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小泉純一郎首相(自民党総裁)と神崎武法・公明党代表との与党党首会談が26日昼、首相官邸で行われ、政府・与党として陸上自衛隊本隊のイラク派遣を正式に決定した。公明党は党首会談に先立つ拡大中央幹事会で派遣容認を決め、神崎代表が首相に了承方針を伝えた。これを受け石破茂防衛庁長官は同日夕に陸自本隊と、陸自の物資を輸送する海上自衛隊への派遣命令を出す。現地の治安情勢になお不安が残る中、自衛隊のイラク派遣に伴う主要な意思決定手続きは終了し、政府は2月初めまでの国会承認を目指す。
自公党首会談は17分間で終了した。席上、首相が「陸自本隊を派遣する環境が整った」と了承を求めたのに対し、神崎代表は「首相の判断を尊重する」と同意するとともに、(1)派遣隊員の安全確保(2)国民に正確な情報を伝える報道対応(3)現地の期待が高い雇用対策――を要望した。首相への要望項目は、公明党の拡大中央幹事会で決まった。
また、石破長官は同日午前、首相官邸で小泉首相に対し、23日に帰国した先遣隊の調査を踏まえ「現地サマワの治安は比較的安定している。地元の期待も高く、宿営地建設も順調に進む見通しだ」と報告した。
陸上自衛隊は派遣命令を受けた後、来月1日に北海道旭川市で本隊の編成完結式を行う。宿営地を設営する施設部隊は来月上旬、給水など人道復興支援活動を行う本隊は来月下旬から3回に分けサマワに派遣される。石破長官は同時に海上自衛隊にも派遣命令を出す方針で、これで陸海空3自衛隊の派遣が確定する。
陸自本隊の派遣について公明党は、慎重論の強い支持母体・創価学会への配慮から神崎氏が昨年末、自らサマワを訪問。陸自先遣隊にも現地の治安調査を求めるなど、与党内手続きの徹底を求めていた。今回の派遣決定に民主党など野党は強く反発しており、国会での攻防も本格化する。
【解説】情報抑え重大決断
陸上自衛隊本隊のイラク派遣は26日、基本計画を閣議決定した先月以降の既定方針通り、公明党の了承を得る「儀式」を経て政府・与党内手続きが完了した。政府は派遣に批判的な創価学会を支持母体とする公明党に最大限の配慮を示す一方、国会への情報提供には消極姿勢をとり続け、メディア側には報道自粛を求めた。戦闘状態の続く他国領土に重装備の地上部隊を送り込む重大な政治決断が、賛否の割れる国民への情報開示が不十分なまま行われた。
昨年7月のイラク復興特別措置法成立後も政府・与党の対応は揺れ続けた。政府は「非戦闘地域」に自衛隊を送る同法の規定によって海外での武力行使を禁じた憲法9条をクリアしようとしたが、昨年8月にバグダッドの国連事務所が爆破されるなどイラクの治安悪化が顕著になったことで迷走を始めた。
政府・与党は自衛隊が攻撃を受けるリスクを意識し、昨年9月の自民党総裁選、同11月の衆院選前の派遣決定を見送った。衆院選後に自衛隊専門調査団の報告を受け基本計画を決定。野党が求めた臨時国会の召集を拒否し続ける一方で、なお治安情勢を見極めるよう求める公明党に配慮し、陸自本隊の派遣決定前に改めて同党の了承を得ることとした。
小泉純一郎首相は国会答弁で危険な治安情勢は認めつつ、撤退の可能性に触れることは極力避けている。今後、陸自派遣が本格化した後も、批判を恐れて情報を抑える懸念はぬぐいきれない。【平田崇浩】
[毎日新聞1月26日] ( 2004-01-26-14:46 )
http://www.mainichi.co.jp/news/selection/20040126k0000e010025004c.html