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ベルルスコーニを罵倒する(2)
(このシリーズの第1話のUrlは、この投稿の最後に載せてあります。)
今回は、「メディアを握るものが世界を握る」の哲学の元、イタリアのメディア独占ばかりでなくヨーロッパ各地のメディアを手中に収めようと企む、尊大・傲慢なベルルスコーニが主なテーマです。それに加えて、イタリア・マフィアやP2(古くはナチスやファッショ党ともつながりオプス・デイとも関係の深いイタリアのフリーメーソン組織)などの魑魅魍魎がうごめくイタリア半島の姿を通して、その妖怪どものざわめきの中に中にフッと姿をあらわすベルルスコーニをお目にかけましょう。
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ベルルスコーニを罵倒する(2):メディアの帝王、マフィアの世話人、隠れP2
まず、「メディアの帝王」としての姿だが、イタリアの政治とメディアとの関係、ベルルスコーニがどのようにしてイタリアのメディアを独占してきたか、は、下にご紹介する日本語の資料をお読みになれば、具体的にイメージできると思う。少々複雑だが非常に良くまとめられてある。まずこれからお入りいただきたい。
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イタリアの放送局と政党(やそだEU&イタリア総研 特集ページ)
http://plaza9.mbn.or.jp/~yasodasoken/rai.html
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この資料でもおわかりの通り、現在までにもイタリアの放送局の主要6局のうち何と5局を自分の支配下に置いたわけだが、さらに法律を改正し100%の独占を目指している。以下は2003年12月4日のスペインのエル・パイス紙に載った『ベルルスコーニの新メディア法案反対の大デモ』と題された記事の一部である。
なお、この資料中の「ガスパリ法」というのはイタリアのテレビ・ラジオ制度再均衡法のことであり、2003年12月2日にベルルスコーニはごり押しで議会(上院)を可決させた。しかし同年12月15日にカルロ・アツェリオ・チャンピ大統領は、報道の自由に損害を与え憲法違反の疑いありとして法案への署名を拒否し、法案を下院に差し戻した。少々解りにくい訳になってしまった感があるが、お許し願いたい。
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『ベルルスコーニの新メディア法案反対の大デモ』
イタリア野党は共和国大統領へすべての期待を託した。政府首相、シルビオ・ベルルスコーニが率いる情報市場を認め拡大させるテレビシステム改革案の上院での可決後、中道左派は、大統領カルロ・アツェリオ・チャンピが法案にサインすることを拒み議会に差し戻すことを信じている。ローマ、フィレンツェ、トリノ、パレルモでは、大勢の国民が昨日、多くの裁判官たちが違憲であると判断している法案に対する抗議のデモを行った。
企業家ベルルスコーニはその「利権の背反」、つまり財界の大立者としての利益と公共の利益の間の両立の困難さを明らかにする、という公約で政権に就いた。しかしその後、公務室から自らの経済帝国をコントロールし続けることを決めた。そしてこの火曜日(12月2日)に、通信大臣のマウリチオ・ガスパリによって提案されたいわゆる「ガスパリ法」に、団結して支持の投票をする中道右派の協力を手にした。その目的は、ベルルスコーニ所有の投資会社フィニンベストとテレビグループのメディアセットに利益をもたらす制度を、保持し更に強化することである。
憲法裁判所はこの計画を知った1年前に、この法案が情報の多元性を圧殺し憲法の原則を侵害することに気付いた。選挙制度が『最大限の表現の自由』を要求すると考えるチャンピ大統領も同様のことを表明した。昨日から30日間かけて、大統領府は法に照らしその不足を明らかにし議会に差し戻す作業の準備を始めた。左派は、テクノクラート出身の中道派であるチャンピが、この法案を拒否すると確信していた。
昨日、何万人もの人々が、この法案に反対し大統領府の「no」を求めて、イタリアの主要都市の街路でデモをした。チャンピに対するこの圧力は、左派民主主義者の書記長ピエロ・ファシーノが他の野党に、チャンピに付けた「レッテルを取り去る」ように強要したほどに、明らかなものだった。「共和国の大統領は何をすべきかを知っている賢明な人物である。」と彼は言った。
誰一人チアンピの即座の決定を予測しなかった。ベルルスコーニが裁判官たちから守った特権に関する法に、憲法裁判所が拒否するか認めるかの見通しを述べる予定の、9日を過ぎてのことになるだろうと思われた。あるいは、イタリアが主催する最後の欧州会議への影響を避けるため、20日まで延ばすことも考えられた。この間キリナル宮殿は密室となり、大統領がこの事項について一つとして決定を下さない状態が続いた。厳しい二者択一の選択だった。国を分裂させる疑わしい法案にサインするか、政府との憲法上の抗争の火蓋が落とされるか。もしサインしたら野党側には国民投票にかける、そして欧州裁判所に訴えるという選択が残っていた。
右派は「近代的」ということで支持し左派は「自由にとって暗黒のページ」と受け取る「ガスパリ法」は、各分野での企業の独占について以前の規制を取り払い新たな世界的な規制を作るものだ。どの企業も、地上波テレビ放送からCDの販売に至るまで含めて総合する、いわゆる情報統合システム(SIC)、の20%を超えて占有することはできない。SICの市場はおよそ3百2十億ユーロと見積もられ、約60億ユーロが限界値である。ベルルスコーニ・グループのメディアセット(Tele 5, Italia 1, Rete 4)は50億ユーロ未満を計上している。そこで、その優位な地位を合法的に保てるばかりでなく、増収の利ざやを受け取ることも可能だ。さらにこの法では、メディアセットは1月1日になる前にRete 4放送局へのコントロールを失わせる違憲判断を、巧みに避けることになる。
同様に、テレビでの宣伝のパーセンテージを維持し拡大できることになる。(ベルルスコーニは同業1位のプブリタリアを所有している。)それは首相の私有するテレビ局の収入を増大させ、新聞には打撃を与えることになる。そして新聞・雑誌とテレビの同時所有が2009年まで固定される。これによってベルルスコーニ家が新聞イル・ジオルナーレの最前線に立ち続けることになるだろう。報道の多元性は将来のデジタル・テレビに残されることになる。ただしその何百もあるチャンネルは、はっきり言って、大量情報媒体とは言えない代物だ。
RAIに関しては、この法案が2004年に民営化の最初になると予告したのだが、間接的な形で、公共放送の政府のコントロールが維持されるだろう。どんな投資家も1%を超えて資本投下できないし、政府(議会を通して)新たな理事のうち二人を指名するだろう。
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このベルルスコーニがごり押しした法案の主な内容を整理すると、
(1)メディアの寡占規制を緩和する。
(2)同一人物が新聞社とテレビ局をともに所有することを可能にする。
(3)公共放送RAIの分割民営化。(ベルルスコーニの所有になる可能性が高い。)
ということになる。イタリアでは大統領は「拒否権」は無く、差し戻されても下院・上院で通れば成立する。もちろん2004年1月に無事成立したのだが、その間、ベルルスコーニは司法制度を無視した強引な手に訴えた。つまり、12月下旬に臨時閣議を開き、テレビ権益の延命を狙う「緊急政令」を発令したのだ。彼は持ち株会社フィニベントを通じ、地上波テレビ4局のうち3局を経営しているが、実は、憲法裁判所は先に独占の恐れがあるとして民放「レーテ4」を衛星放送に転換するよう命じていたのだ。これが実現したら、同局の広告収入は年2億5000万ユーロ(約330億円)も激減する恐れがあったのである。
この法案が議会通過して以来、ベルルスコーニは毎日のようにテレビに出演して、ニュース番組に出ては選挙活動を行っている。2月には何と335分間もニュースに登場したそうである。
テレビがどれほど絶大な威力を発揮するか、は次の事実を知れば理解できるだろう。前回お知らせしたように、ベルルスコーニは1994年の選挙で首相になったと思った瞬間、汚職や不正が次々とばれて、国際的にも大恥をかいて辞任してわけだが、そんなとんでもない奴が再び首相になった裏には彼が支配するテレビの力がある。2001年の総選挙で
は、「オリーブの木」の首相候補ルテッリ前ローマ市長がニュース番組で取り上げられた総時間数が13分間に過ぎなかったのに対して、ベルルスコーニは何と147分! 首相になってからは、自分に反対の姿勢を示した国営放送RAIの主要ジャーナリスト3人を解雇したのである。
今回の「ガスパリ法」の以前にも、例えば次の新聞記事に載ったようなこともある。
●2002年3月3日付「日経」
イタリアの民放3大ネットを支配するベルルスコーニ首相はメディア支配への根強い批判をかわすための対策関連法案を提出、下院を通過した。同法案は政治家と経営者の立場の「政経分離」をうたったもの。これを踏まえて首相はセリエAの名門サッカーチーム「ACミラン」の会長職を辞任する意向を明らかにした。同法案は「首相、閣僚など政府の枢要な役職に就く者は、民間または公的企業の経営者との兼任を認めない」と規定している。だが企業の所有自体は認めるなどの「抜け穴」があるため「首相が持ち株会社を通じて民放メディアを支配する実態は変わらない」と野党が反発。2月28日の下院の採決では野党側が退席したまま圧倒的な賛成多数で可決した。首相は持ち株会社「フィニベスト」を通じて民放テレビ「メディアセット」などの株式を所有しているが、「ACミラン」を除くと役職には就いていない。このため「企業を手放す必要はなく、首相を救済する法案だ」との批判が強まっている。
それにしても、イタリアは確か近代芸術の発祥の地のはずなのだが、いくらテレビを散々に利用するとしても、イタリア人の「美的感覚」はどうなっちゃったんだろう、と思わず首をかしげてしまう。ダンテを、ダ・ビンチを、ティッチアーニを、ボッカチオを産んだ偉大な国民が、あの下品さをテレビ画面を通して発見できないのだろうか。(もっとも、アジアの東端の国の国民も、他人のことは言えた義理ではないだろう。いやその「美的感覚」は比較にならないほど低質だろう。コイズミのどこに「美」があるのか。)
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ベルルスコーニはイタリアのメディア独占では飽き足らないのか、外国のメディアにも次々とその手を伸ばしている。例えば以下の新聞情報をご覧いただこう。
●2002年3月25日付「日経」
イタリアの民放三大ネットを所有する「メディア王」のベルルスコーニ伊首相が、独キルヒの経営難を受けて欧州のメディア市場での影響拡大に動き出した。首相が所有する伊民放最大手「メディアセット」は、キルヒからスペイン民放最大手「テレシンコ」の所有株25%を段階的に買収する準備に入った。すでに40%を所有しているが、まず国内法で認められた最大限の49%まで高める。さらに伊大手銀行にもテレシンコ株を買い取らせ、事実上、過半数の経営権を手中に収める方針だ。独市場への本格参入も伺っており、伊大手紙レプブリカは「首相はイタリア、スペインに続き、欧州市場の過半数を制覇するつもりだ」と皮肉を込めて伝えている。
●2002年3月31日付:「朝日」
経営状態が悪化しているドイツのメディア最大手キルヒグループを、オーストラリアの「メディア王」ルパート・マードック氏やイタリアのベルルスコーニ首相のメディア企業などが買収する方向で、債権銀行側と最終調整に入った。報道によると、両氏のメディア企業が共同でキルヒの中核企業キルヒメディア株の過半数を取得し、経営権を握る計画という。これに対しシュレーダー独首相は独誌シュピーゲルの最新号で、他国の政治家の影響力がメディアに及ぶことを「問題がないわけではない」とけん制した。
●2003年12月25日付「日経」
イタリアの「メディア王」ベルルスコーニ首相が所有する国内テレビ最大手メディアセットは、スペイン最大の民放テレシンコの発行済み株式52%を取得し、傘下に収めたと発表した。メディアセットはスペインのメディア企業コレオから2億7600万ユーロでテレシンコ株12%を取得、持ち株比率を40%から52%に高めた。
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さて、ベルルスコーニには、「メディアの帝王」としての顔の他に、「隠れP2」そして「マフィアの世話人」としてのオドロオドロしい姿も持っている。2つの資料に目を通していただきたい。
一つ目は、麻薬対策に取り組むアメリカの団体のサイトThe world geopolitics of drugsの1995/1996年の記録の、イタリア・マフィアについての記事の一部である。(原文は英語)
二つ目はやはりアメリカの「ニューワールドオーダー」から「ネオナチ」と題された文章の一部である。(原文は英語)これは、いわゆる「陰謀論」に属するものかもしれないが、いずれにしてもイタリアやスペインなどのヨーロッパ諸国には、実際に、得体の知れない陰謀組織がウヨウヨしているのだ。「陰謀論」として撥ね付ける前に、そこに描かれている様々な「事実」をまずしっかり捉えてみて、何なら自ら調べてみて、それから検討するのが、正しい姿勢だろう。
この二つの資料にはベルルスコーニ自身は少ししか登場しないが、彼が活躍する場、イタリアという国の土壌がどのようなものなのか、しっかりと分かっておく必要があると思う。
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イタリア:The world geopolitics of drugs (1995/6)(一部)
[政治家が浮き足立っているうちにマフィア集団が再結集した]
キリスト教民主党の政治の舞台から退却し、アンドレオッティ前首相がマフィアを法律からかばうことができなくなって両者の伝統的な関係が弱体化したために、組織暴力団は政治的な新しい関係を探さざるを得なくなった。マフィアに支えられたシチリア独立党の立ち上げとカラブリアでの分離同盟への資金投入に失敗した後、暴力集団は、メディア王のシルビオ・ベルルスコーニの党、フォルツァ・イタリア(FI)および以前のネオファシスト党である国民同盟と、地域的な合意に達することとなった。このことは少なくともパレルモの裁判官には信じられていることである。その裁判官は、元社会主義者でベルルスコーニの仲間に加わった弁護士、フランチェスコ・ムソットの逮捕を命じた後で、マフィアとの共謀容疑で、議会のFIのメンバーであり、イタリア市場の50%を握るベルルスコーニ・グループの広告代理店プブリタリアの総帥でもあるマルチェロ・デルウトゥリに対して、法的な手段を行使したのだ。
キリスト教民主党左派から緑の党、左派民主党の元共産主義者にまたがり、Refondazione Communisteの正統派共産主義者の閣外協力を得た中道左派政権の誕生は、もしそれがあまり噛み合っていなかったとしたら、組織犯罪を恐れていたのかもしれない。すでに、1970年代にカラブリアで最も勢力を誇ったマフィア一家ピロマルリの弁護士が選挙で中道左派の公認候補であったような、「リサイクリング」の事件が起きている。しかしマフィアは政府の主要な懸案からはかけ離れていた。元共産主義のRDSは、憲法の幅広い改革に拘泥し信頼の置けるイメージ作りに血道を上げており、ベルルスコーニとの同盟を何とかして探ろうとして、「歴史的約束(1976年の少数派キリスト教民主党と共同の)」の逆転に囚われているように見える。1970年代の極右の「緊張の戦略」に関連した爆破殺人事件の主な取り調べは、調査官による綿密な調査に基づいた機関であるNATOを困惑させることを恐れた政治家たちによって、省みられなくなってしまった。犯罪組織との対決の本部、特別作戦部局(ROS)の対マフィア部は、ギリギリまで縮小され、そして1997年には全面的に解散させられると予想される。「ボスのボス」ティト・リイナを逮捕した反マフィア総責任者キャプテン・ウルティモは、政府がギャングどもと戦う意志の無いことに対して、カラビニエリの犬の訓練係に移動させるように求めることで、抗議の意思を示した。
法曹部門でも特に組織犯罪に対決する姿勢が弱まっている。オッタビアノ・デル・トゥルコのマフィアへの議会の捜査委員会のヘッドに、その資格を強く疑われる元社会主義者UILのリーダーを推薦したのは、悪い前兆である。同様に、マフィアとの「閣外共闘」の疑いを無くすようにというPDSの希望は議会を動かしていない。
この法的な条項は、ベルルスコーニの右腕であるマルチェロ・デルウトゥリのような外見上有力な市民に対しては、訴訟を起こすために利用された。特に1996年4月に10年の刑が言い渡された元のパレルモの逆スパイ活動の責任者ブルーノ・コントラーダに対してはそうである。同様の罰は、1996年3月23日に3.5年の刑を受けた元社会主義者リーダーのジアコモ・マンチーニに対してももたらされた。
[政治家とマネーロンダリングに対する捜査]
最も関心を呼んだのは、終身上院議員で7期も首相を務めたキリスト教民主党リーダーのジウリオ・アンドレオッティに関してである。パレルモでは彼はマフィアとの関係の罪に問われたし、ペルージャでは彼は買収された探訪記者ミモ・ペコレルリの殺害を命じたかどで告発されている。元ニューヨーク検察官ディック・マーチンは最近、「裏切り者のプリンス」トマソ・ブスチェタが1985年にアンドレオッティをマフィアに結びつけたと断言した。アンドレオッティは、自分はアメリカ人たちの謀略の被害者であるという姿勢を崩していないし、彼の弁護士団は、彼の主要な告発者であるブスチェッタが1969年にCIAによってリクルートされていたことを証明するDEA文書で重要な約を果たしている。生臭い空気が二つの裁判を包んでいる。ペルージャの裁判では、アンドレオッティと、メーソン・ロッジP2と、マフィア及びイタリア諜報機関の両方のために働く「マグリアナ・ギャング」との相互関係についての論戦が行われた。パレルモの法廷では、カルロ・アルベルト・ダラ・チエサ将軍に関する長い証言が行われた。チエサは、元キリスト教民主党党首のアルド・モロが1978年に極左テロリスト「赤い旅団」に誘拐されている間に書いた、アンドレオッティの告発の出版を阻止しようとして殺されたのだ。またもう一つの主要な裁判、1992年にパレルモ付近で判事ジョバンニ・ファルコネと彼の妻、および5名のボディーガードが殺害された件に関するものが、現在進行している。判事の車を爆破した5名のマフィアの襲撃班のメンバーが証言をひっくり返した後、検察官は彼の事件に関して350名の証人の検証を行わなくて済む確信を得た。
また二つの大きなマネーロンダリング組織に関する捜査もある。その最初の捜査は、「Phoney Money」として知られており、アオスタの副検察官ダビッド・モンティに率いられたものだが、4月の26日に18名が、銀行家と諜報員の助けを得て国際金融市場で何千万ドルもの資金を「リサイクル」していた罪で、逮捕されたというものである。彼らの中には、ウンベルト・ボッシの北部同盟【ベルルスコーニ政権の連立与党:訳注】の金策会社ポンティダフィムの前相談役であるジアンマリオ・フェラモンティと、ビル・クリントン大統領と友人であることを鼻にかけるイタリアン・アメリカン・ファイナンシャーのエンソ・ディ・チアラがいる。ダビッド・モンティは、イタリアの様々な機関に影響を与えている新たなP2ロッジの存在を訴えた後、この件の捜査から取り除かれた。ナポリ付近のトルレ・アヌンシアタで副検察官たちによって行われた詳しい検証もまた関心を呼んでいる。マネー・ロンダリングを覗き込むと同様に、捜査官たちは武器と核物質の密輸の証拠も暴露した。少量の核分裂物質がカンパニアの銀行の地下室から発見されたのだ。
その取引には、ロシアの極右政治家ウラジミール・ジリノフスキーやバルセロナの大司教リカール・マリア・カルラス【オプス・デイ、次期教皇の有力候補の一人:訳注】(彼はバチカン銀行IORの5億リラのロンダリングの引受人である)、また武器証人ニコラス・オマーンとソマリアの実業家が関与している、と言われている。
http://www.ogd.org/rapport/gb/RP08_7_ITALIE.html
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どうだろうか。魑魅魍魎というか、百鬼夜行というか、イタリアとかスペインといった南ヨーロッパは、何が出てもおかしくないとんでもない土壌を持っているのだ。政治的な「右」とか「左」とか「民主主義」などといったものは何の関係も無い。いずれにしてもどっぷりと「暗黒の泥」の中に下半身をうずめているのである。この点が分からないと、こういった国の姿は見えてこないのだ。ちょっと面白いのは「新たなP2」という部分で、1982年にP2事件が不覚にも発覚した後、新たに組織編成が成されたのであろうか。
次の資料では、いわゆる「P2事件」そのものの説明はしていないが、P2の組織についての説明を詳しく行っている。
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New World Order : Neo-Nazis(一部)
教皇ヨハネ・パウロ1世がP2のメンバー、およびバチカン銀行を通したマフィアのマネー・ロンダリングに関わる者たちをバチカンから追放するように求めたことは、広く知られている。彼は同時にバチカンの権力構造のスタッフの総入れ替えを計画していた。次の夜に、彼は入れ替えメンバーのリストが体の上に散らされた姿で死体で発見された。そして検死すらされずにすぐに埋葬された。これらのリストは保存され、その多くはさらに責任と権力のあるポジションに昇進させられた。その中にはバチカンの投資を引き受け、疑いを持ったイタリア警察からバチカンの壁に隠れて身を守ったシカゴの司教ポール・マーチンクスもいる。
これらの犯罪者たちと経済陰謀家たちは、疑いも無く、教皇の死に絡んだ複数の秘密組織の重要人物たちである。たぶんこの異論を唱える教皇の打ち出した最大の脅威は、彼の発言の力だろう。彼の短い統治の間、教皇ヨハネ・パウロ1世は「神はあなた方の父であるだけでなく母でもある」と語った。彼は「秘密教会」グノーシス派の神の二面性を示す古い言葉を引用することを選んだのだ。彼の急な死は同時に、ポルトガルで子供たちの前に現れた「聖母マリア」のメッセージをバチカン・プレスが興奮気味に伝えたときにやってきた。「大いなる警告」が世界にやって来た。それは「一部の者には良く、他の者には悪い」。AIDS問題が表面化する5年前に、恐らくヨハネ・パウロ1世はこの警告の本当の意味に気が付いていただろうが、これが本当の情報源なのか。
(中略)
「P2」は、ヒトラーの「SS」と同様に、国際的なネオナチ運動のエリート組織である。しかしヒトラーと彼の内部オカルト集団と同じように、P2はもっとパワフルなヒエラルキー・エリートの下部機関である。英国の権威ある新聞「ザ・ガーディアン」はP2の姿をピラミッドの下のピラミッドと書き表している。そのグランド・マスターは、P2ピラミッドの頂点なのだが、支配的な権力構造の下部に過ぎない。以前のP2メンバーであるミーノ・ペコレリによって明らかにされたところによると、この組織(P2)はマルタ騎士団とCIAの中にいるその同盟者によってコントロールされている。この暴露の後でペコレリは、彼以前にしゃべった多くの人と同様に、死体で発見された。そのすぐ後で、バチカンの資金を握り不正融資の罪に問われたP2のロベルト・カルビは、ロンドンのブラックファイアー橋の下での首吊り死体となった。恐らく同様に、国際フリーメーソンリーとその封建的なオカルト陰謀組織の秘密を守るために殺されたと思われる。
P2の元グランドマスターであるロシオ・ジェルリが同時にマルタの騎士であり、このネオ・ファシストのメーソン・ロッジのジェルリに近い内部組織の多くも同様であることは、よく知られている。このロッジは世界中、とりわけヨーロッパと南米に、会員と付属のロッジを持っている。そしてP2は元から神秘的なシオン修道会に高いレベルでつながっている。その「私は竜でありなおかつカトリックである」秘密団体は「竜と聖杯」の遺産を守ること、そして全力で神聖ローマ帝国を再建し拡大することを誓っているのだ。
「聖なる血、聖なる杯」の著者によると、シオン修道会のグランド・マスターに指名されたわずか2日後に、セント・クライルのピエール・プランタールはP2のグランド・マスターであるロシオ・ジェルリに会っている。1981年にイタリアの捜査当局がジェルリのローマの屋敷に踏み込んだのに続いて、秘密の組織につながるメンバーをリストにした、その中に「結社中の結社」にリクルート予定のメンバーも含まれる、ファイルが発見された。またその中には、ローマカトリックのファシスト思想の半カルト集団オプス・デイも含まれていた。これは世界中に数万ものメンバーを持ち、土地と産業に巨額の資金を所有している。彼らが1999年に新しくニューヨークに建設したアメリカ本部には4千2百万ドル以上もの費用をかけた。そして同様に、擬似貴族的な血統と秘伝のもう一つの親メーソン組織、テンプル騎士団のメンバーのリストも発見された。言うまでも無く、国際的なネオ・ナチ運動の膨大な網が、申し分ない「資格証明書」を持っているのだ。
現在ジェルリは詐欺の罪で服役中である一方、ロベルト・カルビの未亡人は、元首相でありオプス・デイのメンバーであるジウリオ・アンドレオッティを、P2の真の頭目であるとして告発した。アンドレオッティがシオン修道会のメンバーであると断言されることは、驚くべきことではない。
イタリアの現在の首相であり、実際にイタリアの映画、TV、ラジオの90%をそのメディア帝国を通してコントロールするシルビオ・ベルルスコーニは、P2の元メンバーであることは有名である。そして彼の政治と経済の世界での成功はP2の直接的なサポートによるものであることは、多くの活字になっている。ベルルスコーニの2003年のEU議長としての在任期間は、恐らくは「隠れたドラゴン・エンパイア」がヨーロッパを再度しっかりと掴むことを許したかもしれない。
http://www.geocities.com/newworldorder_themovie/neonazis.html
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さてさて、どこまで本気にしてよいものやら。P2がフリーメーソンリーの下部組織であることは、世界中のマスコミに幅広く報道されたことであり、裁判でも十分に出てきた話で、別に「陰謀論者」でなくても認めることだろう。それにしても、P2事件、つまりアンブロシアーニ銀行の破産とその総裁ロベルト・カルビなどの謎の死、様々な不正融資と詐欺の陰に、シオン修道会、マルタ騎士団、テンプル騎士団、そしてオプス・デイといった、おどろおどろしいわけのわからぬ秘密組織がウヨウヨとうごめいているようである。
またマルタ騎士団、オプス・デイとCIAのつながりは、他の多くの資料が指摘するところでもあるし、この裏には莫大なマフィア資金の洗浄があり、バチカン内部の人間がそれに絡んでいることは明白である。(例えば一つ前の資料に出てきたバルセロナの大司教リカール・マリア・カルラス。)さらに、P2事件の直接のきっかけとなったアンブロシアーニ銀行の破産は、当時(70年代後半から80年代初期)にかけてCIAが行った、エルサルバドル、ニカラグアなどの左翼勢力つぶし、親米政権作りの画策に、資金を無計画に投入したのが原因である、という指摘もある。
こういったイタリア半島の土壌の中から、シルビオ・ベルルスコーニの「表の世界」での成功と躍進が生まれてくるのである。直接のP2人脈・金脈と同時に、彼の党フォルツァ・イタリアにはオプス・デイの姿が見え隠れする。顔ばかりが明るく照らし出されるベルルスコーニの両足は、魑魅魍魎が跋扈する暗闇の中に、どっぷりと使っているのだ。
次回はベルルスコーニとその周辺にネッチャリとまとわりつく、もう一つの暗黒の権力集団、ユダヤ=シオニストの影を追ってみることにしよう。
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http://www.asyura2.com/0403/bd34/msg/969.html
日時 2004 年 4 月 14 日 09:54:08
ベルルスコーニを罵倒する(シリーズ、その1)