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■「自衛隊のイラク派兵は憲法九条や自衛隊法などに違反し、平和に生きる権利(平和的生存権)を侵害する」として、元自民党衆院議員(旧道1区選出)の箕輪登・元郵政相(79)=小樽市=が二十八日、国に派遣差し止めと慰謝料一万円を求める訴えを札幌地裁に起こした。
弁護団には佐藤博文弁護士(札幌弁護士会副会長)ら道内の弁護士百六人が参加した。イラク派遣問題で、大規模な弁護団を組織して差し止め訴訟を起こすのは全国で初めて。弁護団は今後、道内の元国会議員や市民に呼びかけ、第二次提訴を検討している。
訴えでは、米英軍などによるイラク占領は国際法上「交戦状態」に当たると主張。そのうえで@最小限度の自衛力を合憲とする「専守防衛」の憲法解釈に立っても、侵略行為がないのに外国領上で武力行使するのは憲法九条に違反するA無反動砲など重装備での派遣は「武力の行使」に当たり、自国の防衛にのみ武力行使を認めた自衛隊法に違反するB全土が戦闘状態にあるイラクでの活動はイラク特措法に違反する−などとしている。
原告はさらに「派遣によって自衛隊員や国内外で暮らす日本人がテロ攻撃の標的となる可能性が高まり、生命や身体の危険にさらされている」と主張している。
提訴後の会見で、箕輪氏は「国は都合よく法律の拡大解釈を重ねている。法治国家としてこれでいいのか」と訴えた。
同様の派遣差し止めは、名古屋の市民団体が二月上旬にも集団提訴を予定。東京や大阪でも弁護士や市民団体が検討を始めている。
■法の拡大解釈批判「平和的生存権」を問う
「小泉首相には、派兵を思いとどまっていただきたい」自衛隊のイラク派遣差し止め訴訟を起こした元郵政相の箕輪登さん(79)=小樽市=は、提訴後の会見で自衛隊法などの拡大解釈を重ねる国の姿勢を批判した。
箕輪さんは一九六七年から八〇年まで衆院議員(旧道1区)を務め、防衛政務次官や党国防部会副部長を歴任。党きっての「防衛族」として知られた。その目から見ても、イラク派遣に向けた小泉純一郎首相の言動は目に余るという。
「自衛官がイラクで人を殺せば、日本の刑法で殺人罪に問われる。国会答弁を聞いていても、自衛隊法が規定する『武力の行使』の意味さえ十分理解していない。シビリアンコントロール(文民統制)のトップがこれでいいのか」
提訴表明後、ある現役自衛官は箕輪さんに「私たちは日本国民のために命を懸けている。イラクのためではない」と複雑な心中を明かしたという。弁護団事務局の佐藤博文弁護士は「箕輪さんを先遣隊″とし、二次提訴につなげたい」と話す。
一方、弁護団には道内四百二十一人の弁護士のうち百六人が名を連ねた。正式な呼びかけは先週末からでさらに増える見込みという。
三十一年前の七三年には、同じ札幌地裁で長沼ナイキ基地訴訟の一審判決があり、「自衛隊は違憲」と判断された。弁護団は、その根拠となった「平和的生存権」(平和に生きる権利)がこの提訴でも焦点になるとし、「イラク派遣は違憲との世論を北海道から喚起したい」としている。
[北海道新聞1月29日]