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【バグダッド藤原章生】アラブ圏の有力紙アッシャルク・アルアウサト紙は12日、今月末の制定を目指してイラク統治評議会の起草委員会が作成した基本法(暫定イラク国家政権法)の草案を掲載した。草案は北部クルド人に中央政府と同等に近い地域政府権限を与えるなどクルド人の要求を認めている。評議会はこれをたたき台に新憲法の土台となる基本法づくりを急ぐが、大幅に修正される可能性もある。
草案は(1)基本原則(2)立法権限(3)暫定行政権限(4)司法権限(5)連邦政府権限とクルド地域政府権限の関係――など全7章、51条で構成。イラクは住民の民族構成などで分ける地域別の連邦共和制をとり、北部地域の境界線画定をバース党らが政権を握る68年以前に戻して、天然資源は産出地域(政府または住民)が50%を握ると明記した。
フセイン政権はクルド人の地にアラブ人を移住させる「アラブ化政策」によって、キルクークなど油田の多い地域を非クルド地域としてきた。しかし、草案によれば北部田の鉱区権の半分をクルド地域政府が押さえることになっており、アラブ系やトルクメン人の反発は避けられない。
また5月31日に発足する暫定議会は6月末までに「大統領評議会」の代表3人を選び、これが暫定政権の中心となるが、3人から1人の「暫定大統領」を選ぶかどうかには触れていない。
宗教については「イスラム教が主な法源であり公式の国家宗教」としながらも「唯一」とは表現せず、「他宗教を尊重」すると強調。イランのような「イスラム国家」の体裁はとっていない。イスラム国家を目指す一部シーア派や、政教分離を唱えるクルド人らからは異論が出そうだ。
モハサン統治評議会議長(スンニ派)は毎日新聞に「6月末の主権移譲は絶対に延期しない」と明言したが、シーア派の最高権威シスタニ師はあくまで「直接選挙による暫定議会樹立」を求めており、統治評議会の議論は難航しそうだ。
◇イラク基本法の草案要旨
【バグダッド藤原章生】アラブ圏紙が12日報じたイラク基本法草案の要旨は次の通り。
1、イラクは中央政府、地域、県、市当局による連邦共和制をとる。
1、クルド人がキルクークを含む地域に独自の政府をつくることを認める。
1、クルド人地域は独自の軍を保持。
1、連邦(中央)政府とクルド政府の問題は両政府代表でつくる調整評議会で解決する。
1、連邦は地理、民族に応じた地域で分け、前政権の(クルド地域の)アラブ化政策の影響は取り除く。
1、イスラム教が公式の国家宗教となる。
1、暫定政権を担う暫定議会は国内18県でそれぞれ(1)統治評議会(2)県評議会(3)県内の5大市評議会が各5人を推薦し、米英占領当局(CPA)、国連などの協力で県組織委(15人)を発足させる。
1、各県組織委は県内の政党や部族、宗教団体と協議し、10万人に1人の割で暫定議会議員を5月31日までに選ぶ。
1、暫定議会は議員から3人の代表を選び、大統領評議会を発足させる。これが国家の最高権威となり首相ら閣僚選出、法作成に当たる。
1、天然資源は産出地域が50%を保有し、残りを人口配分で他地域に分配する。
1、05年3月15日を期限に新憲法づくりのための制憲議会を総選挙で選ぶ。新憲法の下、05年末までに総選挙を行う。
[毎日新聞2月13日] ( 2004-02-13-21:24 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20040214k0000m030072000c.html