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【ワシントン和田浩明】対イラク開戦を正当化するため、フセイン政権の大量破壊兵器の脅威を米ブッシュ政権が誇張した疑惑をめぐり、背景を追及する記者らと、疑問に正面から答えない政権幹部の間で攻防が続いている。
きっかけは、約10カ月兵器捜索を指揮し先週辞任したデビッド・ケイ米中央情報局(CIA)顧問による「生物・化学兵器の大量備蓄はない」との発言だ。
29日演説したブッシュ大統領は、「アメリカ国民と(イラク戦争の)決定について議論することを楽しみにしている」と述べたものの、大量破壊兵器が見つかっていないことには触れずじまい。「正しいことをしたと絶対的に確信している」と従来の主張を繰り返しただけだった。
同日朝、米テレビに相次いで登場したライス大統領補佐官(国家安全保障問題担当)も、「(開戦の根拠になった)諜報(ちょうほう)機関の情報は間違っていたのか」との質問に「サダム・フセインの大量破壊兵器がどうなったのか、すべて判明したわけではない」と改めて反論。「過去の情報と、現地での調査結果が違っており、比較する必要がある」ことは認めたものの、民主党やケイ氏が指摘している、開戦前の情報収集に関する独立委員会による調査の必要性は「その時期ではない」と否定した。
マクレラン大統領報道官も同日朝の会見で、記者らが誇張疑惑への対応をしつこく迫ったにもかかわらず「現地調査はまだ終わっておらず、結果を待つべきだ」とのこれまで通りの回答に終始。調査期間について「(11月の大統領)選挙前に終わるのか」と質問されると「それは(ケイ氏の後任の)リチャード・ダルファー(元国連査察官)が決めることだ」と確答を避けた。
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61年就任のケネディ大統領以降、40年以上もホワイトハウスで歴代政権を取材するヘレン・トーマスさん(83)の話
困難な状況に追い込まれた政権は、記者の質問に答えたがらないものだ。(権力乱用の指弾でニクソン大統領が辞任した)ウォーターゲート事件の時もそうだ。まともに対応したら逆に驚きだ。
ブッシュ政権が疑問に答えようとしないのは、時間を稼いでイラクからの「出口戦略」を探ろうという計算だろう。独裁者を追い出し、民主主義をもたらし、皆喜んでいると主張して、(イラク戦争を)米国民に納得させようというわけだ。成功する可能性はある。
しかし、イラクの状況には人の生死が懸かっている。多くの米兵や同盟国の兵士らが命を落としている。重要な問題で、今後も議論が望まれる。
[毎日新聞1月30日] ( 2004-01-30-13:54 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20040130k0000e030056000c.html