現在地 HOME > 掲示板 > 戦争48 > 549.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
パトリック・ブキャナンの米国ネオコン、パールの新著への批判。
更新 平成16年02月22日08時52分
太田龍の時事寸評
平成十六年(二〇〇四年)二月二十一日(土)
(第八百六十一回)
http://www.pavc.ne.jp/~ryu/
○パトリック・ブキャナン主宰の「アメリカン・コンサバティブ」誌、
二〇〇四年三月一日号。六〜十四頁。
○ここにパトリック・ブキャナンのかなり長い、本格的な、「ネオコン」
批判の大論文が掲載されて居る。
○これは、ネオコンの指導的理論家の一人、リチャード・パールが、
デイヴッド・フラムとの共著で出版した新刊、
An End to Evil: How to Win the War on Terror
(悪を終らせる ― テロに対する戦争に、いかにして勝利するか)
この本に対する論評である。
○このパトリック・ブキャナンの八頁余の論文は、
全訳して日本民族有志に広く知らせる価値あり、と判断するが、ここで
はごく簡単にその内容を要約して置く。なお、ブキャナンの論文は、
No End to War: The Frum-Perle Prescription Would ensnare America
in endless conflicts.
(終りなき戦争 ― フラム=パールの処方箋は、アメリカを
収拾つかない際限のない衝突の罠に落し入れる)
と題されて居る。
○この論文の要点は次の如し。
(1)パールは、「アメリカには、中間の道はない。勝利か、ホロ
コーストか、二者択一だ」、などと言う。
しかし、この言い方は、まるで意味がない。
(2)イスラムの欧米に対する脅威があるとしたら、それは戦略的
脅威ではなくて、人口学的脅威である。(白人の人口減、と
くに出生率の低下。イスラム人口は増加し続ける)
(3)パールは、「悪を終らせる」(悪の存在にとどめを刺す)、
と言うが、カインが弟アベルを殺した時以来、いかなる国家
も、「悪」を終らせることは出来ない。
(4)パールの主張するように、すべてのテロリズムと戦うことが
アメリカの責務であるとすれば、アメリカは、全世界を敵と
して戦争を展開しなければならない。
そんなことは空想だ。
(5)パールの言う通りに行動するとすれば、米国は、フランスを
敵とすべし、と成る。
(6)ネオコンは、イスラエルにとっての敵のすべてを米国の敵
としたい。
(7)ネオコンはシオニズムと表裏一体である。
(8)今や、ネオコンの正体は、白日の下にさらけ出されつつある。
○パトリック・ブキャナンの論文に、若干の補足を加えるとすれば、
(1)パールは、勝利か、さもなくばホロコースト、その中間はない、
などと言うが、それはまさに、シオニストイスラエル国家の正直
な本音、に他ならないであろう。
(2)つまり、シオニストイスラエルにとっては、イスラム十三億人が
すべて、現実の、又は潜在的な敵である。
(3)そして、パレスチナ人の全滅、パレスチナ人に対するホロコースト
(民族皆殺し)、と言う、シオニストイスラエルの政策に、無条件
で賛成しない、すべての者たちは、シオニストの敵である、と成る。
(4)かくして、
勝利か、さもなくば、ホロコースト、と言う。
○このP・ブキャナン論文、及び、ここで、批判されて居る、パールと
フラムの問題の著作については、後日、更に続報する。
(了)