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音響で敵を撃退 イラク駐留米軍に配備の新兵器
http://cnn.co.jp/fringe/CNN200403070003.html
2004.03.07 Web posted at: 12:40 JST
- AP
ニューヨーク(AP) 危険にさらされた部隊を守るのは、耳をつんざく大音響――。イラク駐留米軍に近く、最新技術を駆使した防御兵器が配備される。
「長距離音響装置(LRAD)」と名付けられたこの兵器は、直径約80センチ、重さ約20キロの円盤型。強い指向性のある音を発するため、数百メートル離れた相手を「狙い撃ち」することができる。最初は言葉で警告を与え、相手が応じない場合は高周波の大きな音で「攻撃」する。
開発企業のアメリカン・テクノロジー(本社・カリフォルニア州サンディエゴ)によれば、この音の高さは煙探知機に似ているものの、音量が違う。煙探知機の80−90デシベルに対し、約150デシベルにも達するという。一方で操作担当者など、装置の周辺にいる者にはまったく影響を及ぼさないのが特徴だ。
LRADは、米軍が強い関心を持つ「非致死性兵器(人を殺害しない兵器)」の1つとされる。一部の軍艦には昨年から、敵対勢力の小型船を撃退する目的で装備されていた。海兵隊はこのほど、イラク駐留部隊に配備するため、アメリカン・テクノロジーとの間で110万ドルの契約を完了。陸軍も近く、イラクで軍用車両などに試験的に取り付ける方針だ。武装勢力と民間人が入り混じった状況などで、相手を傷付けずに敵対行動を抑止することを目指す。
ただ専門家からは、「これだけ高周波、大音量の音を聞かせると、相手の聴力を損なう可能性がある」と懸念する声も上がっている。バッファロー大学聴覚センターのサルヴィ所長は、「聞く時間が長くなるとそれだけ危険だ」と指摘する。これに対しアメリカン・テクノロジーは、「想定しているのは1度に数秒間という使い方。長時間続けなければ心配ない」と説明している。