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世界が歓迎「戦う自衛隊」 [ニューズウイーク日本版2・11]【「怖いのはイラク国民ではなく米国政権!」だからこそ派兵は愚の骨頂!】
http://www.asyura2.com/0401/war47/msg/675.html
投稿者 あっしら 日時 2004 年 2 月 05 日 16:05:43:Mo7ApAlflbQ6s
 


昨日発売された「ニューズウイーク日本版2・11」の14ページから掲載されている記事である。


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タイトル:世界が歓迎「戦う自衛隊」

サブタイトル:イラク派遣:歴史的な1歩を踏み出した自衛隊にとって、最大の試練は同盟国の過大な期待

内容:

『<前略>
 日本は「地上軍」派遣を求めるブッシュ政権の試験にパスしたことになる。国内での激しい憲法論議や過半数近い世論の反対をよそに、自衛隊は歴史的な任務に踏み出そうとしている。
 米政府内には、自衛隊の活動が人道復興支援に限られていることへの不満もある。だが西側諸国はおおむね、日本を「戦友」として歓迎している。リチャード・マイヤーズ米統合参謀本部議長が1月に東京で語ったように、自衛隊派遣は「日本が世界の安全のために、危険を承知でイラクへ行くというテロリストへのメッセージ」になるからだ。
 歓迎しているのはマイヤーズだけではない。ヘンリー・ハイド米下院外交委員長は「イラク復興と対テロ戦争への日本の際立った貢献」をたたえた。マーティン・ハットフル駐日英国公使も同じ気持ちだ。「イラク復興という重大な仕事に日本の支援が得られたことを喜ばしく思う」と、ハットフルは言う。
 対イラク政策でアメリカと対立する欧州諸国にも、対米偏重姿勢への懸念を別とすれば、日本が国際社会でより大きな役割を果たすこと自体に反対する声はない。

警護を要する軍隊の怪

 歓迎の声のなかには、イラク戦争への国際的な支持取り付けに苦労してきた米指導層の安堵のため息も紛れ込んでいるのかもしれない。自衛隊派遣は「小さな一歩だ」と、米ケイトー研究所のテッド・カーペンター副所長は言う。「だが、それでも歓迎すべきだ。ブッシュ政権も100%満足してはいないだろうが、より本格的な協力へ向けた最低限の意思表示と受け止めている。フランスやドイツやロシアよりは、はるかにましだ」
 米英政府内には、自衛隊がもっと軍事的な役割を果たさないことに対する失望もある。昨年夏の時点では、米政府はイラク国内でもとくに治安の悪いバグダッドとその周辺への自衛隊派遣を期待していたようだ。だが、その後に具体化した派遣計画で、活動は比較的治安のよいイラク南部のサマワに限定された。
 自衛隊が米軍やオランダ軍の「警護」を必要とするというのも、同盟国にしてみれば奇異な話だ。
 自衛隊が援軍というよりお荷物になる場面も想像に難くない。自衛隊派十分な武器を携行するが、同盟軍がテロ攻撃を受けても、自分たちが直接攻撃を受けないかぎり応戦はできない。
 憲法の制約のためだが、海外ではなかなか理解されない。「日本がやること、いや、日本がやらないことと、イギリスが今やっていることには隔たりがある」と、米バンダービルト大学の日本専門家、ジェームズ・アウサー教授は言う。「自衛隊の交戦規定がこれほど厳しくなかったら、われわれももっとありがたく思っただろう」
 しかし、日本も次の軍事的な危機ではより大きな負担を担うはずだ、という期待も込められてはいる。英デーリー・テレグラフ紙は「日本が勇気を見せた」と題する社説で、日本の軍事貢献が平和維持活動からイラク派遣へと拡大してきた過程を解説した。
 期待は増殖するものだ。日本がぎりぎりで踏み出した一歩でも、次はそれ以上のものが求められる。米戦略国際問題研究所のパトリック・クローニン研究部長は「ブッシュ政権は、アジアの同盟国の適応力を試している。合格ラインはだんだん高くなる」と言う。
 今回は復興支援だけで十分でも、「次は、米政府がより大規模で多様な関与を求めてくるのは確実だ」と、カーペンターは言う。

自ら変わりはじめた日本

 欧米の日本専門家が目を見張るのは、日本がアメリカの要求に引きずられるのではなく、自らこの変化を推し進めてきたことだ。「自衛隊と防衛庁には派遣へ向けた強い欲求がある」と、クローニンは言う。「小泉純一郎首相がこれを歓迎し、日本国民も応じた」
 アジア諸国もそんな日本を、仕方なしにではあるが受け入れている。北朝鮮とテロの脅威がそうさせた面もある。「中国も、日本が対テロ戦争を支援することには文句を言いにくい」と、戦略国際問題研究所太平洋フォーラムのラルフ・コッサ所長は言う。「見本にとっては、それが政治的に有利に働いた」
 日本が憲法改正まで突き進むのか、従来どおりの拡大解釈で押し通すのかは、今後イラクで自衛隊に何が起こるかで変わってくる。
 自衛隊に死者が出るリスクは誰も否定しない。海外の日本ウォッチャーは、ある程度の犠牲は国民も覚悟のうえだとみている。だが予想を超える悲劇に見舞われれば、撤退を余儀なくされるかもしれない。自衛隊が誤って民間人を殺害した場合、日本国内に反動が起こることを懸念する専門家もいる。
 だが当面、自衛隊の最大の試練は、彼らを見守る世界の不安ではなく希望のほうだ。サマワで自衛隊の先遣隊と会見した英陸軍のティム・スミス少佐は「自衛隊はうまくやってくれると確信した」と言う。「サマワの荒廃ぶりはひどい。あらゆる助けが必要だ」
 自衛隊と日本にとって、大歓迎の裏にある期待は重い。』

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