現在地 HOME > 掲示板 > 戦争48 > 729.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
アスナール政権最後の醜態(7) 世論調査で「アスナール政権の閣僚は全員不合格」:右翼新聞に勤める記者たちの抵抗
2月27日付のエル・ムンド、およびエル・パイス両紙はともに、社会学調査センター(CIS:スペインのさまざまな分野の社会統計・調査報告をする最も権威のある研究機関)が、アスナール政権に対する評価について、この1月10日から15日の間に2500人を対象に調査した結果を発表しました。
それによりますと、
(1)与党国民党の政策について
「悪い」「非常に悪い」が31.4% 「良い」「非常に良い」が27.1%
(2)野党第一党の社会党の政策について
「評価する」が13.7% 「評価しない」が30.4%
(3)アスナールを信頼するか、との問いに
「あまり信用しない」「全く信用しない」が60.2%
「かなり信用する」「非常に信用する」が33%
(4)アスナール政権の各閣僚への採点(10段階で採点した平均値)
これは全員が5未満。つまり全員「不合格」。主要な者について書くと、
最高点が財務担当相のロドリゴ・ラトで4.8
次点が内務相(治安担当)のアンヘル・アセベスで4.5
国防相のフェデリコ・トリーリョは3.8
外相のアナ・パラシオは3.6
最低が広報担当相のフリオ・ガルシア・バルデカサスで3.5
総じて、国内政策担当の大臣は上位に、軍事・外交関係は下位になっていますが、国内の政治、特に経済政策と治安についてはまあまあ目をつぶるにしても、イラク戦争に加担したことについては相当に不快感を感じる人が多かった、ということになるでしょう。ただどっちにしても厳しい評価のようです。
なお、エル・ムンド紙について、非常に面白いことがあります。このCISの世論調査はもちろんマドリッドで作られているのですが、エル・ムンド紙では何と「パリ発」の情報になっているのです。もちろんエル・パイス紙では「マドリッド発」です。
エル・ムンド紙はスペインでは右翼的な新聞で例のオプス・デイに支配されています。その新聞に政府国民党にとってうれしくないニュースが載る場合には、それが明らかにスペイン国内のものであっても、不思議とパリやローマやバグダッドなど「外国発」の情報になっています。記者名も明記してありません。
最初のうちは私も「単なる不注意なミス」と思っていましたが、しかし反政府的な論調の記事に限ってこれが続きますので、ひょっとするとこれがこの右翼新聞に勤める記者たちと編集者たちの「必死の抵抗」なのではないか、と思い始めました。要するに、誰がその記事を書いたのか分からなくさせて社内での弾圧を巧みに避けるためではないか、と思うのです。
だとすれば、まだこの国は希望が持てるな、と感じます。何とかこの記者や編集者たちにがんばってもらいたい。
エル・ムンド紙、2月27日付「スペイン国民は閣僚全員に『不合格』」
http://www.elmundo.es/elmundo/2004/02/27/enespecial/1077869822.html
エル・パイス紙、2月27日付「国民は政府に不合格点をつける」
http://www.elpais.es/articuloCompleto.html?d_date=20040227&xref=20040227elpepinac_7&type=Tes&anchor=elpporesp