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アスナール政権最後の醜態(5) 与党国民党『逃げまくり隠れまくり戦術』
今回は、1月末からのいくつかのエル・パイス紙の記事をまとめてご紹介しますので、一つ一つの報道内容については概略だけの説明にとどめます。
まず、スペイン社会労働党(以下、社会党と略す)のサパテロ総書記が、1月半ばごろから盛んに国民党の首相候補ラホイに1対1のテレビ討論を申し込み続けているのですが、国民党側は「社会党は自分の政策の欠如と以前の社会党の政策との矛盾点を覆い隠すために討論を提案しているだけだ」として拒否してきました。
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「サパテロ、ラホイとの1対1の討論を申し込み、国民党は『非現実的』とはねつける」
(2004年1月26日)
http://www.elpais.es/articuloCompleto.html?d_date=&xref=20040126elpepinac_3&type=Tes&anchor=elpepiesp
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もし国民党の言う通りなら、逆に討論で社会党の矛盾を暴露すれば良いようなものですが、要するに、イラク戦争への加担や、バブル状態にある住宅政策の失敗をつつかれると反論できず不利になる、との判断でしょう。
そして国民党は、野党党首との討論会ばかりか、新聞・テレビ記者からのラホイに対する質問を避けるように、記者団との対話も拒否しつづけています。イラク戦争や経済政策だけでなく、エル・パイス紙によれば、トケスのロリコン町長のスキャンダルに触れられるとヤバイ、という判断です。このスキャンダルに関しては、
http://www.asyura2.com/0401/war47/msg/371.html
をご参照ください。
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「国民党、討論会と記者団の質問から、ラホイを守る」
(2004年2月17日)
http://www.elpais.es/articuloCompleto.html?xref=20040217elpepinac_3&type=Tes&anchor=elpepiesp
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とにかく「黙って俺たちが発表することだけを聞け。疑問の声や質問は一切許さん。」というファシズム体質丸出しで、イタリアのムッソリーニ賛美者ベルルスコーニ政権と同様に、フランコ賛美者の面目躍如といったところでしょう。(ついでに、ラホイが信奉するオプス・デイの体質そのものでもあります。)
そして2月の20日になって、国民党は「国会の12会派すべてがそろうのなら討論に応じる」と言ってきました。今から3月14日までの機関で12会派がすべてそろったテレビ討論会を実施することは事実上難しい上に、もし実現したとしても、中には国民党に加勢するような党もあり、さらに先日ETAと密会を開いたカタルーニャ左翼共和党も含まれているため、国民党に対する矛先を切り返して反対党派を切り崩しのは簡単でしょう。このスキャンダルに関しても、
http://www.asyura2.com/0401/war47/msg/371.html
をご参照ください。
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「国民党は、国会12会派が出席する場合のみ、討論会を受け入れる」
(2004年2月20日)
http://www.elpais.es/articuloCompleto.html?d_date=&xref=20040220elpepinac_20&type=Tes&anchor=elpporesp
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要するに、ラホイはサパテロとの「1対1のサシの勝負」から逃げまくり、テレビの生中継でボロを出すのを恐れて隠れまくっています。こうして問題点が「表沙汰」にならないように注意しながら、圧倒的な選挙資金と財界および教会人脈を使って票をとりまとめよう。という戦術のようです。
もっともこのオッサン、自分が副首相を勤めていた2002年の冬にガリシア沖の大西洋上で起きたタンカー事故の際に対策委員長になり、散々の不手際でついにタンカーが二つに折れて沈没、大量の重油がスペイン、ポルトガル、フランスの海岸を襲う、という重大事につながって国際的にも非難を浴びたのですが、記者団の質問攻めについに切れて「俺は預言者じゃないんだ。タンカーが沈むなど予測できるわけないじゃないか!」という無責任発言で物議をかもしたことがあります。この程度の御仁ですから、党としても何を言い出して墓穴を掘ってくれるか分からなく、筋書き以外のことはやらせないようにしているのでしょう。
最後に、御大将のアスナールがファシスト仲間のベルルスコーニと組んで、先日の、イギリス・フランス・ドイツのEU3大国会議に反発しています。彼は「我々はヨーロッパで一つの超越した組織が物事を解決することは望まない。なすべきことはヨーロッパの人為的な分裂を防ぐことである。なぜなら、EU拡大に対する不安があり、また世界のより重要な事柄に対してヨーロッパが持つべき能力をもたらすような決定ができなくなる恐れがあるからである。」と言っています。
要するに、アスナールが一貫して進めようとしているアメリカの世界戦略との「協調」にとって障害になる、という見地からではないか、と思われます。もっとも相手のベルルスコーニは、単純に政治的なアスナールとは異なり、個人的にヨーロッパ「支配者連合」の中での地位を高めようと務める腹黒いイタリアの大富豪の一人ですから、あまり信用せんほうが良いとは思いますが。
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アスナールとベルルスコーニ、EU3大国会議を非難
(2004年2月22日)
http://www.elpais.es/articuloCompleto.html?d_date=&xref=20040220elpepiint_12&type=Tes&anchor=elpporint
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