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(回答先: S・Aプリェートニェヴァ著 『ハザール 謎の帝国』(新潮社) 訳者まえがき 投稿者 ジオン兵士 日時 2004 年 6 月 24 日 00:14:17)
ハンガリーの歴史学者アンタル・バルタ博士は、著書『8〜9世紀のマジャール社会』でハザール人に数章をあてている。8〜9世紀のほとんどの期間、マジャール人(ハンガリー人の祖)はハザール人に支配されていたからである。しかし、ユダヤ教への改宗には一節をあてているのみで、しかも困惑もあらわである。
「我々の探求は思想の歴史に関する問題には立ち入れないが、ハザール王国の国家宗教の問題には読者の注意を喚起しなければならない。社会の支配階級の公式宗教となったのはユダヤ教であった。いうまでもなく人種的にユダヤ人でない民族がユダヤ教を国家宗教として受け入れることは、興味ある考察の対象となりうる。しかし、我々は次のような所見を述べるにとどめたい。
この公式のユダヤ教への改宗は、ビザンチン帝国によるキリスト教伝道活動や東からのイスラム教の影響およびこれら二大勢力の政治的圧力をはねつけて行なわれた。しかも、その宗教はいかなる政治勢力の支持もなく、むしろほとんどすべての勢力から迫害されてきたというのだから、ハザール人に関心を持つ歴史学者すべてにとって驚きである。これは偶然の選択ではなく、むしろ王国が推し進めた独立独歩政策のあらわれと見なすべきである。」