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'04/2/20
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イラク戦争で米軍 官房長官が言及
福田康夫官房長官は十九日の記者会見で、陸上自衛隊やオランダ軍が活動するイラク南部のサマワ周辺でイラク戦争の際、米軍が劣化ウラン弾を使用した、とオランダのカンプ国防相が認めたことを明らかにした。
■隊員ら被曝の恐れ
【解説】陸上自衛隊などが駐留するサマワ周辺で、劣化ウラン弾が使用された事実は、昨年末までに日本の市民団体などの調査で明らかになっていた。
しかし、日本政府はこれまでどこで使われたかは「米軍の方針として一切言わない」(川口順子外相)などとしてあいまいな立場を取り続けてきた。今回の福田康夫官房長官の発言は、政府として初めて正式に認めたことになる。
劣化ウラン(ウラン238)は、主としてアルファ線を放出する低レベル放射性物質である。半減期は約四十五億年。ガンマ線などによる外部被曝(ばく)線量が低いからといって、ミクロン単位の劣化ウラン微粒子が体内に入ると、アルファ線による影響と同時に、強い毒性を併せ持つ金属物質としての複合的な影響により、白血病などのがんや、腎臓や肝臓の慢性疾患などにつながると言われている。
一九九九年のコソボ紛争などでも、米軍は劣化ウラン弾を使用した。平和維持軍としてコソボ地域に駐留するイタリアやフランス、スペインなどの帰還兵の間に、白血病などで死亡するケースが目立っていることが、三年前にヨーロッパで大きな問題となった。
福田氏は「何か問題、異常があれば当然報告がある」と述べた。だが、健康異常など問題が起こる可能性は、むしろ無事帰還した後の方がはるかに高い。その危険は、取材する日本人ジャーナリストらにも無縁ではない。ましてや、そこに住み続けるしかないイラク住民にとってはなおさらである。
(特別編集委員・田城明)
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn04022033.html