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http://tanakanews.com/blog/0402151043.htm
2004年02月15日10時43分
国連がイラクに送り込んできたブラヒミ代表は、2月13日にシーア派の代表であるシステーニ師と会談し、アメリカが予定していた6月末までの選挙は行わず、代わりにイラク暫定評議会を現行の25人枠から大幅に拡大し、暫定評議会が2005年に予定されている総選挙を実施していくという構想で一致した。暫定評議会はこれまで「アメリカの傀儡にすぎない」と批判されてきたが、それをイラクの今の各政治勢力の勢力分布をできるだけ反映させたかたちに変えることで権威を持たせ、事実上の暫定政権として機能させる方向で話が進んでいる。
US plans for Iraq fall from favour
http://www.iol.co.za/index.php?sf=2813&click_id=2813&art_id=ct20040213214140932I6214215&set_id=6
この新しい動きのポイントは、拡大する部分の暫定評議会の新メンバーを任命するのがアメリカではなく国連であるという点である。この構想が実現すると、イラクにおけるアメリカの権限は縮小し、代わって国連がイラクの政治を背後から動かす勢力になる。
もう一つのポイントは、この新構想に対し、今のところイラクの主要な各政治勢力の中から反対意見が出ていないということである。スンニ派の聖職者集団は、国連による任命でかまわないという意見を出しているし、シーア派の中でシステーニと対立してきたアルアルサドルは、モスクの金曜礼拝での説教の中で「ICO(イスラム諸国会議機構)とアラブ連盟が国連に協力し、イラクの選挙を実現できるようにしてほしい」と呼びかけた。
Sistani considers the Meeting with the UN Envoy a Success
http://www.juancole.com/2004_02_01_juancole_archive.html#107674573198066965
アルサドルは以前「国連はアメリカの傀儡だから、イラクを統治するのが国連主導になっても、それは事実上アメリカ主導と変わらない」として、国連に対して反発していた。クルド人の意見表明をまだ見ていないが、クルド人代表のバルザニとタラバニは、以前からシーア派のシステーニとかなり結託していた感があり、反対しないものと思われる。
このように主要各派が、暫定評議会を拡大して事実上の暫定政権とし、アメリカが撤退し始める7月1日を迎えるということで合意しているように見えるということは、その方向で進む可能性が大きいということだ。
イラクをめぐって国連の権威が高まるということは、他の地域紛争に対する解決策をめぐっても、国連が主導する割合が高まる可能性があるということだ。
そこで問題となるのは、いったい米軍は6月末にどのぐらい撤退するつもりなのか、以前から疑われている「今後10-20年は米軍がイラクに駐留し、イラク政府を傀儡化する」という態勢になるのか、ということだが、これに関しても興味深い動きがある。走行中にゲリラ勢力に命を狙われた米軍のアビザイド司令官が「イラク人は米軍に頼らずに自国の治安維持ができるようにならねばならない」と発言していることだ。
Gen Abizaid: Iraqis Must Reduce Dependence On US Military
http://framehosting.dowjonesnews.com/sample/samplestory.asp?StoryID=2004021321100010&Take=1
米軍がイラクの治安維持をイラク人の治安部隊に任せるという方向性は以前からあるが、ここにきて、イラクで国連の権威が高まる一方で米軍が抜けていくという態勢が、かなり固まってきているように感じられる。