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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」第1191回
http://www.1101.com/torigoe/index.html
2月8日 のニュースから
今日(9日)の「スーパー・モーニング」では
私とディレクターの井手康行君、イラク人運転手、
ヨルダン人のコーディネーターの4人がバクダッドの北、
ティクリット地区に入り、
サダム・フセインの生地の近くにある、
あのフセインの隠れ穴にたどり着く所を放送する予定だ。
イラクを37年間にわたって支配した
「サダム・フセイン政権体制」終焉の地だ。
ティクリット地区は
所謂「スンニ・トライアングル」の中心地で
ファルージャ地区と並んで
現在最も危険だと言われているところだ。
そこに潜入するのだから危険は覚悟、
不安は押さえても押さえても募るばかり。
でもやはりあの歴史的な場所に行って
事実を確かめてくるのが私たちの仕事だ。
個人的な興味もある。
出発の朝までは寝ながら今回は行くのはやめておこう、
と思っていた。
でも、32歳、若いディレクター、井手君は悩みつつも
行きたいと言う。
前夜、私は行かないかも、
というニュアンスで話をして寝た。
で、朝5時頃に目が覚めた。
で、シャワーを浴び始めたら、
もう出かける準備をしているんだねえ。
ああ、やはり俺は行くんだなあ!!!
もう一人の自分が
とっとことっとこ準備している自分の姿を
客観的に眺めているのが面白かった。
まあ、いいや、63年生きたから、賭けてみよう!
最後はそんな気持ちでした。
で、携行のデジカムカメラを反対向けにして
「もし何かあったら、ごめんね、許せ!」
と妻子に向けた言葉を自分で撮影。出かけた。
テイクリト地区を抜けるのは
コーディネーターには相当に緊張を要したらしい。
顔面は緊張で引きつっていた。
まあ、行けばどうってことはないんですよ。
アメリカ軍は歓迎してくれてその穴をちゃんと取材、
私が穴の中に入りました。
寝転んでみると私の身長で足と頭が壁につくほどで
思ったより狭い。
一人が寝るか座るかの面積しかありません。
本当にこんな所にフセインは隠れていたのかなあ???
疑問は残った。
警護をしているアメリカ軍将兵はニコニコで、
愛想がいい。
聞けば何でも説明してくれる。
なんだろうなあ。
世界中で飛び交っている噂ではフセインは
クルド人に拘束されていたのだが、
急遽コンクリートの穴が作られて
そこで米軍が発見したかのように
発表されたと言う説がある。
野っ原の真ん中で、
へえ、こんなとこにというような所に穴はあった。
確かに私はその穴を見た。
しかし、身長190センチで
マッチョタイプのフセインが
あの穴に本当に入れたのか??少し疑問は残るのだ。
ただ、穴蔵の上においていたと言う蓋は
なんと140キログラム、バカ重で、
私一人の力ではとても動かせなかった。
あれを上から被せられたら
フセインはあのとても狭い穴の中に生き埋め、
監禁状態になってしまう。
あの独裁者、サダム・フセインともあろうものが、
あんな逃げ場のない隠れ方をするのか?
これも疑問だねえ・・・
いずれにしてもこれでサダム・フセインレジームは
完全に崩壊したのは事実だろう。
では代わって出現したアメリカ占領体制が
アメリア人が言うようにイラクに
アメリカ流の民主主義を打ち立てられるか??
はなはだ疑問が残る。
穴について考えてみました。
また明日