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平成16年1月28日(夕刊フジ)
日米合作PKOの持続可能性
渡辺喜美
ブッシュ幕藩体制の中でわが小泉藩の親藩直轄路線は、ますます強固なものになってきた。「ブーツ・オン・ザ・グランド」もいよいよ本格化する。何と言ってもわが藩は石油の9割を中東に依存している。アメリカ人は1日1人当たり1升瓶6本の石油を消費するが、わが藩の人々も3本飲み込む。世界第2位の消費大国だ。この際、綺麗事は・・・。
拓大の森本敏教授が冷徹な見方を持った外交官のエピソードを紹介している(産経新聞1月24日)。「森本さん、米国のイラク戦争の原因は結局、石油ですよ。石油の価格を自由に操作できるようにしてOPEC国への影響力を行使することが狙いに違いないです」。語っているのは今は亡き奥克彦大使。昨年六月、一時帰国した時の話だ。
今から30年前の第1次石油危機当時、米国は油田を制圧するためサウジアラビア、クウェート、アブダビへの侵攻を計画したことが英政府の機密文書公開で報告されている。さもありなん。1971年、ニクソン米大統領は金ドル交換停止を発表。変動相場制が始まった。その2年後にOPEC諸国は原油価格を一気に4倍に引き上げた。原油取引はドル建てである。ドル安は産油国の財政を直撃する。現在、OPEC内ではユーロ建て取引の声も上がっているそうだが、アメリカが黙っていないだろう。
大量破壊兵器はなかったようだ。では、フセイン体制転覆でイラクの民主化路線はどうなるのか。6月末の主権委譲でCPA(連合軍暫定当局)は間接選挙を考えているが、シーア派の巨頭シスターニ師は「直接選挙をやれ」と強硬に主張する。アフガンもそうだが、アメリカの思い通りにはなっていない。
忠誠の証は60兆円
ブッシュ大統領の年頭教書でも英・豪についで3番目に名前を挙げられた御三家小泉藩は、ますますアメリカに忠誠を誓う。例えば、米国経常収支赤字を全部ファイナンスできる介入御用金を用意すること。約60兆円也。昨年は20兆円、今年は1月だけで数兆円もすでに使っている。
アメリカは大統領選の年。米国民の関心はイラク問題よりもむしろ、雇用と景気、社会保障制度の方が圧倒的に高い。財政をフルスロットルで噴かすのが即効的だ。単年度の財政赤字GDP比率は日本よりも悪い。
ゆるやかなドル安を誰も止められない。投機的にドルを売る人にとって、確実にドルを買ってくれる日本政府はありがたい存在だ。こんなボロい商売はない。もし、日本が介入をやめたら、途端に落盤事故が起きるだろう。超円高である。
無限大の介入が可能なのは、いくらお金を刷ってもマネーサプライが増えないこと。つまり、金融システムが機能不全で、お金の回転率が極端に悪いからだ。金利も相変わらずゼロ。アメリカに流入したお金は米国債に投資され、金利を低下させ、株を上げる。ナスダックは2割も上がった。みんなハッピーでいいじゃないか、という気分は果たしていつまで続くだろうか。
http://www.nasu-net.or.jp/~yoshimi/