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1 2004.04.09
エール大秘密クラブ ブッシュ、ケリー両氏も会員 米牛耳るエリート集団
東京朝刊 特8
08頁 1609字 04段 写真
◆スカル&ボーンズ
米アイビーリーグの名門、エール大学。その中でも別格の特権階級とされる秘密クラブ「スカル・アンド・ボーンズ」が脚光を浴びている。十一月の大統領選で一騎打ちする現職ブッシュ大統領(共和党)、ジョン・ケリー候補(民主党)の両者がともに「ボーンズマン」と呼ばれる同クラブ会員だからだ。大統領選での会員対決は初めてだが、同クラブが米国の権力中枢で存在感を強めていることは疑いないという。(米東部コネティカット州ニューヘブンで、勝田 誠、写真も)
十八世紀初頭に創設されたエール大。広大なキャンパスに英国風の美しい校舎が並ぶ中、突然、秘密のベールに包まれた一角が現れる。窓が一切なく内部がうかがえないため「トゥー厶(墓陵)」と呼ばれる建物で、これが「スカル・アンド・ボーンズ」(「どくろ」の意味)の本拠地だ。
エール大の別の秘密クラブ出身者で、内幕本「トゥー厶の秘密」を執筆した女性ジャーナリスト、アレクサンドラ・ロビンスさんは「ボーンズマンらは、どちらに転んでも構わない、と余裕を持って今回の大統領選を見守っている」と話す。
会員は取材を受けない徹底した秘密主義を貫くが、この世界をひそかに調べてきたロビンスさんによると、同クラブは一八三二年、後にコネティカット州の大地主となったウィリアム・ラッセルが、南ドイツの大学で同様のクラブを見て感化され、帰国して創立した。そのためクラブ内の至るところにドイツの名残があるという。
「クラブの選考基準は二つ。学生新聞の編集長やフットボールのキャプテンなど各分野のリーダー格か、家柄(ファミリー・コネクション)のどちらかだ」
こう話すガディス・スミス同大名誉教授(歴史学)によると、同クラブは四年生を対象とし、入会するのは毎年十五人だけだ。
会員は計約三千人で、うち約八百人が存命。ブッシュ現大統領と父親のブッシュ元大統領のほか、タフト第二十七代大統領や、ロックフェラー家の関係者などがボーンズマン。WASP(キリスト教プロテスタントのアングロサクソン系白人)の総本山だったが、最近ではアフリカ系やアジア系の会員もいるという。
入会の儀式で、新入会員は自身が会員であることを明かさないよう宣誓し、棺おけの上に裸で横たわり、自慰行為を行った後、「それまでの性体験や近親者への憎しみなどを包み隠さず話し、他のメンバーは耳を傾けた後、講評する」(スミス教授)という。
このように毎週二回、木曜と日曜の晩に開かれる集会は、このような「性体験の吐露」(同)などを通し、独特の連帯感を生むことに充てられるようだ。ただ、最近では、中世的な色彩はかなり薄れてきたと指摘する関係者もいる。
卒業生の寄付もあり、資金的にも潤沢で、卒業時には1万5000ドルのお祝いが贈られるが、会員がクラブの真価を知るのはその後だ。
オンタリオ湖畔にあるリゾート島でのパーティー。会員とのデートに夢中な美女の群れだけではない。「いざという時に、合言葉さえ言えば卒業年次の異なる会員もすぐに打ち解ける」(同)ため、権力のドアが次々に開かれるというのだ。
興味深いのは、「ボーンズには特定のイデオロギーや政治目的はない。とにかく権力の座に駆け上り、成功したら仲間をやはり名誉あるポストに就けるという目的だけがある」(ロビンスさん)という指摘だ。メンバーの元外交官はクラブのことは「国家機密より重要だった」と述懐する。
ブッシュ現大統領は一九六八年、ケリー氏は六六年に入会した。ブッシュ家は祖父の代からの会員。ケリー氏は、ボーンズにコネは無かったが、名家出身というだけでなく、政治に関する学生クラブの会長を務め、「すでにキャンパスの重要人物だったので文句なく選ばれた」(同教授)そうだ。
写真=19世紀終わりから本部に飾られている「スカル・アンド・ボーンズ」のマスコット(エール大図書館提供)
写真=「クラブ」に詳しいガディス・スミス名誉教授