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【ワシントン和田浩明】米国が平和利用目的で生産した濃縮ウラン燃料を1950年代からパキスタンやイランを含む各国に供与・売却し、96年から開始した回収事業が難航していることが16日、米エネルギー省の報告書で明らかになった。93年の時点で各国が保有する米国製の濃縮ウランの総量は51カ国約1万7500キロに上っているが、回収見込みは総量の15%程度にとどまる見込み。米国が苦慮する核拡散の発端の一つが米国にあったことに米政府内に憂慮が広がっている。
報告書は供与・売却された燃料のウラン濃縮度や国別の時期、量には触れていない。一般的な軽水炉では、核燃料となるウラン235の比率を、天然ウランに含まれる0.7%から、3〜4%に高めて使用する。
濃縮ウランの海外供与が始まったのは、アイゼンハワー米大統領が53年の国連演説で提唱した「アトムズ・フォー・ピース(平和のための原子力)」政策の一環。核兵器の開発に流用せず、使用済み燃料は米国に返却するとの約束だった。
しかし、米国は64年から売却を開始。使用済み燃料の返却は求めなくなったものの、処理のための受け入れは続けた。78年に核物質拡散の懸念からウラン濃縮度を低下させるようになったが、88年に使用済み燃料の受け入れを緊急時を除き停止。供与事業は核拡散防止条約(NPT)が発効した70年以降も続き、核兵器保有国の限定を主目的とする同条約体制下でも進められたという。
米国は、その後、供与・売却した濃縮ウランは「国家安全保障上の懸念材料になる」と判断し、96年から、回収事業を再開した。しかし、供与を受けた相手国が回収の費用を負担するなどの条件があることなどから、いずれの国も「回収事業に全面的に参加する見通しはない」(同省)。昨年10月の時点では、米国に返却された濃縮ウランは約1100キロにとどまっているという。
[毎日新聞2月17日] ( 2004-02-17-15:00 )
http://www.mainichi.co.jp/news/selection/20040217k0000e030077000c.html