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H2Aロケット6号機の打ち上げ失敗の原因について、宇宙開発委員会調査部会(松尾弘毅部会長)は8日、「宇宙航空研究開発機構による大型固体補助ロケット(SRB)のノズル(噴射口)の設計が、十分に配慮されたものではなかった」との見解をまとめた。開発段階で同様のノズルの損傷があったのに万全の対策が講じられず、結果として打ち上げ失敗につながったとし、宇宙機構の姿勢を厳しく批判している。これを受け宇宙機構はノズルの設計変更に取りかかる方針で、打ち上げ再開は早くても年末か、年明けになりそうだ。
見解は、打ち上げ失敗のきっかけとなったノズルの破損について、ノズル内側の断熱材が高温の燃焼ガスにさらされることで、開発時の想定を超えて薄くなり最後は穴があき、SRBを分離する爆薬の導火線が断線した――と結論づけた。事故後の解析では、約5ミリ四方の穴が開いただけで導火線が200度を超す高温にさらされ、機能を失うことが確認されたという。
熱による侵食やガス反応といった化学的腐食など、いくつかの要因が重なって断熱材が薄くなることは、99年から翌年にかけて実施されたSRBの燃焼試験で明らかになっていた。宇宙機構は当時、断熱材の材料と設計を変更し、板厚を増すことで対応できると判断した。実際にH2Aロケット5号機までSRBに異常は起きなかった。
なぜ6号機の片側のSRBだけでトラブルが起きたかについて、調査部会は「ノズルの設計に潜在していた問題が、6号機の片側のSRBで初めて顕在化した」と指摘するにとどまった。落下したSRBが回収されていない現段階では、原因究明に限界があることも示した。また、「今回の事故原因を予見できなかったのはやむを得ない」として、当時の設計、開発関係者の立場に配慮した。
見解は、当初は宇宙開発委の報告書となる予定だった。しかし、この日午前9時半から始まった調査部会の冒頭、宇宙開発委員会の井口雅一委員長は「原因究明には慎重を期したい」と発言。正式な報告書のとりまとめは今月末にも本格化する海底からのSRB回収作業を待つことになった。
井口委員長は99年のH2ロケット8号機の打ち上げ失敗の原因究明作業の過程で、海底に沈んだ1段目エンジンを回収して分析したところ、当初の推定と異なる故障原因が明らかになった事例をあげ、「今回もノズルが回収できるまで、報告書としてのとりまとめはしないでいただきたい」と述べた。
文部科学省は「打ち上げ再開には宇宙機構の組織体制や意思決定システムの改革が必要」としており、今後宇宙機構は、ロケット、衛星全般について問題点の洗い出し作業を行う。
「asahi.com」2004年3月8日
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