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3月7日(日)
昨日、人民大会堂で記者会見した中国の李外相は、小泉首相の靖国神社参拝について、「中国とアジアの戦争被害を受けた国の感情を傷つける。決して受け入れられない」と、改めて反対の姿勢を示したそうです。
その1日前、韓国の藩外交通商相は、訪問先のワシントンでの講演で、「一部の日本人、日本の政治家による歴史問題に対する発言には非常に失望させられる。そうした無責任な発言は不幸で無益だ」と発言し、靖国神社参拝などをめぐる政治家の発言に憂慮を示したといいます。
日本では、ヒトラー、ムソリーニと並び称された天皇は戦後も存続し、国旗も国歌もそのままでした。ドイツでいえば、ヒトラーもハーケンクロイツも『世界に冠たるドイツ』も、そのままの形で残っているようなものです。
この異常さは、我々日本人にはほとんど自覚されていません。しかし、侵略戦争で国土を奪われ、植民地として塗炭の苦しみを嘗めさせられた周辺諸国からすれば、そのような異様な姿が戦後も変わらずに残ったと見えたことでしょう。
3月4日のHPで、私はこのように指摘しました。中国と韓国の大臣の発言は、この私の指摘を裏付けるものだと言えるかもしれません。
戦後、形が変わったとはいえ天皇「ヒロヒト」は残り、ハーケンクロイツと並んで飾られていた日の丸はそのまま使われてきました。『世界に冠たるドイツ』の1番が歌われなくなったドイツとは違って、日本では、戦後も戦前と同じ歌詞の「君が代」が歌われ続けています。
しかもそれは通達によって強制され、「まずいのではないか」と考えて従わなければ、業務命令違反だということで処分されます。これは一体どうしたことかと、中国や韓国の人々が憂慮するのは当然でしょう。
しかも、今の小泉政権の中枢である与党の幹事長は、中国や韓国に戦争を仕掛けた東条内閣の閣僚・岸信介の孫です。ドイツでいえば、ナチス政権の閣僚の孫が政権与党の幹事長にいるということになります。
さらに、小泉首相が参拝している靖国神社には、その東条英機らA級戦犯が合祀されています。ドイツで言えば、ゲッペルスやリッベントロップが祀られているようなものです。
そこに現職首相が平然と参拝し、頭を垂れています。中国や韓国の人々から見れば、これほど異常で、許し難い行為はないでしょう。
戦後の出発に当たって、日本は過去の侵略戦争の過ちを反省しました。その最大の証拠が平和憲法の採択でした。平和・民主国家としての「国のかたち」を守り続けようとしていれば、このような反省の気持ちへの疑惑は生じなかったでしょう。
しかし、今の政権与党は、この憲法を変えようとしています。野党の民主党でさえ、それに同調しようとしています。
しかも、憲法の条文からすればあり得ないはずの軍があり、それはすでに世界第2位の軍事費を持ち、イラク占領軍の一部として海外に派兵されています。
そればかりではありません。周辺事態法や武力攻撃事態法、戦争に国民を動員するための「国民保護」法制の準備も進むなど、戦争ができるような法体系が着々と整備されてきています。
このような法制のなかった戦後60年間、日本は外敵の侵略を受けることはありませんでした。以前よりも緊張緩和が進み、着上陸侵攻の可能性が低下していると思われるこのとき、なぜ、このようなかたちで戦争への準備を急ぐのでしょうか。
そのうえ、自民党内では防衛庁を「防衛省」に昇格させようという動きが強まり、4日には、自民党国防部会で防衛庁設置法案が了承されました。周辺諸国が訝しく思い、警戒心を強めるのも当然でしょう。
このようななか、平沼赳夫衆院議員はトンデモナイ論文を自民党機関誌『自由民主』3月号に執筆しています。「現行憲法を失効して、その無効を確認した上で、旧帝国憲法に復元したのち、正当なる法の手続きに従って改正すべき」だというのです。
平沼議員の養父は戦前の内閣総理大臣で枢密院議長平沼騏一郎です。これもまた、ドイツでいえばナチスの末裔が現行基本法にケチを付ける論文を与党の機関誌に寄稿しているようなものです。
通達による「日の丸」「君が代」の押しつけと同様に、異論や反対意見に対する取り締まりや弾圧も強まってきています。戦前的なるものの蘇生と復活の対極には、自由と民主主義の圧殺があります。
先の衆院選で休みの日に自宅近くで政党機関誌の号外を配布したとして、社会保険庁の職員が国家公務員法違反で逮捕されました。国家公務員は「政治活動」を禁止されているからだというわけです。
立川では、イラクへの自衛隊派兵反対のビラを配布した市民団体のメンバー3人が逮捕されました。ビラ配布のために自衛隊の官舎に立ち入ったから、住居不法侵入なのだそうです。
静かなるファシズムの浸透を描いた寓話『茶色の朝』(大月書店、2003年)が話題を呼んでいます。この日本にも、すでに「茶色の朝」が訪れつつあるのではないでしょうか。
中国や韓国からは、今の日本が「茶色」に彩られつつあるように見えていることでしょう。次第に見慣れた光景になってきているが故に、日本の私たちはそのことに気がついていないだけなのかもしれません。
http://sp.mt.tama.hosei.ac.jp/users/igajin/home2.htm
「立川・反戦ビラ弾圧救援会」が結成されました
http://www.asyura2.com/0401/nihon12/msg/107.html