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デーヴィッド・アイク 訳・本多繁邦 【究極の大陰謀】三交社
ブッシュ政権に集う悪党ども
◎「自由の破壊者」はまだまだいる―偽善者ジョン・アシュクロフト司法長官
ジョージ・W・ブツシュの司法長官ジョン・アシュクロフトも、モンサントから金をもらっている
内部者の一人だ。やはり企業にたかって利益を得ているが、特に目につくのはマイクロソフトとエンロ
ンだ。エンロン・スキャンダルが明るみに出て、ブッシュ大統領の最大の資金源が信じられないような
腐敗のなかで崩壊すると、司法長官のアシュクロフトは喜劇的な状況に置かれることになった。長官自
身がエンロンから金を受け取っていたために、調査に参加できなかったのである。
二〇〇〇年十一月の上院議員選挙では、アシュクロフトは死人にすら勝てなかった。対立候補でミズ
ーリ州知事のメル・カーナハンがセスナ機で集会へ向かう途中に事故に遭い、息子と選挙参謀ともども
死亡したにもかかわらず、投票用紙に名前が残っていて、そちらに投票した数のほうが多かったのであ
る。死後に上院議員に当選したのはカーナハンが初めてのケースだった。まあ、たとえ生きていたとし
ても、アシュクロフトほどあくどいことができなかったのは確実だが。
とはいえアシュクロフトはただちにワシントンヘ戻り、次期大統領のブッシュから司法長官に任命さ
れた。《九・一一》以後、性的興奮としか言いようのない熱狂と歓喜のなかでアメリカから基本的な人
間の自由を奪ったのは、この男だ。ちなみに前任者は、ウェイコーの集団殺人事件をもみ消した、あの
芯まで腐ったジャネット・レノである。
司法長官も、イルミナティが任命する重要ポストだ。アシュクロフトが所属する「宗教右派」は、ブ
ッシュ・ファミリーのクローンを数々生み出している。その一人があの記念碑的偽善者パット・ロバー
トソンだ。ロバートソンは自宗派の「聖職者」と大衆から集め
た「人道的プロジェクト」への巨額の寄付を利用して、悪辣（あくらつ）で腐敗した独裁者
モブツ・セセ・セコが支配するコンゴなどへと、自分のビジネス帝国を拡張している。
誰でもいいから「宗教右派」の名前を挙げてみよう。間違いなくそいつは偽善者だ。外れたことは一
度もない。少し話がそれたが、とにかく司法長官ジョン・アシュクロフトの「心の故郷」はここだ。こ
の自由の破壊者は、ニューヨークとワシントンで数千人が死んだという好機をとらえ、人間にとっての
基本的な自由をアメリカ人から奪い取ってしまったのである。
アシュクロフトは自分をキリスト教保守主義者を自称し、タバコも酒もやらず、ダンスもしないと言
っている。神が作りたもうた人問の生命を奪うからと妊娠中絶に反対しているが、一方で死刑は支持し
ている。イラクで毎月数千人もの男女や子ども殺されていくことや、アフガニスタンなど世界各地での
大量殺人も平気だ。
ブッシュ政権の公式自由破壊者になる以前にアシュクロフトが名を上げたのは、麻薬その他の習慣性
物質との「戦争」だった。アシュクロフトは、父ブッシュが自分で麻薬密輸をしていた時期に大勢一本
釣りしたうちの一人で、その手の犯罪者は死刑にせよと主張している(まずいんじゃないか、ブッシュ
の親父さん?）
またアシュクロフトは、バドワイザーで有名なセントルイスのアンハイザー・ブッシュ社からの二万
ドルを含めて、一九九三年以来、複数の酒造会社から四万四五〇ドルを受け取っているし、アメリカ・
ビール研究所が製作したお世辞ビデオでも、酒造業界から賞賛を浴びている。雑誌『マザー・ジョーン
ズ』からこの矛盾を質問されたアシュクロフトは、「需要があるのだし(そう、麻薬も）、責任を持って
飲む分には他の製品と変わらない」と答えている。
もちろんタバコ業界からも金をもらっている。一九九四年の上院議員選挙のときのことで、タバコに
ついては、国民には悪い選択をする自由もあると言っていた。アシュクロフトの気が変わるまではそう
なのだろう。その時々の二ーズに合わせて言うことがころころ変わる、こんなご都合主義の倫理観しか
ない偽善者が、他にいるだろうか。アメリカ人よ。この男が君たちの自由を奪っているのだ。
デーヴィッド・アイク 訳・本多繁邦 【究極の大陰謀】三交社
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。