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Baghdad Burning
バグダードバーニング by リバーベンド
... I'll meet you 'round the bend my friend, where hearts can heal and souls can mend...
友よ、私の心が失われあなたさえ見分けることができなくなったら、どうか私を偉大な文明をはぐくんだ、チグリス・ユーフラテスの胸元に連れて行って欲しい。そこで私は心を癒し、魂を再生させるでしょう。
2004年3月3日水曜日
アシュラ祭の大惨事・・・
カルバラとカディミヤの爆発は恐ろしかった。遠くカディミヤの爆発が聞こえた。体に響く鈍い衝撃音が数回聞こえたが、それが何かはわからなかった。あとで、ニュースで知った。知ってからは、誰もが、恐怖の底にいる。こんなことが起こるなんて、信じられない。アル・アラビアはじめテレビに映し出されるシーンは、恐ろしい・・・誰がこんなことをできるのか? 私たちは、ずーっとお互いに問い続けている・・・これで、何か得るものがあっただろうか、と。
ありとあらゆる名が上げられ、犯人だと名指しされている。みんな、これがことわざにいう、ラクダの背骨を砕く藁(ワラ)となるのではと、恐れている__ただこれは藁ではない。とてもでないが重くて運べない鉄の重石と言ったほうがいい。(訳注:「最後の藁一本がらくだの背を折る」__ぎりぎりの重荷を負ったらくだは、たった一本の藁を積んだだけで倒れてしまうという意味のことわざ)
幸い、人々の反応は、冷静で落ちついている。悲しみ嘆いてはいるが。スンニ派とシーア派は、くっつきあっている・・・かつてなく。なにかこの大惨事は、私たちを破滅させ、社会的不安(fitna) を起こそうとしている外部の勢力があることをはっきりと悟らせるために、起こされたようだ。これがイラク人の手によるものだとは、信じたくない。あり得ない。許しがたく、絶対に正当化できない。みんなそう思っている。
私の家族は心配でいてもたってもいられない。毎年カルバラにお参りする親戚がいるからだ。親戚は、現在電話の通じない地域に住んでいるから、E(弟)といとこは、その家を行き、確かめてこなければならなかったのだが、行ってみて、その親戚が今年は行かなかったことを知った。あまりに不穏だったからだ。いまサラーム(バグダード・ブロッガーの一人)がどうしているか、心配__サラームがブログに、今年は家族でカルバラに行くと書いていたから。無事でありますように。
みんな、攻撃か反乱かなにかが起こると予感していたと思う・・・それでもこの大惨事は予想外だった。暴力という暴力は見尽くして、もう何が起きても驚かないと思っていて・・・なお、この事件は大衝撃で耐えがたい痛みであった。
今日は、カルバラとカディミヤでなくなった犠牲者の全国民追悼の日だった。終日、モスクでは犠牲者に祈りが捧げられ、モスクの長老たちは爆破を非難した。
アシュラ祭の前、内戦について盛んにうんぬんされていた。みんな、あたかもよその国のよその国民のことでもあるかのように語っていた。それは、私たちの誰ひとり、自分たちの知っている誰かが、見境のない暴力をふるえるなんて信じられなかったからだと、思う。
この大虐殺が起こってから、そしてスンニ派とシーア派の反応を見てしまってから、私のイラク人の理性と強さに対する信頼は、再確認された。イラク人は、いってみれば大きな家族であったし、いまもそうだ__生半でない違いも多くあるものの。恐ろしい悲劇のあと、ふたたび結びあって、慰めあい支えあっている。
リバーによって掲示 午後10時10分
(翻訳 池田真里)
http://www.geocities.jp/riverbendblog/