現在地 HOME > 掲示板 > 戦争48 > 731.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
【ロンドン岸本卓也】英国の情報機関がイラク戦争に絡んで国連事務総長を盗聴の対象にしていたという26日のショート英前国際開発相の暴露発言で、米英が主導する世界最強の盗聴機関(暗号名エシュロン)の存在が浮かび上がっている。衛星や電算機を駆使して地球規模で電話やEメールを盗聴する組織は、イラク戦争をめぐる情報戦争でも暗躍したようだ。
エシュロン機関を調査した欧州議会の報告によると、この盗聴機関は米英が主導し、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドが協力している。世界の衛星通信を傍受し、光ファイバー・ケーブルの盗聴も進めている。米英両国は情報収集のための条約を結び、盗聴情報を分析する本部を双方に置いている。
エシュロン機関の参加国は自国内の盗聴工作を他の参加国に依頼することが多い。国内法で盗聴が規制された対象に自国の情報機関が盗聴工作を仕掛けにくいからだ。今回のアナン事務総長に対する英国の盗聴疑惑が事実とすれば、米国の情報機関が自国内の盗聴を敬遠し、英国に依頼した可能性がある。
エシュロン機関は冷戦時代に社会主義圏を対象に盗聴したが、冷戦終結後は米英企業が国際市場で有利になるように欧州企業などを盗聴する産業スパイを主要任務にした。しかし、米同時多発テロ後は本来の外交や軍事での盗聴活動に戻ったとみられている。
エシュロン機関が欧州議会で問題にされた4年前にブレア英首相は盗聴機関の存在を暗に認めたが、「違法なことはしていない」と弁明した。今回のアナン国連事務総長への盗聴疑惑でも首相は盗聴の事実確認は避け、違法性の否定だけを強調した。
外交通信を盗聴することは1961年の外交に関する規則を定めたウィーン協定に抵触する。しかし、盗聴は証拠がつかみにくいため、各国の情報機関が盗聴にしのぎを削っているのが実情だ。その盗聴戦争で米英は突出した能力を持っている。
[毎日新聞2月27日] ( 2004-02-27-21:46 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20040228k0000m030034001c.html