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米国の有力シンクタンクで世界経済と日米関係の研究をしている旧知の友人・酒井氏と数日前会った。米大統領と直接会うこともあるという。1年に数回日本に来る。その都度、討論し交流をしている。
以下に同氏の話の概要を紹介したい。
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【1】最近の日本の動きをワシントンはどう見ているか――日本は憲法改正まで行くというのがワシントンのほぼ一致した見方だ。日本には三つの道がある。一つは憲法第9条を堅持。二つは憲法第9条の拡大解釈。第三は憲法改正。第三の道に進むという見方がとくに強い。“小泉内閣が自衛隊のイラク派遣に踏み切ったことを日本国民は支持している。この動きはもう止まらない。日本は憲法改正に向かって、政府だけでなく国民も走り出した”と米国政府は見ている。
【2】ワシントンは日本が戦前のような軍事国家に向かうことを容認しているのか――ブッシュ政権は容認している。米国政府は米国産の兵器を日本にどんどん売ろうと考えている。ただし、米国政府は日本が自前で兵器を生産することは許さない。日本の兵器を米国政府の完全な管理下におく方針だ。もしも日本が独自に兵器の開発と生産を始めたら、優秀な日本の技術力をもってどんな高度な兵器が生産されるかわからない。米国は日本の技術力をおそれている。
【3】小泉内閣のイラクへの自衛隊派兵を米国民はどう見ているのか――ブッシュ政権は大喜びしているが、国民レベルでは日本への関心は薄い。日本にいる友人のジャーナリストは〃日本人は戦争が好きな民族だ。戦前も戦争に突進した。敗戦から数十年、日本は平和路線をとってきたが、イラク派兵を機に平和路線を放棄した。日本人の戦争が好きという本質が表面に出てきた〃と言っているが、米国人はそんな見方をしている。
【4】米国政府は日本の「軍国主義化」に懸念をもたないのか――ブッシュ政権は日本はコントロール可能だと考えている。70年前のような反米にはならないと見ている。
【5】日本が強い軍事国家になれば中国などアジア諸国にとって脅威となるが、米国政府はこのことをどう考えているのか――米国政府はアジアのことは中国にまかせ、ハワイ以東に撤退すると決めている。米軍を沖縄に駐留させる意味はなくなった。米国と中国の力で日本を抑えることは可能だと考えている。
【6】米国政府の小泉政権観――ブッシュ政権に非常に従順でよく尽くしてくれると見ている。経済政策も米国の言うとおりにやってくれる。しかし米国では小泉政権は非常に軽い存在だ。日本は台湾以下の国と見られている。台湾の代表はワシントンに来て米国政府と激しく議論し、はっきりと「ノー」を言う。これが台湾の存在感を強めている。「イエス」のみの従順すぎる小泉政権は独立国の政府とは見られなくなっている。日本は「外交のない国」と見られている。
【7】ワシントンの日本経済観――米国にとって小泉政権下の日米経済関係は最良だ。ドル安・円高で日本政府と日銀はドルを買う。それで米国債を買う。これがブッシュ政権の財政を支え、減税の財源となる。日本の富がブッシュ政権を支えている。
以下は私見である。
日本人は日本国民の富がブッシュ大統領再選戦略のために使われていることを知らない。したがって疑問をもっていない。米国から見ると、こんないい二国間関係はない。小泉内閣の経済政策の元締めの竹中金融相は米国政府に従順だ。と言うより手先だ。日本の金融は、小泉政権の従米政策の結果、米国の支配下に入った。小泉・竹中体制は米国政府の日本出張所になっている。
だが、これは日本の国益を損ねている。日本にとって日米友好関係を維持することは最も大切なことだが、従属国になってはならない。日本は独立国として生きるべきである。
【以上は、2月7日付け四国新聞に「森田実の政局観測」として掲載された小論です】
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C0678.HTML