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アゴ弱り脳膨らむ、遺伝子レベルで裏付け…米チーム【読売新聞】
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投稿者 エイドリアン 日時 2004 年 3 月 25 日 11:57:52:SoCnfA7pPD5s2
 

 人類の脳が大きくなった原因につながる遺伝子を、米ペンシルベニア大などの研究チームが突き止め、25日付の英科学誌「ネイチャー」に発表する。この遺伝子は本来、類人猿の強じんなアゴの筋肉を作る働きがあったが、人類では偶然、約240万年前に機能を喪失。このため、アゴの筋肉で縛りつけられていた頭の骨が自由になり、脳が大型化するのを可能にしたらしい。

 人類は、約250万―200万年前に猿人から原人へ進化し、脳は大きさが猿人の2倍程度になったとされる。今回の遺伝子が機能を失ったのは約240万年前と推定され、原人への進化時期と一致する。

 これまでの化石研究などから、頭の骨が膨らんだのは、頭頂部に近い所から続いていた猿人のアゴの筋肉が弱くなり、解放されたためではないかと考えられていたが、この進化過程を遺伝子レベルで裏付ける証拠が見つかったのは初めて。

 チンパンジーやゴリラは今も、この遺伝子が働いていて、アゴの筋肉が頭部を広く覆っている。人類は原人に進化した段階で、硬い木の実に加え、軟らかい肉なども食べるようになり、アゴの筋肉の退化も不利にならなかったようだ。

 斎藤成也・国立遺伝学研究所教授の話「化石で見られる頭骨の形の変化を、遺伝子レベルで突き止めた成果で興味深い。遺伝子から人類進化を明かす研究はますます活発化するはずだ」

 ◆人類の脳の進化=約700万―600万年前に誕生した猿人の脳容量は350―500cc程度だったが、現生人類では約1400ccにまで大きくなった。脳の大きさを制限していたアゴの筋肉の減少に加え、二足歩行で自由になった両手を使うことで、脳の発達が促されたとする説もある。
[3月25日10時27分更新]

アゴ弱り脳膨らむ、遺伝子レベルで裏付け…米チーム


目に見える面白い成果 【共同通信】

 国立遺伝学研究所の斎藤成也教授(分子進化学)の話 人類進化の研究で、酵素や免疫など目に見えない機能の遺伝子の変化ではなく、筋肉という目で見える形態の変化を示す遺伝子をとらえたのは初めてで、面白い成果。筋肉の変化は化石と直接比べることができ、説得力がある。ある遺伝子が死んでしまったことが、進化に大きな役割を果たしているという点も面白い。240万年前という時期については、年代を絞るのは難しく、もっと幅があるだろう。
[3月25日3時18分更新]

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