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絶滅の淵に立つスマトラトラ(TRAFFIC EAST ASIA-JAPAN)
http://www.asyura2.com/0403/bd34/msg/610.html
投稿者 シジミ 日時 2004 年 3 月 25 日 22:27:23:eWn45SEFYZ1R.
 

(回答先: スマトラトラ、絶滅の危機 密猟深刻、日本に密輸も(共同通信) 投稿者 シジミ 日時 2004 年 3 月 25 日 22:23:06)

http://www.trafficj.org/press/20040316n.htm

報道発表 2004年3月16日

【スイス・グラン発】 WWF(世界自然保護基金)とトラフィック * 1 は、インドネシアに生息するスマトラトラが、違法取引の広がりと、生息地の激減によって絶滅に向かっていると発表した。

 トラフィックが発行した最新のレポート『 Nowhere to Hide: The Trade in Sumatran Tigers 』は、 1998 〜 2002 年までの間に、少なくとも毎年 50 頭のスマトラトラが密猟されていることを明らかにした。野生のスマトラトラの個体数は、約 400 〜 500 頭と推定されている。

こうしたトラの密猟は、プロかそれに準ずるハンターによって行われている。その背景には、インドネシア国内でトラの毛皮や、装飾品・魔よけ・土産物として利用される爪や歯などを扱う市場の存在がある。スマトラでは、トラ製品は業者から簡単に手に入る。また、多くの場合、オープンに展示され売られている。トラフィックでは、調査した 24 カ所の町のうち 17 カ所、 453 店舗のうち 20 %でトラ製品を発見した。レポートは、アジアの別の地域で売られている違法に国際取引されたトラ製品の存在についても明らかにしている。

 トラフィックの事務局長であるスティーブン・ブロードは、次のように述べている。「スマトラトラを救う唯一の方法は、規制の強化と改善です。その第一ステップとして、特にスマトラ北部にある、取引の中枢であり小売りの販路となっている市場に対して対策を取るべきです。また、密猟対策に高い専門性を持つ組織が早急に作られることも必要です。」

 生息地の消失もまた、スマトラトラにとって大きな脅威である。WWFは、アジアの二大製紙会社である APP(Asia Pulp & Paper Company Ltd.) と APRIL(Asia Pacific Resources International Holdings Ltd.) によって行なわれているスマトラ島低地林の伐採を一時停止するよう求めている *2 。スマトラトラの主要な生息地である低地林の伐採は、トラが集落に出没する結果を招いている。

 WWFの国際野生生物保護プログラムの代表を務めるスー・リーバーマン博士は「世界中で、トラの密猟や生息地の消失、そして近隣住民との軋轢が起きています。スマトラトラは今、絶滅の淵に立っているといえるでしょう。個体数がある程度以上に減ると、個体群そのものが存続できなくなる可能性が出てきます。現在の密猟は、個体群全体の存続を脅かすものです」と述べている。

 インドネシアによるスマトラトラの違法取引への取り組みは、今週、スイスのジュネーブで開かれるワシントン条約の常設委員会で審査されることとなる。WWFとトラフィックは、インドネシア政府に対して、スマトラトラの密猟防止策を強化し、国際および国内の違法取引を厳重に取り締まるよう求めている。

* 1  トラフィック( TRAFFIC )ネットワークは、野生生物の取引をモニターする世界最大の民間機関で、 WWF と IUCN (国際自然保護連合)の共同プログラムである

* 2  APP よび APRIL の紙製品は、日本国内でも販売されている。特に、日本に輸入されるコピー用紙のうち約8割はインドネシアからのものであり、その約8〜9割が APP 製品という。

WWF は、 APP と APRIL に対し、数年に渡って、持続可能な木材供給計画と違法行為の是正を求めてきた。昨年8月には、 APP およびその親会社であるシナル・マス・グループと、持続可能な森林の利用に向けた同意書を交わし、 APP は保護価値の高い森林の保護やアクションプランの策定などを約束した。しかし、 2004 年 2 月 19 日の期限に APP がWWFに提出したアクションプランは“自然林の保護には不十分”なものであった(参照→ http://www.wwf.or.jp/lib/press/p2003/p04022002.htm )。それは、 APP とシナル・マス・グループが関与する森林において、自然林の皆伐・アカシアの植林を実施する前に、その環境・文化・社会的保護価値について適切な分析・評価を行っておらず、また、適切な評価およびその間の一時伐採停止とその結果に基づくアクションプランの改善を WWF が求めたのに対し、それらを拒んでいるためである。

WWF は現在も、日本・アメリカ・ヨーロッパの APP の顧客企業と協力して、 APP が保護価値の高い森林の分析・評価の実施とその間の一時伐採停止に同意するよう求めている。同時に、これら企業が責任ある調達方針を採用するよう望んでいる。

*レポート本文(英文) " Nowhere to Hide: The Trade in Sumatran Tigers " は、下記よりダウンロードできます

www.traffic.org/sumatrantigers  もしくは  www.panda.org


◆この件に関するお問い合せ先

Maija Sirola Traffic Communications Co-ordinator

Tel.+44 1223-277427, maija.sirola@trafficint.org

Chris Shepherd Regional Programme Officer for TRAFFIC Southeast Asia (in Malaysia) and

co-auther of the report

Tel.+603 78803940, cstsea@po.jaring.my

石原明子      トラフィックイーストアジアジャパン  Tel.03-3769-1716

佐久間浩子    WWF ジャパン 広報担当  Tel.03-3769-1713

*写真をご入用の際は、広報担当・佐久間までご一報ください。

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