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アスナール政権最後の醜態(3)
「判断は間違っていたかもしれないが戦争は誤ってはいなかった」そうな!?
先日(2月4日)「アスナールが『イラクに大量破壊兵器がある』などと明言したことは一度も無い」という大嘘をついたスペイン政府報道官エドゥアルド・サプラナは、その舌の根の乾かないうちに2月6日の閣議後の共同の記者会見で「イラクが大量破壊兵器を持っていたと述べたのは間違いだったかもしれない」と、あっさりと認めました。と思ったら、その数時間後に「間違いだったかもしれないが、イラク戦争に参加したことは誤りではなかった」! なるほど、確かになかなか含蓄のある表現です。
御大のアスナールは、スペインではこのごろちっとも表に顔を出さずに、ひたすらアメリカ議会で演説できたことにご満悦のようですが、エル・パイス紙によると、アメリカの各新聞の扱いはほとんど無視に近く、ニューヨークタイムズ、ワシントンポスト両紙では紙面の下の隅っこに申し訳程度に紹介記事があった程度、ワシントンタイムズ紙ではやや大きめに、そしてヒスパニック人口が最も大きいカリフォルニアのロサンゼルスタイムズには1行の記事も無く全く無視されていたそうです。
まあそれにしても、すでに「勇退」を表明しているので「辞任要求」を突きつけられることも無いし、あとの責任は次の政府に尻拭いさせればよいだけで、「ブッシュもブレアも、なかなか大変だなあ」と高みの見物、気楽なお立場なのでしょう。もちろん報道官のサプラナにはいちいち知恵をつけているのでしょうが。
今回の投稿では、同じ政府報道官サプラナの記者会見(2月6日)を、2種類の新聞で全く異なる報道していること、さらにその後「誤りは無かった」と語った記事を紹介します。ただ、量が多くなりますので記事内容の抄訳と若干の説明、そして最後に各記事の英訳文(機械翻訳)を載せておきます。
まず、2月6日付のエル・パイス紙「政府は、イラクが大量破壊兵器を持っていると言った事は『間違いだったかもしれない』と認める」という見出しの記事です。
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【抄訳】
政府は、イラクが大量破壊兵器を持っていると言った事は『間違いだったかもしれない』と認める
エル・パイス――マドリッド 2月6日
政府報道官サプラナは、フセインは大量破壊兵器を持っていなかったのかもしれない、と認めた。「我々は間違いを言うかもしれない。誰にだって間違いはある。しかし政府は一貫してわが国の国益を守ってきた。」
アメリカ政府はこの問題に関して特別調査委員会を作った。ワシントンから派遣された大量破壊兵器調査隊の責任者は、半年の無駄な探索の果てに「我々は誰でも間違いを犯す」と告げた。
アメリカ議会は、情報機関が大統領ブッシュに「ほとんどあてにならないまたは古い情報」を与えた、と指摘した。テネットCIA長官は昨日、「『イラクの緊急の脅威』など一度も言ったことはなく、単に大量破壊兵器を開発を企てていた(つまり持っていなかった)『危険な独裁者』のことだけだ」と断言した。
英国ではブレアが、大量破壊兵器に関して誤りが無かったのか調査する委員会をつくると宣言した。しかし、スペインでは疑問の余地は無い。アスナールは大量破壊兵器の脅威が「現実のもの」であり「確信を持って」戦わねばならない、と信じている。さらに水曜日のアメリカ議会での演説によれば、フセインの大量破壊兵器に関して問題にすることは「重大な無責任だ」そうだ。
この議論が活発になって以来、政府はスペインの情報機関からイラクの兵器について情報が無かった(これは事実ではない)ことを言い訳にして逃げているし、国際社会に大量破壊兵器のことを信じ込ませた責任を国連に押し付けている。
サプラナはその質問を制して「スペインではこの件に関しては議論しない。なぜなら政治的判断は情報機関からの情報が無いことにはできないからだ。他の質問をする人の邪魔をするな。」と言い張った。そして「この点は首相が議会で明白に言った。査察団の情報についても国益についても、国連の安保理事会での解決に基づいたのだ。」と明言した。
サプラナによればこういうことである。「査察団は大量破壊兵器が無いなどとは今に至るまで一度も言ったことは無い。」これは、そのあいまいさから「あったとも言えない」という意味にもなる。こうして、この大臣は「間違ったかもしれない」ことを認めたのだ。
【抄訳終わり】
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スペイン政府は、自分の国の独自の情報は持っていなかった(?)から、という理由で、イラク戦争の根拠に関する調査委員会設置の要求を撥ね付け、こともあろうに国連に責任を押し付けたうえで、「国益」を盾に逃げまくり、「それを問題にすることは無責任だ」と開き直っているわけです。もう無茶苦茶なのですが、それにしても、自国の情報機関が何の情報も握っていなかった、などと平気で言える政府が、世界のどこにあるのでしょう。恥さらしだとは思わないのでしょうか。(もっとも、普段からスペイン人と付き合っていると、このようなデタラメさ加減が案外この国では普通で通ってしまうことが納得できるのですが。)
さて、次は例の「オプス・デイ新聞」エル・ムンド紙(日本でいえば読売新聞のような存在)ですが、上のエル・パイス紙の記事と同じ記者会見のはずなのですが、かなり違った内容です。「間違っていたかもしれない」という発言は全く出てきません。しかもその発信がマドリッドではなく何とバグダッドになっている! 単なるエラーなのか、それとも内容についてバグダッドのイラク暫定統治機構にお伺いを立てているのか?(まあ、これもスペインらしくて良いのですが。)
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【抄訳】
政府は、兵器が存在するという「世界的な確信」に基づいて参加した、と語る
バグダッド(イラク)―― 政府報道官エドゥアルド・サプラナはフセインが大量破壊兵器を持っていたとの「国際的な確信」で参加したし、その存在は現在まで国連の査察団によって否定はされていない、と弁解した。
サダムが国連によって指摘された点に答えなかったのだから、世界の安全への脅威は「真実」であるとの政府の決定は「筋が通っていた」、と報道官は語った。
閣僚会議の後で報道官は、英国や米国と同様の調査委員会を設けるのか、との質問を多数受けた。
サプラナは、政府は情報機関の情報に基づいてイラク戦争への協力を決めたのではなく、イラクの大量破壊兵器についての欧州首脳の共通の確信に基づいて、「国益」と「世界の安全」を守るために、である、と繰り返した。
このように政府は、中央情報局の機密情報の公開をするつもりは無い。サプラナは、デイヴィッド・ケイやCIAのタネットの報告を読むようにと勧めたのだが。
【抄訳、終わり】
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記事内容をよくよく読めば政府報道官の話のいいかげんさがわかるのですが、チラッと読んだのでは何が問題点なのかさっぱりわかりません。さらに、ここがさすがにオプス・デイ新聞なのですが、実際の見出しは太い文字で黒々と印刷されており、「世界的な確信」「兵器が存在」「戦争へ参加」という個所がいやでも目に飛び込んできて、印象的です。これを見ただけの人は「ははあ、兵器が存在したのは世界中で確信されているのか、だから戦争に参加したのだな」と信じかねないわけです。それにしても、「世界的な確信」「国際的な確信」とは!
スペインの中でも、エル・パイスは知識人層に比較的好まれ、エル・ムンドはどちらかというと大衆紙です。どちらも全国的に発行部数は多いのですが、要するに、あまり政治に興味の無い一般の大衆は、政治欄は見出しだけザッと見てスポーツ欄や芸能欄に目を進ませるわけで、見出しだけで十分に情報操作ができる、この点を心得ているのでしょう。
最後に、エル・パイスの2月7日付の記事「サプラナは間違いの可能性を認め、その後、政府は誤っていなかった、と言明」と題した記事をご紹介します。ここで「間違う」はスペイン語のequivocar(間違える、取り違える:英語のmistake)、「誤る」はerrar(誤る、的をはずす:英語のerror)の訳です。
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サプラナは間違いの可能性を認め、その後、政府は誤っていなかった、と言明
マドリッド――2月7日
「我々は間違いを言うかもしれない。誰でも間違うことはある。しかし政府は一貫して国益と世界の安全を守る訳を果たしてきた。」昨日、政府報道官サプラナは記者会見で述べた。CIA長官がイラクに「緊急の脅威」が無かったと認めたことを知りながら、である。
その5時間後、サプラナのスポークスマンは「政府が決定する際に間違いがあったかもしれないが、イラクの件に関しては、政府は誤りを犯さなかった、と認識している。」と語った。
それ以前に、首相府は「イラクに関する政府の姿勢には全く訂正は無く、報道官の言葉は過ちを認めるような解釈はできない」と本紙に通告していた。
サプラナはモンクロア【政府庁舎:訳者】での記者会見で、英国や米国のようなイラク戦争の理由についての調査委員会の設置を拒否した。
月曜日【2月2日:訳者】の政府の主張によると、サプラナは、政府が英国や米国のように秘密情報機関の情報によってイラク戦争への参加を決めた、というわけではない、と言明した。スペインは、国連とその査察団の結論に基づく「国際的な確信」によって参加したのだ。
その「確信」に従がって、例の兵器がテロリストの手に渡るかもしれない危険に関して「世界と国家の安全を守る」ように行動した、というわけだ。「アゾレス・トリオ」のイラク侵略に向けての会議では、大量破壊兵器があるかないか、ではなく、「国連査察官に発見のための時間を与えるかどうか」について話が集中したのだ、とサプラナは強調した。
【抄訳、終わり】
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最後の段落によると、要するに「理由なんぞどうでもよい」、つまり、他に理由がある(が本当のことは言えない)、ということだったわけで、これをスペイン政府が公に認めたわけです。これをあくまで「国際社会の安全と平和」で突っ張ることができるか、それともその「国益」の内容をどこまで暴露できるか、新聞や政党にあまり期待はかけられないかもしれませんが、注目していきたいと思います。
(第1文、機械英訳)
The Government admits that?pudo to be mistaken? when saying that Iraq had arms of massive destruction
ELPAIS.es/AGENCIES? Madrid? ?ELPAIS.es | Spain - 06-02-2004 - 16:44
The Government, by mouth of his spokesman, Eduardo Zaplana, has accepted today who perhaps Sadam Husein did not have arms massive destruction, his weighty argument until now justifying the war. ?Nos we can have mistaken, as anyone can be mistaken, but it has acted itself with great coherence in defense of the interests of our country.
Government of the United States, that shared the same preoccupation by the Iraqian arsenal and based its reasons to invade that country mainly in the threat for the international security that supposed Sadam Husein, has accepted days ago to create an independent commission that it investigates because now it seems that does not have?Casi all we were mistaken, he indicated the head of the inspectors sent by Washington to Iraq to find tests of that arsenal, after more than half unfruitful year search.
?Casi all we were mistaken?
The American Congress, that investigated the question by its account, indicated that the intelligence services provided trustworthy or old?información little? to the president, George W. Bush, that until now is shielded after this curtain to elude its responsibility in this I tangle. Nevertheless, yesterday the director of the company, George Tenet, assured that?nunca said that [ in Iraq ] was an imminent threat, but only?un dangerous dictator? that he dealed with develops (and not that had) a program of arms of massive destruction.
In the United Kingdom, prime minister, Tony Blair, also have announced the creation of a commission to investigate if an error when assuring that were committed Sadam Husein had arms of massive destruction. But in Spain doubt does not fit some: the president of the Government, Jose Maria Aznar, thinks that the threat of the arms of real massive destruction?es? and firmness must be fought?con. In addition?sería one burdens irresponsibility? to argue on the arms that Sadam Husein had, according to affirmed Wednesday before the Congress of the United States.
?Se based on the UN?
Ever since the controversy has been intensified, the Spanish Government is had unmarked alleging that the Spanish intelligence services did not provide information to him on the Iraqian arsenal (something that is contradicted with the truth), and placing in shoulders of the UN the responsibility to make believe the international community that Sadam Husein had arms of massive destruction.
Zaplana has insisted today on avoiding the question: to?Querer to open a debate on these questions is no place in Spain, because we never based our political decision on no type of existence of no report on watch of intelligence. Some want it to bring to collation so that it is let speak of other questions. The minister has been clear: ?Lo said the president of forceful and reiterated form in the Spanish Parliament. One was based on the resolutions of the Security Council of the UN, on the information of the inspectors and the national interest.
And it is that, according to Zaplana, inspecting?los never have said that there were no arms, have never said it and they do not say it now, of which it is not possible to be deduced that, in this kingdom of ambiguity, they said were them. Thus, the Executive admits now for the first time that?pudo to be mistaken.
(第2文、機械英訳)
http://www.elmundo.es/elmundo/2004/02/06/espana/1076075834.html
The Government says that mundial' participated in the war by the ' conviction of which arms existed
BAGDAD (IRAQ). - Minister Portavoz, Eduardo Zaplana, has defended that the Spanish Government participated in the "international conviction" of which Sadam Husein had in its power arms of massive destruction, whose existence did not deny then nor either now the inspectors of the UN. In addition, he remembered that the previous debate to the war did not turn around the existence of arms, but to the terms in which Sadam had to certify its disarmament.
As Sadam did not respond to the terms marked by the UN, the minister spokesman defended that the decision of the Government had "a foundation and a very logical reasoning" when understanding that the risk for the world-wide security "real" era.
In the conference subsequent to the Cabinet, the spokesman of the Executive was asked in numerous occasions for the refusal of the Government to open in Spain an investigation on the use of the information of the secret services, since he has happened in the United Kingdom and the United States.
Zaplana reiterated that the Spanish Government never based his decision to endorse the war against Iraq in information of secret services, but in the conviction, that was common to all the European leaders, of the risk that supposed the existence of arms of massive destruction in Iraq, which advised to act in defense "of the national interest" and "the security of the world".
For that reason, and in "coherence" with the traditional position of the opposite Government to declassify secret information, the Executive does not consider precise on the matter to make public documents of the National Center of Intelligence, according to Zaplana, that as much recommended the complete reading of the declarations of the head of the reconnaissance group for the location of the arsenals prohibited in Iraq, David Kay, like of the director of the company, George W. Tennet.
(第3文、機械英訳)
http://www.elpais.es/articuloCompleto.html?xref=20040207elpepinac_2&type=Tes&anchor=elpepiesp
Zaplana admits possible mistakes and soon it clarifies that the Government was not mistaken
R. AIZPEOLEA? Madrid?? EL COUNTRY | Spain - 07-02-2004
"we can have been mistaken, as anyone can be mistaken, but it has been acted with great coherence and of course defending the interests of our country and the world-wide security over everything". Thus spokesman responded yesterday to the minister, Eduardo Zaplana, in the press conference subsequent to the Cabinet, to the question if the Government she acted correctly in his support in the war of Iraq, knowing that the head of the company, George Tenet, admitted Thursday that never spoke of which in Iraq a "imminent threat" existed.
Five hours after his appearance before mass media after the Cabinet, Zaplana he clarified to this newspaper through a spokesman of his ministry that what it had meant is that anyone can be mistaken when taking a decision, but that in the case of Iraq, the Government did not understand that he had committed an error. "the minister meant that in the same situation, in the same circumstances, the same decision would have been taken", a spokesman of Zaplana explained.
The explanation of the spokesman arrived in the evening. Before, sources of the Presidency of the Government had indicated to this newspaper that was no rectification of the Executive in its position with respect to Iraq and that the words of the spokesman could not be interpreted like the admission of an error.
Zaplana, in the press conference in Moncloa, reiterated the refusal of the Government to appear before the Parliament or to open an investigation commission, like announced in the United States and the United Kingdom, to explain the reasons for which it took part in the war of Iraq, before the ten of questions that was done to him on this question.
Faithful to the argumentario that distributed to Moncloa Monday on this matter, Zaplana assured that the decision of the Government to participate in the war in Iraq was not in favor conditional of any report of the secret services, as the United Kingdom happened in the United States and, which has carried the creation of investigation commissions, according to the minister. Spain, alleged, participated in the international conviction of which Sadam Hussein had in its power arms of massive destruction, cradle in the resolutions of the UN and the information of the inspectors.
This conviction, together with the risk of which these arms could fall into the hands of terrorist groups like A the Qaeda, advised to act "in defense of the security in the world and the national defense", indicated Zaplana. It insisted on which the previous debate to the intervention of the "trio of Azores" in Iraq was not centered on if there were or nonarms of massive destruction, but in "if there were to give more time or not to the inspectors so that they discovered them".