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http://www.sankei.co.jp/news/morning/01na1001.htm
出港停止を恐れ自主規制か
北朝鮮船の日本への入港回数が昨年、入港頻度の高い港だけでも約二割減少していたことが、産経新聞の調べで分かった。国土交通省の船体安全検査「ポートステートコントロール(PSC)」の運用が昨年、厳格化したことから、出港停止などの措置を警戒した北朝鮮側が日本向けの船舶を整備状況のよいものに絞るなど自主規制したためとみられ、大量の整備不良船を抱える北朝鮮にとって、PSCが事実上の「入港制限」となったことが裏付けられた格好だ。
北朝鮮船が入港する各地の港湾事務所などによると、平成十四年中、入港が多かった上位十港の合計は延べ千百四十回だったのに対し、昨年は九百二十五回と約20%も減少。入港回数の減りが最大だった舞鶴港では、三百十八回から二百四十一回になった。
海上保安庁の集計では、北朝鮮船の入港回数は平成十二年から十四年までの三年間で千百八十回から千三百七十回へと増加傾向が続いていた。
昨年の入港回数の減少について、各地の港では「PSCの運用が強化されることが報道され、整備不良船舶の割合が多い北朝鮮側が日本の港で留め置かれる可能性を嫌った結果ではないか」との見方が出ている。
また、北朝鮮船の日本入港について、海事業務関係者は(1)燃料の消費削減のため船の出港回数を減らしている(2)輸送効率を高めるために、運輸事情の悪い北朝鮮では国内からの集荷を待つのに時間がかかる(3)PSCで問題点が指摘されるような船は対日貿易に使わない−などの傾向があると分析。PSCが昨年並みに厳格に実施された場合、不足備品などの調達が困難な北朝鮮船の入港は、今後も減少傾向が続くとの見通しを示した。
一方で、全体的な減少傾向の中、境港は、三百三十七回から四百十回へと大幅に増加した。
境港に接する鳥取、島根両県では「不況で地盤沈下している地域経済の活性化のため、北朝鮮との貿易を活用。北朝鮮産のカニの加工が地域の主要産業の一つとして定着している」ことが背景にあると分析している。
境港管理組合では「PSCは境港でも厳格化し、年末には入港回数が減った。だが、北朝鮮船の代理店に、PSCに耐える船を使うように要請するなど対策を講じてきた。地域経済に直結した問題であり、政治と経済は分けて考えてほしい」としている。
拉致被害者の支援団体「救う会」の西岡力副会長は「不十分ながらも、北朝鮮船に対しPSCが規制として働いているのだろう。だが、一昨年以前には厳格な運用をしていなかった政府の認識を問いたい。厳格な運用はもちろんだが、安全航行の観点ではなく、日本の安全保障上の観点からの規制をする段階にきている」と話している。
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≪PSC≫ 船舶の安全な航行と海洋環境保護のため、入港する外国船舶に対し構造・設備、船員の資格などの基準への適合性を検査する制度。是正命令を受けた船舶が、問題点を改善せずに再び入港しようとした場合、港湾管理者が岸壁の使用を拒否する根拠として活用される。昨年8月の貨客船「万景峰92」の例のように国土交通省が出港を差し止めることもある。連絡調整を行っている「東京MOU(アジア・太平洋地域PSC協力体制)」によると、北朝鮮船に対するPSCの実施は14年が40件(うち是正命令は23件)だったが、15年には209件(同128件)と大きく増加した。