 隆【著】
次々と起こる大事件の謎を解き明かす。ついに世界はアメリカを包囲しはじめた。

序章 読者への熱いメッセージ―ニュースの陰の真実を追跡する
第1章 富を独占する上流階層―百家争鳴アメリカ大統領選挙
第2章 露骨な私欲とスキャンダル―堕落一途のワシントン政府
第3章 強大な兵器への野望―イスラエルの核とイスラムの怒り
第4章 ロシアを揺るがす財閥投獄事件―プーチンの戦略と実像
第5章 女スパイ身許発覚事件―分断されたCIAの暗闘
第6章 鏡の中のサダム・フセイン―謎に包まれた履歴と正体
第7章 戦塵のパレスチナ―中東と世界に平和は訪れるか

広瀬隆 地球の落とし穴
http://www.interq.or.jp/rock/ff67/hirose/


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