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【エルサレム樋口直樹】パレスチナ自治政府に対する国際社会からの援助金が半減し、自治政府が深刻な財政困難に直面している。背景には以前から批判されてきた使途の不透明性がある。腐敗が指摘される自治政府は早急な組織改革を求められているが、独裁的なアラファト議長とこれに抵抗するクレイ首相の確執は一層深まる様相をみせている。
「03年の援助金は01、02年のおよそ半分に落ち込んでしまった」。自治政府のファイヤッド財務相はこのほどロイター通信にこう語った。援助総額の約6割を拠出している欧州連合(EU)は、01、02年に毎月1000万ドルを自治政府に支払ってきたが、03年の援助金は年間計8000万ドルに減額されたという。
援助金の欠乏は、生活に困窮するパレスチナ人への救援物資だけでなく、自治政府職員や治安要員の給料の支払いにも影響を及ぼしている。自治政府は急場をしのぐため、携帯電話会社の保有株のうち約35%を4200万ドルで売却し、職員給与などに充てた。
EUは援助金削減の理由について、自治政府による改革の進行状況に応じ米国などが援助を見直したためと説明している。一方でEUは先月、汚職に関する調査団を現地に派遣、援助金が横領されたり、テロ活動に流用されていないか調べ始めるなど、不透明な使途に強い関心を寄せている。
治安要員への給与の支払い方法はその一例だ。自治政府当局者によると、現金を詰めたバッグが各地の司令官に運ばれ、それぞれの司令官の判断で適当な額が手渡しされている。このため、EUは現金払いをやめ、資金の流れを正確に追うことができる銀行振り込みに切り替えるよう要求しているという。
これを受けて、クレイ首相は14日、治安要員への給与の支払いを銀行振り込みに切り替えると発表した。ところが、17日にはアラファト議長と首相の衝突が報じられた。首相は議長から治安・財政改革に関する閣議決定を拒否され、怒りの余り周囲に辞意を漏らしたという。首相は報道を否定したが、議長が自分の権力を弱める恐れのある改革に抵抗しているとの見方が支配的だ。
[毎日新聞2月21日] ( 2004-02-21-12:37 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20040221k0000e030018002c.html