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【ワシントン中島哲夫】北朝鮮の核問題をめぐり第2回6カ国協議が25日から北京で開かれるのを前に、北朝鮮が米国に対し「朝米関係が正常化するまで、必要最小限の核抑止力を維持する」との方針と、固守する「核抑止力」の内容を伝えていたことが分かった。米政府関係筋が6日、明らかにした。北朝鮮は同時行動原則に基づき、最終的な「核の完全放棄」方針も示しており、今回協議で米国は日韓とともに、長期交渉の意味があるかどうか北朝鮮の真意を探ることになる。
関係筋によると、この方針伝達は北朝鮮が昨年12月から提唱している核活動の「凍結」の意味を説明する形で行われた。米政府に直接伝えたか、中国などを介して間接的に伝えたかは不明だ。
その概要は、(1)最終的に関係正常化(国交樹立)に至れば、核を放棄する(2)それまでは米国の脅威に対抗するために、必要最小限の核抑止力を維持する(3)この間、核抑止力を増強させない――というもの。実際には「凍結」を厳密に定義する形式になっており、最終段階まで手放さない「必要最小限の核抑止力」とは「従来の保有物」と「03年に新たに抽出したプルトニウム」だと説明しているという。
「従来の保有物」とは92年以前に抽出したプルトニウムを意味し、1〜2個の核兵器になっている可能性もある。北朝鮮は自らの脅威を効果的に維持するため「核抑止力」という表現をしばしば用いるが、その意味を説明したのは初めてとみられる。
北朝鮮は12月9日、米国のテロ支援国リストからの除外や制裁解除、エネルギー支援などの「代価」があれば核活動を「凍結」できるという外務省報道官の見解を発表。
その後、1月中旬までの公式報道を通じて、「凍結」とは「核兵器の製造、実験、移転をしない。平和的な核エネルギー利用もやめる」ことだと説明し、米訪朝団によって稼働が確認された5000キロワット原子炉やプルトニウム抽出用の再処理施設などの停止の用意を表明していた。
これらと並行して、固守する「最小限の核抑止力」の意味を水面下で伝えたことは、その他は譲歩の対象であることを示唆し、交渉の余地を示す狙いもあるものとみられる。
しかし、原則として代価なしの完全な核放棄を求める米国と、「凍結」開始と同時に代価を求め、長期化が予想される交渉期間中、核の脅威を保持しようという北朝鮮の立場の違いはあまりに大きい。しかも、米国が「確証がある」と主張する高濃縮ウラン開発計画を北朝鮮は全面否定している。第2回協議での急進展は望みにくい情勢だ。
[毎日新聞2月8日] ( 2004-02-08-03:00 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20040208k0000m030087000c.html