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(回答先: なぜアメリカは、こんなにおかしいのだろう.ブッシュ。大統領を支えるキリスト教右派の正体 投稿者 TORA 日時 2004 年 3 月 06 日 19:41:11)
【ブッシュとキリスト教原理主義】
▲キリスト教原理主義勢力の影響力
2000年のアメリカ大統領選挙は共和党ブッシュと民主党ゴアの対決となった。この選挙に
おいても、キリスト教原理主義者たちの動向が結果を左右した。
共和党にとってキリスト教原理主義者は有力な支持基盤で決して彼らを敵には回せない。
だが、逆に彼らに接近し過ぎると、中道派、穏健派が離れていってしまうという苦しい
立場にあるからだ。
ここ数回の大統領選挙の基本図式はそれほど変ってはいない。経済的保守(小さな政府)、社会的保守という2つの保守層を中心に支持層を拡げようとする共和党と、経済的
リベラル、社会的リベラルという2つのリベラル層を中心にして支持を拡げようとする
民主党の戦いという構図である。ただし、民主党の経済的リベラルは大きな政府志向を改
め、むしろ経済的保守の要素を取り入れている。
社会的保守は妊娠中絶反対、同性愛反対の立場をとり、社会的リベラルは中絶や同性愛に
寛容な立場をとる。
ただし、民主党の社会的リベラルも宗教的敬虔さや家族の重要性を説く点では社会的保守
の要素を取り入れている。
つまり、1996年のクリントン勝利は民主党の伝統路線に乗りながらも、共和党支持層に
アピールできる保守的要素を巧みに取り入れることによって支持層を最大化することに
よってもたらされた。
キリスト教原理主義は社会的保守の強硬派を代表する勢力でありその力はいまも侮り難い。
2000年の選挙も基本的構図はそれほど変らない。かつての父の苦悩と同様の苦悩をブッシュはいま抱えている。というのは、1992年の大統領選挙で父ブッシュはキリスト教原理
主義者など党内の保守派攻勢に屈する形で右寄りの政策を重視しすぎ、女性を中心とする
社会的リベラル支持層の支持を失い敗退した。
ブッシュがキリスト教原理主義勢力との距離の取り方に神経を使っているのは当然でもあ
るのだ。
ブッシュが打ち出したスローガンは「思いやりのある保守」である。ゴリゴリの社会的保守のイメージを払拭する上でも、当初は効果的なスローガンに見えた
ところが、アレグザンダー・元テネシー州知事ら保守派の共和党候補は、その路線を
「見せかけの保守主義」とこきおろした。また、これまで共和党候補として挑戦してきた
社会的保守強硬派のパット・ブキャナンが改革党へくら替えし、共和党右派の票を獲得
しようとしていた。
ブッシュの「思いやりのある保守」は右派から揺さぶられたのである。
だが、ブッシュは皮肉なことに穏健派の支持を共和党のマケイン候補に奪われそうにな
り、その危機感から一層社会的保守層への接近を余儀なくされていったのである。
マケイン候補は、キリスト教原理主義勢力を明確に批判することによって中道路線を固めた。そして、ニューハンプシャー州予備選(2月1日)でマケイン候補は大勝したのだった。
それまで「思いやりのある保守」を掲げ、穏健派、中道派へのアピールを狙っていたブッシュは、結局右派への旋回に踏み切らざるを得なかった。
共和党が党大会初日の2000年7月31日に採択した党綱領は、社会保障分野など「思いやりのある保守」の政策が反映されたものの、社会的保守の路線が明確に打ち出された。ブッシュは、レイプや母体に危険がある場合の中絶を認める考えを打ち出してきたが、綱領は最終的に「胎児には生きる権利がある。妊娠中絶に反対し、中絶に反対する権利を法的に保護することを支持する」と明記したのだった。
しかし、ブッシュは広範な支持を確保するために、一定の柔軟性を維持しつづけたかに見える。これは、選挙戦で極端にキリスト教原理主義勢力に寄り過ぎることが、中道派の支持を失い切っ跼選挙での敗北を招くことを知っていたからである。キリスト教原理主義勢力も、そのことは認めているはずだから、ブッシュが選挙戦で柔軟性を保つことを容認したかに見える。
だが、ブッシュは就任するやキリスト教原理主義勢力寄りのスタンスを明確にしはじめたのである。
まずジョン・アシュクロフト氏を司法長官に登用、2001年1月22日には、アメリカ国外で家族計画事業を進める民間団体への米政府資金援助を、中絶の実施・支援団体へは支給しないとする大統領令を出した。2002年7月22日には、国連人口基金が中国での中絶に使われているとして同基金への拠出を予定していた3400万ドルの支払い中止する決定した。
2002年8月5日には、生きて生まれた新生児には連邦法に基づくすべての権利が保障されるという「新生児権利保障法案」に署名している。
http://park5.wakwak.com/~asia/cf/bush_cf.htm