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パウエル詐欺演説を決定的証拠とぶち上げた男=船橋洋一【報酬明細の開示を】
国連決議1441を受けてブリクスが提出したレポートを好機ととらえた米英は、その後、イラクの全面査察受け入れを嘘だと決め付け、慌てて開戦に突っ走った。
ブリクス・レポートが提出されてほどなくNSAはウィーン条約違反の関係者に関する広範な盗聴活動を行った。その時NSAが職員や外国の情報機関に協力を求めたレターに記された活動のピークはパウエル演説の時期だった。
NSA国連安保理スパイ【Revealed: US dirty tricks to win vote on Iraq war】
http://counternews.blogtribe.org/entry-1cb2e5bd90722836e916fa642a82052d.html
【米英ウィーン条約違反】イギリス、イラク戦争のための国連スパイ発覚、 中国も対象【大嘘と盗み聞きのセットで世界をだます】
http://counternews.blogtribe.org/entry-d264e43cadff0de0c54b037c13b831f1.html
NSAが密かに活動し、米英が嘘を塗り固めるのに忙しい時期に、パウエル演説を決定的証拠とさっそくぶちあげた男が日本にもいる。船橋洋一氏だ。
下の記事の日付は2月21日を示している。入稿がこれより前だったとしても、パウエル演説の直後には次のようなことが報じられている。朝日と提携しているCNNの報道である。
UK accused of lifting dossier text
http://edition.cnn.com/2003/WORLD/meast/02/07/sprj.irq.uk.dossier/
Friday, February 7, 2003 Posted: 9:46 AM EST (1446 GMT)
LONDON, England -- The British government has been accused of basing its latest Iraq dossier on old material, including an article by an American post- graduate student.
と言うことで、以下の記事をご覧頂きたい。キューバ危機の話を持ち出しているあたりや、アーミテージのKISSという言葉をあたかも格好のいい言葉であるかのように持ち出している点が興味深い。KISSについてはKISSがついた罵倒語を言っていると考える方が私には自然に思える。また火のないところに煙は立たず、つまり疑惑を示す「smoking gun」について「銃弾を発射したばかりの銃(smoking gun)」などと言っている点も面白い。
しかしそれより何より目に付くのは国連査察で再三問題となっていたスパイ活動をヒューミットなどとして美化している点である。一連の騒動を知っていてそんなことを言っているとしたら全く異常な感覚の持ち主だとしか言いようがない。
あるいは米英のヒューミットが、その時だけではなかったことを身を以って知っていたのだろうか。
そもそも疑う事を一切行わずパウエル演説を絶対視している以下の記事は、とても「ジャーナリスト」の筆によるものとは思えない。氏は「朝日新聞コラムニスト」という肩書きは今すぐやめて、「CFRコメンテーター朝日支局付け」とでも肩書きを改めるべきだ。
同時に氏自身や氏に関係する朝日新聞、週刊朝日も含めて、これまで氏に関係して支払いを受けたあらゆる組織の明細を国民に今すぐ明示すべきではないのだろうか。
朝日新聞が社説で政治家にいつも言っているように。
[ 週刊朝日2003年2月21日号 ]
パウエルの突きつけた証拠にさあどう答える サダム・フセインは「真夜中5分前」
http://www3.asahi.com/opendoors/span/syukan/briefing/backnumber/600/637.html
「イラクはいまや、真夜中5分前にある」
国連査察団の団長、ハンス・ブリクスはそう言った。もう5分しか残されていない。それまでにサダム・フセインが大量破壊兵器をただちに、完全に除去しなければ戦争だ。ブリクスはそのように警告を発したのである。国連安保理でイラクが大量破壊兵器をなお秘匿していることを濃厚に示す証拠をパウエル米国務長官が突きつけて以来、時計の針がいちだんとせわしなく時を刻んでいく。
国連決議1441は、イラクに三つのことを義務づけていた。
(1)協力せよ
(2)開示せよ
(3)武装解除せよパウエルは、証拠として挙げた録音と写真によって、このいずれにおいてもイラクが妨害し、虚偽の申告をし、武器を秘匿していると断罪した。
サダム・フセインのほうは、この安保理の前、バグダッドでトニー・ベン元英下院議員と会い、そのなかで「大量破壊兵器はちっちゃな薬とは違ってポケットに入らない。イラクが持っているかどうか、そんなこと、ただちにわかるはずだ」と大見えを切った(また、パウエルが熱心に追及した「イラクとアルカイダとの関係」をも頭から否定した。「関係はなかったが、仮にもし関係を持っていたとしても、べつにそれを恥じることはなかっただろう」などと、米国を挑発するような発言もしている)。
しかし、サダム・フセインは米国の圧倒的な兵力より前に、圧倒的なインテリジェンス(諜報)の力に粉砕されてしまった形である。
パウエルが「証拠外交」を展開した安保理では、パウエルの席の後ろにジョージ・テネット(CIA長官)、そのさらに後ろにジョン・マクローリン(同副長官)が控えていた。インテリジェンスが外交の究極の武器であることを、その図ははからずも物語っていた。
それは、米国のお家芸ともいうべきインテリジェンス、とくにsigint(シギント =通信傍受・盗聴)の力を余すところなく示した。「紳士は盗聴せず」などと口では言いながら、米国ほど盗聴に熱心な国はない。
盗聴だけではない。衛星通信による空からの“のぞき”も威力を発揮した。パウエルは、イラクが査察の前に弾道ミサイル施設から兵器類を撤去したことを示す写真を示した。
ただ、衛星通信といえども万能ではない。ハイウエーの下や建物の中は 撮れない。核兵器施設はつかまえやすいが、生物・化学兵器はとらえにくい。
地球は自転する。衛星は一日24時間のうち限られた時間しかその部分 を映すことはできない。それにのぞかれないためには、その時間帯を外して仕事をすることだ。1998年、米国はインドの核実験を事前につかみ損なった。その理由はインドが核実験の準備をするにあたって、衛星外しの“ステルス作戦”を行ったからである。
そこで、humint(ヒュミント=人間によるインテリジェンス)、つまり伝統的な スパイにも力を入れなければならない。パウエルは衛星だけでなく、イラク国内に潜むスパイが重要な情報をつかんできたことを何度も強調していた。米国はヒュミントが弱いとよく言われるが、それでもイラク上層部にスパイネットワークを持っていることをうかがわせる発言だった。米国はアフガニ スタンでもタリバーン政権時代から30人のスパイネットワークを擁し、オサマ・ビンラディンのありかを追跡してきたといわれる(最後、結局は取り逃がしたが)。
米国のインテリジェンスの威力をまざまざと見せつけたのが1962年のキューバ危機の際、米国が発表したキューバにおけるソ連のミサイル基地の写真である。
62年10月25日。国連安保理の席で、アドレイ・スティーブンソン米国連大使は、ソ連が建設中のミサイル基地を撤去するよう求めた。
それをめぐって、スティーブンソンとヴァレリアン・ゾリン・ソ連大使のやりとりが続いた。
「あなたは証拠もないのにソ連を一方的に非難している」
「ゾリン大使、あなたはソ連が中距離、大陸間弾道ミサイルをキューバに建設したことを否定するのですか。イエスですかノーですか。翻訳を待つ必要 はないでしょう。イエスかノーか、答えてください」
「まるで私は米国の法廷に引きずり出されているようですね。検察官が被告に対して尋問するような調子じゃないですか。そんなふうに質問されても 私はお答えできません」
「ここは法廷です。世界世論の法廷です……もう一度、イエスですか、ノーですか」
「いずれわかることです」
「それでは答えになっていません。しょうがないですね。ここでその証拠を示すことにしましょう」スティーブンソンは、秘密偵察機、U2が撮った26枚の写真を示した。「決定的証拠」による「決定的瞬間」だった。
安保理前に、パウエルは、「銃弾を発射したばかりの銃(smoking gun)」のような物証を期待されても困ると予防線を張ってきた。パウエルの無二の親友であり、懐刀であるアーミテージ国務副長官は、パウエルに「kiss」戦術で行くよう進言した。
kissとは米海軍言葉である。Keep it simple,sailor.の頭文字。「単純にやれ、水兵さん」。「強いところで勝負しろ、という意味だ」とアーミテージは解説している。
パウエルは「強いところ」で勝負した。盗聴記録とのぞき写真と、モノを言わせぬ物証には違いない。
ただ、パウエル長官の説明には「弱いところ」もあった。なかでもいちばん弱かったのはイラクと911テロの「接点」と「関係」のところではなかったか。
パウエルは、イラクがテロリストたちと関係があったことをいくつかの状況証拠で挙げた。しかし、それは必ずしも911テロそのものとの連関を示してはいない。そもそも「ブッシュの戦争」でいちばんわかりにくいのが、なぜ、 ある段階からアルカイダとの戦いがイラクとの戦いに切り替わったのか、すり替わったのか、という点だ。だれが、いつ、どのようにそれを決めたの か。
40年前のスティーブンソンのパフォーマンスは、国連(安保理)の威信を大いに高めた。今回のパウエルのパフォーマンスも国連の再活性化と復権をもたらすのかどうか。そこも大きな課題として残されている。
「国連が査察妨害を許すなら、国連は役に立たない」という理屈も一理ある。しかし、それだけではない。国連が多角主義に基づいて決定をし、実行することができるのかどうか、もまた試されている。国連がそれに向かって一歩を踏みだしたのか。それとも米国のワンマンショーの引き立て役に終わるのか、それもまた問われているのである。
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