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【ザコパネ(ポーランド南部)会川晴之】ボスニア・ヘルツェゴビナ南部ストラツ近くの山岳部で26日午前8時ごろ、マケドニアのトライコフスキ大統領(47)の乗った小型飛行機が墜落、同大統領は死亡した。同機には大統領のほかに8人の政府関係者らが乗っていたが、地元ラジオは「生存者は見つかっていない」としている。
ロイター通信などによると、墜落当時、現場は濃霧と雨の悪天候だったという。大統領は経済会議のため、ボスニアのモスタルに向かっていた。
大統領は99年12月の選で与党マケドニア国家統一民主党から出馬して初当選。以来、複雑な民族構成に揺れる同国を、対話の繰り返しによって内戦再突入から救ってきた。大統領死去により、民族対立再燃を恐れる声も少なくない。
マケドニアは人口約220万人のうちスラブ系住民が3分の2、アルバニア系住民が3分の1を占める。アルバニア系の出生率が高いことから、将来の人口比接近が予想され、アルバニア系は「スラブ系との間に経済格差があり、アルバニア語が公用語化されなければ国民意識が持てない」と主張、スラブ系は「アルバニア系の主張を認めれば国家分裂に行き着く」と対立を続けて来た。
01年2月、アルバニア系武装組織が蜂起した際、大統領はゲリラ兵士の免責を提示する代わりに武装解除を取り付け、8カ月の交渉の末和平合意にこぎ着けた。大統領自身はスラブ系の中でも少数派のキリスト教メソジスト派で、少数派に対する対話の重要性を強調していた。
02年9月の選挙でスラブ系左派「社会民主同盟」は民族主義強硬派の旧与党「国家統一民主党」を破り、アルバニア系ゲリラから政党化した「民主統合連合」と連立政権を樹立。民族対立の危機を回避してきた。しかし、北西部のアルバニア系居住区を中心に、両民族の対立はくすぶり続け、なお予断を許さない状態が続いている。
[毎日新聞2月26日] ( 2004-02-26-21:47 )