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原子で量子テレポーテーション実現 欧米の2チーム
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微細な粒子の状態をそっくり別の場所に転送する「量子テレポーテーション」で、原子の状態を転送することに欧米の2グループが初めて成功した。光や電子などが粒子と波の両方の性質を持つ点を利用する量子技術の進展にも道を開く成果。英科学誌ネイチャー17日号で発表する。
オーストリア・インスブルック大などのグループがカルシウム原子で、米国立標準技術研究所のグループがベリリウム原子を使って成功した。
量子テレポーテーションでは、「量子もつれ」という原理で絡み合った2個の粒子を利用。このうちの1個に、第3の粒子を特殊な操作でかかわらせると、第3の粒子の状態が量子もつれにあった残りの粒子へ瞬時に移る。この量子テレポーテーションは93年に米国などの研究者によって提案され、光の粒子で実証したとの報告がある。
両グループは独自の工夫を重ね、わずかな距離ながら原子の状態を約75%の正確さで別の場所へそっくり移すことに成功したという。
今回は、物質を構成する大きな粒子である原子で実現させた点に意義がある。この分野の第一人者であるジェフリー・キンブル米カリフォルニア工科大教授は、同誌上で「両グループの技術は量子コンピューターの探究において重要なものとなる」と論評している。 (06/17 06:56)
http://www.asahi.com/science/update/0617/001.html