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独軍再編 世界へ展開 「介入軍」「安定化軍」「支援軍」に新編成
「専守防衛」脱却「紛争対処」主任務に
【ベルリン=宮明敬】第二次大戦後長らく、国外派兵に厳しい足枷をはめてきたドイツ軍が、全世界への展開に向けて名実とも生まれ変わることになった。全軍(現在28万5000人)を世界各地の紛争や危機に即応できる「介入軍」、平和維持を主任務とする「安定化軍」、および両軍の後方支援などを担う「支援軍」の三軍に新編成する方針を明らかにしたからだ。第二次大戦の反省から、ドイツは1990年代半ばまで、派兵を北大西洋条約機構(NATO)域内に限定してきたが、今回の新編成で「戦後」と完全に決別する事になる。
シュトルック国防省は昨年5月、ドイツ軍の主任務を「専守防衛」から「国際紛争への対処」に切り替える方針を示し、今月13日、その新編成を発表した。
独国防省などによると、介入軍は3万5000人規模の重武装部隊で、従来の陸、海、空の三軍から横断的に編成、紛争地や危機が発生した現場に、他国軍部隊とともに緊急出動する。
安定化軍は、介入軍が出動するほど緊急性の高くない「地域の安定化」が主任務。平和維持活動などは今後、この安定化軍の任務になる。7万人規模を想定しており、1万40000人ごとに部隊編成し、世界各地計5地域までの平和維持活動に同時に対応できるようにしたいという。また、支援軍は13万7000人で、両軍の後方支援を任務とするほか、兵士の訓練・育成の場ともなる。
従来の陸、海、空軍の三軍構成は残すものの、実際の運用は、新編成を主体に行われる見通しだ。
ドイツは戦後、侵略戦争への反省とNATO加盟国への義務から、軍展開地域をNATO域内に限定してきた。アフガニスタンやバルカン半島安定化に貢献できるようになったのは、連邦憲法裁判所が1994年7月、連邦議会の事前承認を条件に派兵を認めて以来。
一方、シュトルック国防相は、全軍を25万人規模に削減すると共に、装備調達費や基地の縮小によって、今後数年間で国防予算を260億ユーロ削減する方針も示した。
読売新聞朝刊 2004/01/17